真祖への転生

MooN

甘くてしょっぱい・・・


美紀「違う・・・違う・・・」

フェンリル「・・・眷属よ、その者の心を解き放ってやれ」

フェンリルは美紀を殺すことで考えることから解放してやろうと眷属に命令を下す

2匹の狼はルシェルから牙を抜く・・・その時ルシェルの肌に空いた穴から血が流れる、美紀が蹴った時は凍った場所から折れた為血が出なかった、だが今回は普通に牙を抜いた為血が流れた・・・その血に美紀の鼻が反応する

美紀(・・・甘い匂い、そう言えばこの匂いをたどったらルシェルに会えたんだ・・・前世じゃ嗅いだこともない位に甘い匂い・・・ゴクッ)

美紀の喉がなる、どうして?そんな事は美紀自身が知っている

美紀(・・・血を吸えば・・・強く・・・そう、強く・・・)

美紀はルシェルに近づく、狼が首に噛み付いて来たが構わないとルシェルに近づく

首に噛み付いた狼は首が折れない更には凍らない事に困惑しながらも噛み続ける

フェンリル「どう言うことだ?」

フェンリルは知らない、美紀が吸血鬼と言うことを、奇妙だと思うだけでただ見ているだけだった・・・それが悪手だったと気付くのはすぐだった

美紀「ルシェル・・・ごめんね・・・ごめんね」

ルシェルの目の前で美紀は泣きながら謝る
自分のせいで彼女は夢半ばに倒れてしまった

美紀「ぐすん・・・でも、貴女の夢は私が必ず叶えるよ、ハーフ達を苦しませはしない」

エルフがルシェル以外に居ることを信じて美紀はルシェルに牙を突き刺す

味わった事の無い甘さが口の中を広がる・・・そこに涙が混じり

美紀(甘くて・・・しょっぱい・・・)

次から次へと涙が溢れた

そして・・・力も

美紀は涙を拭い、今だに噛み続ける狼2匹の首に手を振るう

フェンリルは驚愕する
噛んでいた筈の眷属2匹の首が飛ばされていたからだ

フェンリル「・・・お前は吸血鬼か?だが何故エルフの血を吸った?」

美紀に声は届かない、ルシェルが亡くなった為に魔法が切れたからだ

美紀はグレンの様子を見た・・・だがグレンは息をしていない様だった

美紀(・・・グレン・・・私のせいだ、強いスキルがあったからって思い上がった私の・・・)

美紀はフェンリルを睨み付けながらグレンに近づく

フェンリル「・・・なんだ?もしかしなくとも、この幼竜の血も吸う気なのか?」

美紀「・・・」

フェンリル(血を吸う事で強く?それならばあのエルフに近づいた時に見ていたのは悪手であったな、それにこの幼竜の血を飲ませる訳にはいかぬ)

フェンリルはそう思い美紀に噛ませない為にグレンの体を凍らせ始めた!

それを見た美紀は気付かれた事に気付き自分が出せる最速のスピードで走る!

美紀(今の私ならグレンの内側の肌くらいは噛める筈!)

その時グレンの尻尾が少し動いた!少しでも美紀に近づける為に美紀が自分の血を吸える様にと

美紀(っ!グレン!生きてた!)

美紀の眼からまた涙が溢れる

尻尾を目の前にして傷があることに気付く

美紀(ここから吸える・・・グレンごめんなさい・・・そしてありがとう)

グレンの体が大きい上に思ったより美紀のスピードが速く、凍らせる事が間に合わなかったフェンリルは美紀に襲いかかる

フェンリル「くっ!小癪なっ!その首落としてくれる!」

口を開き美紀に牙が迫る・・・が

「ガキン」

フェンリル「!!?」

フェンリルの牙は美紀の首に弾かれる

美紀「ゴクッゴクッゴクン・・・グレンの血も甘くて・・・ひっぐ・・・じょっばい゛」

涙が止まらない

後悔が押し寄せる

美紀「(だけど!・・・もう私は死ぬ訳にはいかないっ!)・・・フェンリル!貴方は許さない!」

ルシェルの血とグレンの血を吸った美紀の力はフェンリルの想定を越えていた

フェンリル「バカな!さっきまで眷属の牙がお前に刺さっていた筈だ!なのに何故っ?我の牙が刺さらない?」

美紀「・・・さっきから何言ってるかわからないけど、貴方は殺さない、生かして罪を償って貰う!」

美紀の眼にマナが集まり始める
そう!美紀は魅惑の魔眼を使う事にしたのだ!
美紀は考えた、グレンに魅惑の魔眼が効かなかったのは耐性と言うよりも魔防が高かったからじゃないかと、そして今ならフェンリルの魔防よりも自分の魔攻が勝っている筈だと!

フェンリル「・・・これは?・・・な、んだ?・・・意識が・・・吸い、寄せられ、る?」

美紀の思惑通りにフェンリルの眼から生気が消える
近寄って来たが美紀は何をする事も無い、もう何もする必要も無い!

フェンリルは舌を出し美紀にじゃれ付き始める

美紀「・・・確かに貴方はグレンとルシェルのカタキでもそれは・・・‘’私も同じ‘’だから貴方を許しはしないけど、貴方を殺した所で私の気持ちはきっと晴れない・・・違う、晴れる晴れないは関係無い・・・‘’殺す‘’覚悟が無いだけ・・・ねぇ?なんで貴方はルシェルを、私達を殺すことを決められたの?・・・私にはできないよ」

ポツリポツリと雨が降り始めた

美紀は空を見上げ涙を流す・・・

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