ソウカとジョブと主質テスト
4
「「フィールド展開」」
『デプロイメントオブフィールド、バージョンスクール』
二人の言葉に従いフィールド発生装置から学校を包み込む光が発生する。
その光がおさまると学校全体をバリアのような半円が包んでいた。
『コンプリート、ファーストジョブセレクト』
「マナマスター」
「ハイスペッカー」
二人が選んだジョブボールを掴み
「装備」
その言葉と共にジョブを解放し装備する。
次の瞬間二人の体を光が包み一瞬で弾け飛ぶ。
光がおさまると二人の姿がそれぞれサーシャがマナマスター、サキがハイスペッカーにかわっていた。
「いよいよ始まりやな」
横でユーキが呟く。
「あぁ。始まる。二人の勝負が」
「お前を取り合う戦いや。当人さんとしてはどうなんや?嬉しいか?」
「複雑だよ。はぁー。どうしてこんな事に……」
話は少し遡る。
・・・
・・
・
「この勝負に勝ったらザジは連れて行きますわ」
突然だった。
彼女、サーシャが会場であるこの学校に着いた瞬間いきなりいいはなった。
「な、何を言っているの!そんなの認められるわけ」
「決定事項ですわ」
ないじゃないを言わせずサーシャが断言する。
「えーっと、どうしてそんな事に?」
これは僕の言葉だ。
「サーシャがいくら世界一だからといっても、そこまでの権限はないと思うんだけど・・・?」
そうである。
いくらサーシャが主質テスト世界一だからといっても所詮は学生、人一人をどうこうする権利など無いはずなのである。
「そ、そうよ。横暴だわ!」
「連れてく。……だめ」
サキとトオカが慌てた様子で抗議する。
「たしかになぁ。それはちと横暴やと思うわ」
珍しくユーキの機嫌が悪い。サーシャに対して言外に圧力をかけている。
「校長の許可を貰いましたの。厄介払いが出来ると喜んでいましたわよ?」
「そんな……」
「校長……許可……」
その言葉にサキとトオカが青ざめた。
「なるほど。そういう事かい」
そういう事。たしかにそういう事なのだ。
この学校は俺以外主質テストが全生徒550オーバーのエリート校。
十位以下の差が十点も無いのだ。
そんな中で俺だけ0点。平均点を下げる問題生徒と言うわけだ。
「もうすでに転校手続きはすんでいますの。後は勝負に勝つだけですわ」
凄い自信である。自分が負けると全く思っていないのだ。
「上等じゃない……」
小さくサキが呟いた。
「上等じゃない! やってやるわよ!」
サキがサーシャを指差して叫んだ。
「そうこなくてはですわ。ただ勝つだけでは面白くありませんもの」
そう言うサーシャは笑っていた。
「では」
「えぇ」
「「勝負」」
「ですわ!」「よ!」
二人が同時に叫んだ。
その後会場となる学校の中心、中庭で二人は対峙して開始時刻を待った。
『正午です。ジョブファイトを開始して下さい』
審判役も兼ねている映像記録用ロボットからアナウンスが流れる。
その言葉を聞いた二人が同時に叫ぶ。
「「フィールド展開」」
・・・
・・
・
そして今にいたるというわけだ。
「しっかし、ホンマ罪作りな男やなお前は。男を取り合ってジョブファイト。しかも学生。こんなん史上初やない?」
ユーキがいやみを言って茶化す。
「罪作りって……。そんな言い方するなよ。傷付くぞ?」
さすがの僕もあんな事があった後なので少しへこんできた。
「よしよし。……泣かない……で?」
泣きそうになった僕をトオカが慰めてくれた。
「っはぁー。言ってるそばからこれやもん。ホンマ天然ジゴロやな」
またユーキが茶化す。
「ジゴロはないだろ? ってか天然でもない」
「天然やないなら計算か? 全て計画通りなんか?」
「それも違う! 僕は普通に接してるだけだ!」
「そんな事より動いたで。サキが仕掛けた」
「!?!?!?」
俺は上を見上げた。すると半円になっているバリアの上のスクリーンにうつるサキが、まさに今サーシャに仕掛けた所だった。
「んでどうなんや? 実際サーシャは強いんか? 一対一でマナマスター使うからには得意なんやろ? マナマスター。」
そう。
マナマスターは魔法魔術が基本となる「魔」属性。
サキのハイスペッカーは「戦」属性。
相性が悪いのだ。
それに
「サーシャはマナマスターはあまり得意じゃなかったはずだよ。いっつもハイスペッカーでおしていた。僕の記憶が正しければね。」
そう。
記憶が正しければなのだ。
僕が知っているのは今の彼女じゃない。
「多分得意になったんじゃないのかな? そうじゃないとしたら」
「作戦か」
ユーキが言う。
そして僕はジョブファイトのルールを思い出していた。
『デプロイメントオブフィールド、バージョンスクール』
二人の言葉に従いフィールド発生装置から学校を包み込む光が発生する。
その光がおさまると学校全体をバリアのような半円が包んでいた。
『コンプリート、ファーストジョブセレクト』
「マナマスター」
「ハイスペッカー」
二人が選んだジョブボールを掴み
「装備」
その言葉と共にジョブを解放し装備する。
次の瞬間二人の体を光が包み一瞬で弾け飛ぶ。
光がおさまると二人の姿がそれぞれサーシャがマナマスター、サキがハイスペッカーにかわっていた。
「いよいよ始まりやな」
横でユーキが呟く。
「あぁ。始まる。二人の勝負が」
「お前を取り合う戦いや。当人さんとしてはどうなんや?嬉しいか?」
「複雑だよ。はぁー。どうしてこんな事に……」
話は少し遡る。
・・・
・・
・
「この勝負に勝ったらザジは連れて行きますわ」
突然だった。
彼女、サーシャが会場であるこの学校に着いた瞬間いきなりいいはなった。
「な、何を言っているの!そんなの認められるわけ」
「決定事項ですわ」
ないじゃないを言わせずサーシャが断言する。
「えーっと、どうしてそんな事に?」
これは僕の言葉だ。
「サーシャがいくら世界一だからといっても、そこまでの権限はないと思うんだけど・・・?」
そうである。
いくらサーシャが主質テスト世界一だからといっても所詮は学生、人一人をどうこうする権利など無いはずなのである。
「そ、そうよ。横暴だわ!」
「連れてく。……だめ」
サキとトオカが慌てた様子で抗議する。
「たしかになぁ。それはちと横暴やと思うわ」
珍しくユーキの機嫌が悪い。サーシャに対して言外に圧力をかけている。
「校長の許可を貰いましたの。厄介払いが出来ると喜んでいましたわよ?」
「そんな……」
「校長……許可……」
その言葉にサキとトオカが青ざめた。
「なるほど。そういう事かい」
そういう事。たしかにそういう事なのだ。
この学校は俺以外主質テストが全生徒550オーバーのエリート校。
十位以下の差が十点も無いのだ。
そんな中で俺だけ0点。平均点を下げる問題生徒と言うわけだ。
「もうすでに転校手続きはすんでいますの。後は勝負に勝つだけですわ」
凄い自信である。自分が負けると全く思っていないのだ。
「上等じゃない……」
小さくサキが呟いた。
「上等じゃない! やってやるわよ!」
サキがサーシャを指差して叫んだ。
「そうこなくてはですわ。ただ勝つだけでは面白くありませんもの」
そう言うサーシャは笑っていた。
「では」
「えぇ」
「「勝負」」
「ですわ!」「よ!」
二人が同時に叫んだ。
その後会場となる学校の中心、中庭で二人は対峙して開始時刻を待った。
『正午です。ジョブファイトを開始して下さい』
審判役も兼ねている映像記録用ロボットからアナウンスが流れる。
その言葉を聞いた二人が同時に叫ぶ。
「「フィールド展開」」
・・・
・・
・
そして今にいたるというわけだ。
「しっかし、ホンマ罪作りな男やなお前は。男を取り合ってジョブファイト。しかも学生。こんなん史上初やない?」
ユーキがいやみを言って茶化す。
「罪作りって……。そんな言い方するなよ。傷付くぞ?」
さすがの僕もあんな事があった後なので少しへこんできた。
「よしよし。……泣かない……で?」
泣きそうになった僕をトオカが慰めてくれた。
「っはぁー。言ってるそばからこれやもん。ホンマ天然ジゴロやな」
またユーキが茶化す。
「ジゴロはないだろ? ってか天然でもない」
「天然やないなら計算か? 全て計画通りなんか?」
「それも違う! 僕は普通に接してるだけだ!」
「そんな事より動いたで。サキが仕掛けた」
「!?!?!?」
俺は上を見上げた。すると半円になっているバリアの上のスクリーンにうつるサキが、まさに今サーシャに仕掛けた所だった。
「んでどうなんや? 実際サーシャは強いんか? 一対一でマナマスター使うからには得意なんやろ? マナマスター。」
そう。
マナマスターは魔法魔術が基本となる「魔」属性。
サキのハイスペッカーは「戦」属性。
相性が悪いのだ。
それに
「サーシャはマナマスターはあまり得意じゃなかったはずだよ。いっつもハイスペッカーでおしていた。僕の記憶が正しければね。」
そう。
記憶が正しければなのだ。
僕が知っているのは今の彼女じゃない。
「多分得意になったんじゃないのかな? そうじゃないとしたら」
「作戦か」
ユーキが言う。
そして僕はジョブファイトのルールを思い出していた。
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