A Lifeオブchange

ミラRISE

エピソード9

その後は一方的だった、回復は使うものの削られる一方だ。流石にHPがやばそうなので…

体が考える前に動く、ほんの少ししか残っていない状態なのに攻撃が防げそうにない。間へ割り込み棍棒を弾き返す。
後ろでは瀕死の前衛陣、陣形の取れてない中衛最後に隠れたままの後衛が一人。前には体力が5分の1程まで削れたアースエイジ、こんなに瀕死になるから今後は来ないで欲しいのだがしょうがないだろう。この前GETした鬼角無面を付けローブを羽織っている、この仮面とローブは戦闘時にバフがかかるようになっているのだ。まあ別にいらないのだけど予備として付けとくことに悪いことは無い、取り敢えずミノタウロスを倒さない事には話ができないから倒すか。

「ちょっと下がっててください」
「え…」

忠告はしたのに動かないな、体力が削りきらないように後方へ吹き飛ばした。今から行うのは創造の力を使った広範囲魔術だ、魔法と違うのはメリットとデメリットがある事だ。
約3秒経ち準備が整った、1発で決めようか確か称号であったような気がする。

Hizki氷月華

術名を称えると視界いっぱいに氷の彼岸花が咲き誇る、対象となったミノタウロスは凍りつき動きを止める。
これは彼岸花の花言葉の一つである『あきらめ』が影響して、ミノタウロスは諦めたように動きを止めたのだ。最後に術の締めでる「抹消」と唱えるも彼岸花は花弁の先から粉になり風に乗って消えていった、ミノタウロスを残し彼岸花が贈り物とでも言うように残りHPを全て刈り取ってミノタウロスは討伐された。

「よし、終了」
「・・・」
「そう言えばあなた達は何故ここへ来たのですか?」
「・・・って私達!?」
「そうですよ?」
「あっ、はい!えーと、低級の狩場…リョウキヤ平原なんて場所があるクランに占領されてるんですよ。だから!他の場所も無くここに来ました」
「ん?狩場で占領なんで出来るんですか?因みにそのクラン名は?」
「ブラッド・ニーズって言う、有名クランプリズン・フ・ニーズの第3陣営です」
「プリズンって確かワイズさんがクラン長の所ですよね?」
「ワイズってあの『監獄総長ワイズ』って人のことですか?」
「多分ですけど、それより回復したら向かいますので。回復してください」
「「「「「はい」」」」」

クラン長のワイズを呼べば事は収まると思っていた裕斗は、とんでもない火種を持ち出そうとしていた。

ワイズに草原にある池のほとりまで来て下さいと、フレンドメールを送っていた。
回復した面々をつれ、裕斗はワイズを呼び出した場所に向かっていた。後ろではコソコソと話しが進んでいるとも知らずに…

「あの人ってバケモノみたいな闘いしてた『鬼神神威』じゃないか?」
「だよな、顔を出てないし1人だし」
「もしかしたら仲間になってくれるかも…」
「無理だろ」
「それじゃあ、私いってみる!」
「「「「えっ…」」」」
「ん…はっ!そうじゃないよ、一緒にパーティー組みませんかって誘ってみるだけ!」

そう提案するのは神官…ではなくハンターのお姉さんだ、このパーティーは大学のサークルの仲間で集まった。リア友のパーティーだった、そのお姉さんは一言で表すに「ちょっとエロい」だ。このグループは殆どこのお姉さんに着いてきた、男子たちで立ち上げたサークルの仲間達だった。このお姉さんは恋愛経験は無いものの、告白の回数は数知れずだがそれを断ってきた。なのでもしかしたら仲間になってくれるかも、と決意の現れだった。

「それじゃあ行ってくるね」
「ああ、頑張ってね」

「あのすみません」
「どうかされましたか?」
「えっと突然ですみませんけど…仲間になってください!」
「ん?仲間…仲間…フレンドのことですか?それならいいですよ」
「あっ、ありがとうございます…」

フレンドを交換してお姉さん、フィーラさんは仲間の元へ戻った。

「どうでだった?」
「言い方間違えたのかな?フレンド交換した」
「マジかよ!あの人精神力強すぎるだろ」
「しょうがないんじゃない?」

結局その後は言い出す事も出来ず目的地に着いた、そしてワイズが声を掛けてきて後ろの5人は固まった。

「あっ!ラインさんお久っす」
「すみませんワイズさん、あのですねこのパーティーの人達いわく最近狩り場が占領されてるらしくてそのプライヤーはワイズさんの子分クランの人らしいです」
「マジですか!?だからレベルの上がり方が早いわけだ…」
「なので今から中止させに行きましょう」
「そうですね、子分のケツを拭いてこその親分ですからね。ラインさんに手間取らせた奴らに、ちょっとした説教も必要ですしね…」
「それは…ご自由に」

あったばかりだと言うのに負のオーラを話すなんだろうこの人を連れて行くことにとても抵抗を覚えてきたのだが、呼んだのはこちらだし連れていくしかないかな。と呼んだことを今更後悔する裕斗であった。

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