新しい世界で今度こそ幸せをつかみたい
閑話(アルト)
短いです。
俺はアルト。元だがSSランクの冒険者だ。
最近ではやる事もなく、頼まれた事もあり、後輩の面倒を見るのにガロンに来ている。
今のギルドマスターは調子者だが、人を惹きつける魅力を持っている。
だから若い冒険者を育てて、ベテランと上手く付き合える様になれば良いギルドマスターになるだろう。
もう俺も何年と持たないだろうしな、と殆ど感覚のない左腕を触った。
普通にしていたら誰も気づかないが、数年前、急に呂律が回らなくなり、左側の感覚がなくなって麻痺してしまった。
教会に行って回復魔法をかけてもらったが、腕や足には何の異常もなく、何で呂律が回らなったか不明だった。
身体強化すれば違和感なく生活は出来るが、もう戦う事が出来なくなってしまった。
そんな時、ガロンのギルドマスターのサポートをして欲しいとの話が上がった。
もう冒険者は潮時と考えていたので、話に便乗させてもらった。
ただ、気を張らないと上手く話せない時もあるから、普段は丁寧に話す様にしている。
こんな体になる前に連れ合いを見つければ良かったんだが、今更言っても仕方ない。
ガロンのギルド自体は良くも悪くも何にも問題ないから、このままいけば大丈夫だろう。
ふぅっと溜息をつきながら左腕を触った。
触れている感覚はあるが、分厚い服の上から触っている様な感覚であり、未だになれない。
俺も後何年持つか…。そろそろ死に場所でも探すかな?
そんな事を考えてギルドで受付をしていると、1人気配のない新人がギルドにやってきた。
嬢ちゃんなのか、坊っちゃんなのかはわからないが、兎に角ペッピンさんだった。
他の奴らに絡まれなきゃ良いけど…。と思いつつ、隙のない独特な雰囲気が気になった。
思わず話しかけてみたが、育ちは良さそうな感じだったし、何よりアイツは強くなると感じていた。
まぁ、後に俺なんかよりもかなり強い事がわかったがな…。
それが分かったのだって、エドガーが馬鹿な事をしなければ気づかなかっただろう。
今まで強い魔物とも戦ったが、あんなに強い威圧を受けた事はない。
こんな体じゃなかったら、手合わせをしてもらいたかったぐらいだ。
身体強化を解いた状態で左腕を動かすと鉛の様に動かない。
辛うじて指が動くが、物を掴んだりは出来なかった。
それでも、あんなにワクワクする相手を見つけてしまったからには、死んでも良いから闘いたかった。
ふと、そんな事を考えていると。
「何だ?俺は闘いたいのか…?ははっ。そうか、きっと俺は闘いながら死にたいんだろな…。それなら次に会うまで、少しでもマシになるようにしないとな。」
そう言ってエドガーを再教育しながら再び、身体強化を使い体を鍛え始めた。
いつかに備えて、強敵との闘いに想いを馳せながら。
俺はアルト。元だがSSランクの冒険者だ。
最近ではやる事もなく、頼まれた事もあり、後輩の面倒を見るのにガロンに来ている。
今のギルドマスターは調子者だが、人を惹きつける魅力を持っている。
だから若い冒険者を育てて、ベテランと上手く付き合える様になれば良いギルドマスターになるだろう。
もう俺も何年と持たないだろうしな、と殆ど感覚のない左腕を触った。
普通にしていたら誰も気づかないが、数年前、急に呂律が回らなくなり、左側の感覚がなくなって麻痺してしまった。
教会に行って回復魔法をかけてもらったが、腕や足には何の異常もなく、何で呂律が回らなったか不明だった。
身体強化すれば違和感なく生活は出来るが、もう戦う事が出来なくなってしまった。
そんな時、ガロンのギルドマスターのサポートをして欲しいとの話が上がった。
もう冒険者は潮時と考えていたので、話に便乗させてもらった。
ただ、気を張らないと上手く話せない時もあるから、普段は丁寧に話す様にしている。
こんな体になる前に連れ合いを見つければ良かったんだが、今更言っても仕方ない。
ガロンのギルド自体は良くも悪くも何にも問題ないから、このままいけば大丈夫だろう。
ふぅっと溜息をつきながら左腕を触った。
触れている感覚はあるが、分厚い服の上から触っている様な感覚であり、未だになれない。
俺も後何年持つか…。そろそろ死に場所でも探すかな?
そんな事を考えてギルドで受付をしていると、1人気配のない新人がギルドにやってきた。
嬢ちゃんなのか、坊っちゃんなのかはわからないが、兎に角ペッピンさんだった。
他の奴らに絡まれなきゃ良いけど…。と思いつつ、隙のない独特な雰囲気が気になった。
思わず話しかけてみたが、育ちは良さそうな感じだったし、何よりアイツは強くなると感じていた。
まぁ、後に俺なんかよりもかなり強い事がわかったがな…。
それが分かったのだって、エドガーが馬鹿な事をしなければ気づかなかっただろう。
今まで強い魔物とも戦ったが、あんなに強い威圧を受けた事はない。
こんな体じゃなかったら、手合わせをしてもらいたかったぐらいだ。
身体強化を解いた状態で左腕を動かすと鉛の様に動かない。
辛うじて指が動くが、物を掴んだりは出来なかった。
それでも、あんなにワクワクする相手を見つけてしまったからには、死んでも良いから闘いたかった。
ふと、そんな事を考えていると。
「何だ?俺は闘いたいのか…?ははっ。そうか、きっと俺は闘いながら死にたいんだろな…。それなら次に会うまで、少しでもマシになるようにしないとな。」
そう言ってエドガーを再教育しながら再び、身体強化を使い体を鍛え始めた。
いつかに備えて、強敵との闘いに想いを馳せながら。
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