ギャルゲの世界で二重人格!
第一話
「ん、んぅ……」
「博樹……博樹!? 意識が戻ったのかい? 待ってて、今先生を呼んでくるから!」
今の声は海斗先輩かな? うわー、本当に俺はゲームの世界に来たのか……。
たしかに今のは海斗先輩の声だね。俺はどれくらい寝ていたんだろう? 今は何月何日かな?
確か、ゲームでは三カ月くらいは寝ていたはずだよ。だから、今はおそらく九月の中旬くらいだと思うぜ?
九月!? ってことは、大会まであと半年もないってことか!? これからリハビリってことを考えると、今年は絶望的か……?
大丈夫だよ。意外なところから助けてもらえるから。
そうなのかい? って、普通に話してたけど君が向こうの世界の俺かい?
そういえば当たり前のように話してたな。改めましてだが、俺が向こうの世界の須藤博樹だ。これからはお前の体に居候させてもらうことになってる。よろしく頼むぜ?
こちらこそよろしく。 俺はこっちの世界の須藤博樹だ。君はこの世界のことをゲームとして知ってるそうだね? アドバイスを期待してもいいのかな?
あぁ、構わないぜ? 俺が知ってる世界と同じなら、ゲームの範囲でならアドバイスできるよ。
それじゃ、これからよろしくな。
あぁ、よろしく頼むよ。
「先生! 博樹の意識が戻ったんです! 早く来てください!!」
「ひっぱらなくてもどこにも行きはせんさ。意識が戻ったなら、あまり大声は出さないほうがいいんだぞ?」
「そ、それはそうなんですけど……」
「ほら、もう病室前だよ。私は診察しているから、彼の親御さんに連絡してきてあげなさいな」
「わかりました!」
「さてと、失礼するよ? おっと、本当に目が覚めたようだね? 私は君の主治医の増岡隆だ。かるく診させてもらうよ?」
「あ、はい。よろしくお願いします……」
入ってきたのは思ったよりも若い先生だった。
せいぜい三十代だろう。
「それじゃ、基本的な質問からするよ? 君の名前と生年月日は?」
「須藤博樹16歳。誕生日は八月九日です。1996年生まれです」
「うん。大丈夫だね。それじゃあ次の質問だが………………」
・・・
・・
・
「うん。大丈夫なようだね。それじゃあ、もうすぐ親御さんもやってくると思うから、安静にしているんだよ? 動き回ったりは駄目だからね?」
「はい、わかりました」
「よろしい。……それじゃあ、またあとで来るから、そしたら親御さんと一緒にこれからについての話をしよう」
「わかりました」
「うん。それじゃあ」
「はい、ありがとうございました」
「お大事に」
そういうと、主治医の先生は病室から出て行った。
さてと、先輩が親父とお袋を呼んでくれたみたいだから、もうそろそろ来るだろうね。
君のことはどう説明しようか?
うーん……、あまり話さないほうがいい気がするよ。そう簡単には信じてもらえないと思うし……。それに、診断されたらめんどうくさいだろ?
それもそうだね。
ってことで、基本的に俺のことはノータッチでよろしく。
わかったよ。
「博樹!」「ヒロ君!」
噂をすれば何とやらだね。
そのようだな。
「博樹! 目が覚めたんだな! よかった」
「心配していたんだからね? まったく、三カ月も寝たきりで! 本当によかったぁ」
「僕も心配してたんだぞ? これからリハビリが大変だとは思うけど、また一緒に水泳やろうな?」
「はい。ありがとうございます。親父……お袋、ただいま」
「「おかえりっ!」」
うーん、画面で見るのとは全然違うな。
そうかい?
あぁ、こっちのほうが感動的だ。……それに、同じ存在だけあって、親父もお袋も俺の両親と似ているんだよ。
そうなのかい?
だからかな? 少しうるっと来ちまったのさ。
そうか。
「博樹、主治医の先生はなんて言ってた?」
「大丈夫だとは言われたよ。これからリハビリとかは大変だろうとも言われた。後で、両親と一緒に今後についての話をしたいって言ってたよ」
「わかった。それじゃあ私は先生を呼んでくるよ」
「あなた、お願いしますね。……それじゃヒロ君? 先生が来るまで横になってなさい。まだ起き上がるのはつらいでしょう?」
「そうだね、わかった。そうせてもらうよ」
体を起こした状態から、俺はベッドに横たわる。
「さてと、それじゃあ今回の事故がどうなったかについて教えておきましょうか」
「お願いします」
「えっとね? 一応車を運転していた人はすぐに捕まったよ。どうやらスピード違反で逃げていたみたいね」
「あなたが助けた二人は無事よ。女の子も男の子も怪我ひとつなかったわ。よくやったわね」
「捕まった犯人は裁判で有罪が確定して、今は刑務所に入ってる。10年くらいは出て来れないんじゃないかな?」
「あなたも意識が戻ったし、これで犠牲者0ね。よかったわ、ほんと」
「体のほうの手術は終わっているから、後はリハビリするだけだよ。しっかりとがんばれば、また水泳できるって先生が言ってたよ」
「あなたの夢……世界一になるっていう夢。断たれたわけではないんだから、しっかりとがんばりなさいよ?」
「博樹……僕も手伝うから一緒に頑張ろうね?」
「もちろん。夢に向かって突き進むよ」
俺の夢は水泳で世界一になること。そのために今まで必死に努力してきた。ここで終わらせてなんか絶対にやらないぞ!
そうだな……俺もついてるし、つらいことも分け合っていこうぜ?
ありがとう、頼りにさせてもらうよ。
あぁ、まかせとけ。
「博樹……博樹!? 意識が戻ったのかい? 待ってて、今先生を呼んでくるから!」
今の声は海斗先輩かな? うわー、本当に俺はゲームの世界に来たのか……。
たしかに今のは海斗先輩の声だね。俺はどれくらい寝ていたんだろう? 今は何月何日かな?
確か、ゲームでは三カ月くらいは寝ていたはずだよ。だから、今はおそらく九月の中旬くらいだと思うぜ?
九月!? ってことは、大会まであと半年もないってことか!? これからリハビリってことを考えると、今年は絶望的か……?
大丈夫だよ。意外なところから助けてもらえるから。
そうなのかい? って、普通に話してたけど君が向こうの世界の俺かい?
そういえば当たり前のように話してたな。改めましてだが、俺が向こうの世界の須藤博樹だ。これからはお前の体に居候させてもらうことになってる。よろしく頼むぜ?
こちらこそよろしく。 俺はこっちの世界の須藤博樹だ。君はこの世界のことをゲームとして知ってるそうだね? アドバイスを期待してもいいのかな?
あぁ、構わないぜ? 俺が知ってる世界と同じなら、ゲームの範囲でならアドバイスできるよ。
それじゃ、これからよろしくな。
あぁ、よろしく頼むよ。
「先生! 博樹の意識が戻ったんです! 早く来てください!!」
「ひっぱらなくてもどこにも行きはせんさ。意識が戻ったなら、あまり大声は出さないほうがいいんだぞ?」
「そ、それはそうなんですけど……」
「ほら、もう病室前だよ。私は診察しているから、彼の親御さんに連絡してきてあげなさいな」
「わかりました!」
「さてと、失礼するよ? おっと、本当に目が覚めたようだね? 私は君の主治医の増岡隆だ。かるく診させてもらうよ?」
「あ、はい。よろしくお願いします……」
入ってきたのは思ったよりも若い先生だった。
せいぜい三十代だろう。
「それじゃ、基本的な質問からするよ? 君の名前と生年月日は?」
「須藤博樹16歳。誕生日は八月九日です。1996年生まれです」
「うん。大丈夫だね。それじゃあ次の質問だが………………」
・・・
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「うん。大丈夫なようだね。それじゃあ、もうすぐ親御さんもやってくると思うから、安静にしているんだよ? 動き回ったりは駄目だからね?」
「はい、わかりました」
「よろしい。……それじゃあ、またあとで来るから、そしたら親御さんと一緒にこれからについての話をしよう」
「わかりました」
「うん。それじゃあ」
「はい、ありがとうございました」
「お大事に」
そういうと、主治医の先生は病室から出て行った。
さてと、先輩が親父とお袋を呼んでくれたみたいだから、もうそろそろ来るだろうね。
君のことはどう説明しようか?
うーん……、あまり話さないほうがいい気がするよ。そう簡単には信じてもらえないと思うし……。それに、診断されたらめんどうくさいだろ?
それもそうだね。
ってことで、基本的に俺のことはノータッチでよろしく。
わかったよ。
「博樹!」「ヒロ君!」
噂をすれば何とやらだね。
そのようだな。
「博樹! 目が覚めたんだな! よかった」
「心配していたんだからね? まったく、三カ月も寝たきりで! 本当によかったぁ」
「僕も心配してたんだぞ? これからリハビリが大変だとは思うけど、また一緒に水泳やろうな?」
「はい。ありがとうございます。親父……お袋、ただいま」
「「おかえりっ!」」
うーん、画面で見るのとは全然違うな。
そうかい?
あぁ、こっちのほうが感動的だ。……それに、同じ存在だけあって、親父もお袋も俺の両親と似ているんだよ。
そうなのかい?
だからかな? 少しうるっと来ちまったのさ。
そうか。
「博樹、主治医の先生はなんて言ってた?」
「大丈夫だとは言われたよ。これからリハビリとかは大変だろうとも言われた。後で、両親と一緒に今後についての話をしたいって言ってたよ」
「わかった。それじゃあ私は先生を呼んでくるよ」
「あなた、お願いしますね。……それじゃヒロ君? 先生が来るまで横になってなさい。まだ起き上がるのはつらいでしょう?」
「そうだね、わかった。そうせてもらうよ」
体を起こした状態から、俺はベッドに横たわる。
「さてと、それじゃあ今回の事故がどうなったかについて教えておきましょうか」
「お願いします」
「えっとね? 一応車を運転していた人はすぐに捕まったよ。どうやらスピード違反で逃げていたみたいね」
「あなたが助けた二人は無事よ。女の子も男の子も怪我ひとつなかったわ。よくやったわね」
「捕まった犯人は裁判で有罪が確定して、今は刑務所に入ってる。10年くらいは出て来れないんじゃないかな?」
「あなたも意識が戻ったし、これで犠牲者0ね。よかったわ、ほんと」
「体のほうの手術は終わっているから、後はリハビリするだけだよ。しっかりとがんばれば、また水泳できるって先生が言ってたよ」
「あなたの夢……世界一になるっていう夢。断たれたわけではないんだから、しっかりとがんばりなさいよ?」
「博樹……僕も手伝うから一緒に頑張ろうね?」
「もちろん。夢に向かって突き進むよ」
俺の夢は水泳で世界一になること。そのために今まで必死に努力してきた。ここで終わらせてなんか絶対にやらないぞ!
そうだな……俺もついてるし、つらいことも分け合っていこうぜ?
ありがとう、頼りにさせてもらうよ。
あぁ、まかせとけ。
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