A Lifeオブchange

ミラRISE

エピソード14

美未奈さんと契約してから少し話し、美紅ちゃんの所へ戻った。人の茂みをかき分け竹林の1本の光竹へと向かうように、美紅ちゃんの所へ一直線に進んでいくとその時音楽が鳴りだした。
周りの美男や優男が大会参加者や、周りの女性達を誘い出した。何故だ?と思ったらダンスが始まった。勿論美紅ちゃんは多勢に誘われていた、だが怯える子猫のように八方塞がりのように中央でオロオロしく見回している。

「ごめんね美紅ちゃん、ちょっと話し込んでた」

「あっ、お兄ちゃん」

美紅ちゃんの元へ行くとヒシッと体にしがみついていきた、多分怖かったんだろう…ワイズさん頑張ってくれたっぽいけどな。美紅ちゃんの腕はちょっと震えていたので頭を優しく撫でてあげると、顔を上げて控えめながら微笑んで「ありがと」っと返してくれた。
どうせなので美紅ちゃんと踊ってようと思い片膝を着き、右手を差し出しながらダンスへ誘い踊り場まで行った…

カッコつけたけど踊りわからないやどうしよう

美紅ちゃんは習った事があるのかテンポよく足を進めている、とりあえず合わせながら覚えよう。
 流れるメロディーに身を任せてステップを刻む、美紅ちゃんに合わせて尾を追うように同じテンポでトントントン…

「お兄ちゃん上手だね!」

「そう?ありがと」

穏やかに時間が進む、一つ一つの音が美学へと変わっていく一瞬一瞬を楽しんでいるとそこに違う音が割り込んで来た。まるでオレンジ色の水の中に青い絵の具を入れた時のようにガラッと印象が変わる、それと同じかのように周りの人達はペアを変えている。
美紅ちゃんが次のペアへと向かった、それとは反対側から別の相手が来ると思い振り向くと5人ほど並んでいた。

「えっと…どなたが御相手ですか?」

「「「「…選んでください!」」」」

 さすがに初めての体験だった為どうして良いかわからず、周りをおろおろと見回す。するといい所にある団体を見つけた、それは今回呼ばれた参加者のうち5人、ワイズさんとそれ以外の男性達だ、『貴公公爵貴族のゲルド』『龍演武りっうえんぶ蜻蛉』『翡翠龍ひすいりゅうディリード』『影武竜えいむりゅうスラスト』の2つ名を持つ人達だ。ゲルドさんは名前通り品のある動きと品のある技が特徴のちょいワルおじさんだ、蜻蛉さんは物静かそうな細身の青年、ディリードはあの某学生がかかる病気になっている中背中筋の特徴がひとつしかない人だ…なんか癖の強い取り巻きみたいだ。スラストは目つきの鋭い中学生だった。
 そんな5人組に目線で助けをとう、だが全員揃って目を逸らしたそりゃそうだだってよってきてるの大会参加者のうちの5人だもの残り1人はエイリスさんなのだがお酒の飲み過ぎでぶっ倒れたらしい…倒れた理由がワイズさんと飲み対決したらしい、こんな所でよくそんなことしようと思ったな。

 一応並んでる人達を説明すると、1人目は棗さん一番最初に契約を結んでた人で二つ名は『金雛かなひなのナツ』2人目から『妖風鈴ようふうりんのサラ』『グリムノーツ』『邪茨龍じゃいばりゅう』『眠羅のアリス』の2つ名を持つ女性プレイヤーが並んでいた。普通なら嬉しいのにこの5人が次に行くはずの相手をほったらかして、こちらに来ていたからだ。ナツさんは小柄なお人形さんのような人だ、サラさんはThe妖美な女性という言葉の合うような人だった、ノーツさんは無表情でラブドール感(性的な例えで使っていません)のある人だった、邪茨さんはなんと言うか怖い雰囲気メンヘラふぅが漂っている多分自分からは近ずかないタイプの人、アリスさんはぽわぽわしたゆるふわ系の似合いそうな美女だった。

何故こんな普通の男なんかに来るんだろう

この言葉が頭をよぎるばかりでほかの事が考えられ無くなっていた、だが手を差し伸べてくれる人はいるものだ、呆れたワイズさんが静まっていた自分たちの場所に色を付ける筆の如くそっと割り込んで来た。

「わ〜こんなに美人揃い!これは1つ、自分のダンシングセンスに付き合ってもらいましょうか!」
「おっ!いいですね私も混ぜてもらいましょうか」
「よければ自分もお願いします…」
「ほぼ受け身ですが自分参加する枠ってあります?」

救世主と言う名に相応しいと思った、父親と同じ様にカッコイイと心が受け取った人前でも何かと堂々と自分を貫ける、そんな人に自分もなりたかった。
 周りにいた女性達は救世主(?)によって引き取られて行った、結果から言うとその後全員と踊ったのだった。

 パーティーは早めに終わった理由は多々あるが主なのは、選手の休息・サポーターとの交流時間のためであった。ホテルの自分達に振り分けられていた部屋に行くと美紅ちゃんはウトウトとし始めていた、なので支度だけ済ませて眠るように促した。
美紅ちゃんが眠りについた後ホテルの展望ロビーに来た、そこには夜に光る大人気観光地とそれに劣らぬ美女が、背もたれのない回転椅子に座り外を眺めていた。

「すみません美未奈さん待たせてしまい…」
「だ、大丈夫てす、私も今来た所なので」
「そうでしたか、良かった〜」

一言言葉を交わすと美未美の隣へ腰掛けた、周りを少し見回すと淡い儚げな空気を纏った2人組の男女が席を一つ一つ区分けして点在していた。だが大して疎外感は感じない、それは多分自分達も同じ状況下に置かれているからだろう。
そう言えばこんな空気で同い年くらいのこと面と向かっているのは久しぶりだな、とふと昔のことを思い出し始めた時美未奈が口を開いた。

「明日…大会の事なんだけど予選の抽選の相手グリムノーツさんは別の呼び方で『無慈悲の答』と言う意味らしいです」
「何故そんな風に呼ばれるんですかね?」
「それは彼女の戦い方から来ているんでしょう」
「え?私はとても綺麗だと思いましたよ」
「うそっ、みんな言ってますよあんな戦い方…


ソレは彼女の戦い方から言われたものだった。

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