新しい世界で今度こそ幸せをつかみたい

ゆたぽん

8話

母と別れてからあっという間にに5年という歳月が流れた。そして僕はレオナルド様の影武者として家から出ることなく日々鍛錬と勉強をしていた。この世界では毎年誕生日を祝う事なく、10歳になった時教会に出向き祝福を授かり、お披露目をするそうだ。まぁ僕の場合はあくまで裏方だから、レオナルド様の誕生日祝いになると思うけどね。そんなわけで、10歳になるまではあまり家庭から出ない。加護やスキルがわからないからね。鑑定スキルもあるけど、ステータスを見るにもレベルが関係するそうだ。それでも普段からの体力作りや基礎は大事なので、訓練や勉強が必要何だそうだ。ふと、そんな事を考えていると頭の上から声がした。

「…おい、いつまで寝てる?まだまだ走れるだろ?屋敷の周りを後10周走り込みしたら今度は木刀の素振りが待っているんだから早くしろ!」

「…はい、行ってきます。」

「俺はメシを食ってくるから、その間に終わらせておけよ?素振りは…まぁ200回で良いだろう。誤魔化すなよ?そこに魔道具があるから誤魔化せないからな?」

と言い残し、老兵と言うには若いアーロン教官がその場を離れた。この教官はトロイ伯爵が雇った僕とレオナルド様の教官で、レオナルド様は週に2.3度軽く走って、軽い杖の素振りをちょこッとして終わり。僕は毎日走り込みと素振りをしている。レオナルド様はもう典型的なおぼっちゃまと言う感じに育っている。…って考えながら走っていたら、そのレオナルド様とバッタリ会ってしまった。

「何で貴様がここに居るんだ?僕の薄汚い平民の血が流れている貴様が近づくと気分が悪い!早くどっかいけ!父上も何でこんなやつを…ブツブツ。」

かなりぽっちゃりとした体を震わせながらレオナルド様はご立腹のようだ。まぁ、色々気に入らないようだから僕もそそくさと退散する。

「失礼しました。アーロン教官よりお屋敷周辺の走り込みを指示されてたので。…この場より離れさせていただきます。」

僕は一言レオナルド様に言ってその場を離れた。きっと周回するとグチグチ言われるから、戻って素振りをしよう。まぁアーロン教官は僕が課題をやってもやらなくてもフルボッコするんだから、関係ないかなぁ…。でもそれを乗り切れば午後は魔法やこの世界の歴史を勉強出来るから頑張ろう!基礎は大事だからね!レベルを上げなくてもHPやMPが少しずつ上がるからね。レベルは自分と同格かそれ以上出ないと上がらないみたい。しばらく猫さんにパーティー組んでもらったけど、全く上がらなくなったのでパーティーを外してもらった。ちなみに今の僕のステータスはこれだ。

名前 ノエル
性別 男性
種族 人族
レベル 11
年齢 5歳
HP 75/102
MP 236/236
固定スキル
性転換 隠蔽 全言語習得
スキル
回復魔法 3 生活魔法 3 マジック空間 2 状態異常耐性 3 スキル・経験値倍加(このスキルは上がりません) ※※※
魔力探知 3 念話 2 捜索 4 剣術 1 体術 3 精神耐性 3 インベントリ
加護
時空の女神  

毎日折檻されるから地味に回復魔法が上がってて、魔力をギリギリまで使うと増えるみたいだから毎日寝る前に体の中を循環させてから寝ている。地味に疲れが取れてスッキリするんだよね〜。ちなみに僕はご飯は1日に1回が当たり前。そんなわけで、ガリガリな上に筋肉が付いているから子供らしくない体型になっている。見た目は髪は濃いブラウンで目が青い。ここのトロイ伯爵は金髪碧眼な為、目は遺伝だろうと思う。レオナルド様はそのまま受け継いでる感じだ。まぁ体型もだが…。そんな感じで考えながら素振りをしていると、声を掛けられた。

「おいチビ、また飯食えなかったのか?これやるから早く食えよ。」

と言い残し去って行ったのはここの料理場で働いているバーナビーさんだ。アーロン教官がご飯を食べに来るとこっそり僕のところに持って来てくれる。毎回とはいかないけど、とても助かっている。これが唯一のマトモな食事で、他の食事は残飯が殆ど。これじゃあ体が育たないから、僕はバーナビーさんにお願いして植物の種を時折貰っている。それをマジック空間で育てていて、たまにニワトリのような卵もくれる。大概が割れてしまって食べれないと判断したものだが、僕は回復魔法を使い素の状態に回復して孵化をさせてマジック空間で育ている。

本当に便利。でも栄養取りすぎると疑われるから必要最低限しか食べていない。卵は食べれても鶏肉は捌いて料理する場所が無いと無理だから、死んだ場合皮袋を作ってマジックバックにしたから、地味に鶏肉も溜まってきてる。バックの中は時間が、止まっているから料理出来るようになるまではそのままかなぁ。

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