新しい世界で今度こそ幸せをつかみたい

ゆたぽん

37話

暑い火山帯を終え、70階のボス部屋に挑戦する事になった。

ここまでは高くてもSSランクの魔物しか出て来ておらず、ナビさんの話だと確定ではないが、このダンジョン自体がSSランクが限界なのかもしれないとの事。

[挑戦者を確認。この部屋は6人まで挑戦可能です。制限はありません。挑戦しますか?]

ボス部屋に入る前の声がし、ハイと答え中に入ると火山のフィールドが広がっていた。

中央にはファイヤードラゴンが座っており、囲うように赤や銀、金など、様々な色をしたゴーレムがいた。

「…ありゃミスリルゴーレム、それにオリハルコンかぁ?また硬いやつらが揃ってるな。
揃いも揃って高ランクの魔物ばかりじゃねぇか。
まぁ、ゴーレムは問題ねぇが、あのファイヤードラゴンは…強いな。」

強いなと言いながら、アルトさんとラビさんはいつでも戦えるように戦闘態勢をとっていた。

カナリアさんがアルトさんとラビさんにバフをかけ、私は相手の魔物達にデバフをかけていた。

何をすると言わずとも連携がとれるようになっており、火山フィールドに一歩踏み入れてからはほぼ瞬殺であった。

まず、私の威圧で魔物達の動きを封じ、アルトさんはファイヤードラゴンに、周りのゴーレム達を私とラビさんとで倒して行った。

「オラ!これでどうだ!」

ドゴーン!と音と共に、とても良い笑顔でアルトさんがドラゴンを殴り飛ばしている。

…ドラゴンはアルトさんの何十倍もあるのに、壁にめり込んでいた。

ドラゴンは声を出す暇もなく消えていくと、奥に扉が現れた。

「よし!突破出来たな!ん?なんだ?変な顔して。しかし、カミーユのその刀?だったか?良く切れるな〜。
細っこいから折れそうもんだが、ミスリルもオリハルコンも関係なくスパスパいってたもんな。」

そう言って、アルトさんは私の持っている黒鉄を眺めていた。

始めはアルトさんにも武器を作ろうと考えたが、アルトさん自身は体術を得意としているため、籠手を作った。

この際出し惜しみせず、漆黒の谷の素材を使用し、攻撃力は勿論、魔力を込めると防御のシールドを張る事も出来る仕様になっている。

魔法も込めようとしたら、沢山入れても使いこなせないとのため自動回復を入れ、生命の危機の時にパーフェクトヒールが発動される様にしておいた。

出来上がった時にアルトさんに見せたら、カミーユだからなぁ…。と遠い目をされたが、使い勝手は良いとの事。

魔法も手合わせした際、発動されたので問題はない。

あの時のアルトさんは死にかけていたのにとても楽しそうだったな…。

そんな事を考えながら、扉を開けると金の宝箱が置いてあった。

中身は大量のオリハルコンだった。既に大量のオリハルコンを持っていたが、とりあえずインベントリに入れておいた。

アルトさんとパーティーを組んでから、アイテムを分けようとしたが、多すぎるとアルトさんは持てないし、使わない素材を持ってても意味がないからと私が全部預かることになっており、地上に戻ったら渡す話しになっていた。

「それでは、次のフロアーに降りましょうか。」

と、言って赤い魔法陣に入ると、着いた先は真っ暗な空間であった。

「真っ暗ですね…。」

「お、おう。真っ暗だな…。魔物の気配は…。
ん?いねぇのか?いや、そんなはずはねぇよな。どこに!グハッ!」

隣にいたアルトさんの声がいきなり遠くになった。

慌てて気配を探ると何かに引っ張られているのか、グングンと遠くなっていた。

何かわからないが、ヤバイことには変わらないので慌てて従魔に影の中に入ってもらいアルトさんを追いかけた。

物凄いスピードで引っ張られていたが、途中でアルトさんが弾かれるように飛ばされたのがわかり、そこに向かうと片足のない状態のアルトさんが居た。

幸い武器にセットしていたパーフェクトヒールが発動し直ぐに治ったのだが、一旦マジック空間に入る事にした。

「すまん、気を抜いていた。しかしなんだありゃ。絡む感じがワームの触手に似ていたが、わからなかったぞ?
カミーユお前はわかったか?」

アルトさんの問いに首を横に振り、わからないと答えると、もしかしたらSSS級の魔獣が、いるのではないかとのこと。

このフロアーをナビさんが調べてくれているが、どっちにしろ突破するには倒さないと行けない。

直ぐにマジック空間から出るのは得策ではない為、一度休憩を挟みまた話し合うことにした。

?ダンジョン 71/100

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