LIFE~僕と君とみんなのゲーム~

風見鳩

オープニング

 みんなはゲームといえばどういう事を思い浮かべるのだろうか。


 仮想の世界。

 心ときめかすストーリー。

 世界を救うために主人公たちは動き出していく。

 どんどんハマっていくやりこみ要素。

 どんどん強くなっていく自分。

 時には負けることがあるが、セーブポイントからまた復帰できる。

 たまに、気軽に遊ぶようなもの。

 飽きたらやめることができ、またやりたくなったらやることができる。


 それがゲーム。

 特に下の三つは重要なものだ。

 その三つを全て無視できるゲームなど、存在しない。

 存在してはならないのだ。

 もし、仮にそんなゲームが存在するとしたら。

 それはゲームではない。

 それは、もうゲームの領域を超えている。


 よく「現実は糞ゲーだ」と言われる。


 現実の世界。

 心情動かしていく自分の物語。

 自分の未来の為に人は前に進んでいく。

 どんどん新しい事を経験していき。

 どんどん成長していく自分。


 ここまではゲームとよく似ている。――のだが。


 死んだら――復帰できない。

 たまには遊べず――自分の一生を付き纏う、生命をかける遊び。

 飽きたら死ぬ事はできるが――またやりたくても、やり直したくても、そんな事はできない。


 それが現実という名の究極のゲーム。

 それが人生。


 君は今から『LIFE』というゲームをプレイしていく。

 いや、ゲームとは違う。

 君自身はこの物語をこのプレイヤーを動かしていくことができない、ただのストーリー。

 ただの僕の人生。

 後悔と懺悔の話。

 現実と向き合う物語。



 これ以上長くしても別に何の意味もないから、とっとと始めようか。

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