欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
夏休みと修行の日々⑪| チームメンバー内総当たり戦⑧
欠陥魔力騎士89
夏休みと修行の日々⑪ チームメンバー内総当たり戦⑧
「双方、準備はよろしいですか?」
「大丈夫です」
「無問題」
安月さんの確認に、開始位置で向かい合う二人がこたえる。
「それでは開始します」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「巫流剣の型、一の舞……魔月払いッ!!」
「ッッッ!?」
開始と同時、西城君が剣術でしかける。
巫流剣の型一の舞魔月払いは、魔力を推進力に変えた全力の突進と同時の大上段からの斬り降ろし。
陵君としては、開始と同時に発動するのは纏い晶華だと思っていたらしく、完全な後手に回る。
「続いて二の舞……三日突ッ!!」
「我流外道流、拍子外しッ!!」
西城君の流れるような突きへの連撃に対し、陵君は逃げの一手を打つしかない。
今のは恐らく、外道流一の裁猫だましを応用したものだろう。
陵君の姿か一瞬消え、西城君と直線上に大きく距離をとった場所に現れる。
だがそれは、三日突に対しては悪手だ。
「はぁぁぁぁぁッッッ!!」
「なッッッ!?」
巫流二の舞三日突は、直線上に撃ち抜く巨大な槍だ。
当然直線上に避けた陵君は、その突きの真なる威力で吹き飛ばされる。
「そこまでっ。勝者、西城君」
僕はそこで試合を止め、フィールドを解除した。
………………
…………
……
「とてもいい攻めだったね、西城君。何故魔力をほとんど使わない剣術で戦ったんだい?」
「あれか? さっきの限無の技を見てな、思い付いたんだ。陵の窮鼠猫を噛む特異点は、魔力攻撃に対しては圧倒的なアドバンテージを得るが、純粋な体術や剣術には効果が薄いんじゃないかってな」
(なるほど。それは確かに言えることだ)
陵君の必殺技①である窮鼠猫を噛む特異点は、相手の魔力と自らの魔力とを反発させて操作する。
それゆえに放出系や操作系……すなわち純粋な魔力による技には滅法強い。
しかし逆に、身体強化や瞬間放出などの、ブースト系にはほとんど効果がないのだ。
これが必殺技②である窮鼠猫を噛む特異点限界突破無限の理になると話は違うのだが、ただの窮鼠猫を噛む特異点では西城君の言う通りなのだ。
「かぁぁぁ、その通りなんだよ。こればっかりは仕方ねぇんだ」
「開き直りは良くないよ、陵君。その技が完成した時にも言っただろう?」
「だからその先である窮鼠猫を噛む特異点限界突破無限の理を作ったんだよ。言わせんな、恥ずかしい」
仲間であってもライバルなため、これまで僕は陵君のこの秘密を黙っていたが、先程の僕との戦いで気づかれてしまった。
少し反省だが、こればっかりは仕方ない。
陵君も開発当時よりは強くなっているし、更に進歩していけば良いだけなのだ。
「それじゃあ次の対戦だ。陵君、大和さん。この二人で頼むよ」
僕は次の対戦カードを伝えると、フィールドを起動した。
夏休みと修行の日々⑪ チームメンバー内総当たり戦⑧
「双方、準備はよろしいですか?」
「大丈夫です」
「無問題」
安月さんの確認に、開始位置で向かい合う二人がこたえる。
「それでは開始します」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「巫流剣の型、一の舞……魔月払いッ!!」
「ッッッ!?」
開始と同時、西城君が剣術でしかける。
巫流剣の型一の舞魔月払いは、魔力を推進力に変えた全力の突進と同時の大上段からの斬り降ろし。
陵君としては、開始と同時に発動するのは纏い晶華だと思っていたらしく、完全な後手に回る。
「続いて二の舞……三日突ッ!!」
「我流外道流、拍子外しッ!!」
西城君の流れるような突きへの連撃に対し、陵君は逃げの一手を打つしかない。
今のは恐らく、外道流一の裁猫だましを応用したものだろう。
陵君の姿か一瞬消え、西城君と直線上に大きく距離をとった場所に現れる。
だがそれは、三日突に対しては悪手だ。
「はぁぁぁぁぁッッッ!!」
「なッッッ!?」
巫流二の舞三日突は、直線上に撃ち抜く巨大な槍だ。
当然直線上に避けた陵君は、その突きの真なる威力で吹き飛ばされる。
「そこまでっ。勝者、西城君」
僕はそこで試合を止め、フィールドを解除した。
………………
…………
……
「とてもいい攻めだったね、西城君。何故魔力をほとんど使わない剣術で戦ったんだい?」
「あれか? さっきの限無の技を見てな、思い付いたんだ。陵の窮鼠猫を噛む特異点は、魔力攻撃に対しては圧倒的なアドバンテージを得るが、純粋な体術や剣術には効果が薄いんじゃないかってな」
(なるほど。それは確かに言えることだ)
陵君の必殺技①である窮鼠猫を噛む特異点は、相手の魔力と自らの魔力とを反発させて操作する。
それゆえに放出系や操作系……すなわち純粋な魔力による技には滅法強い。
しかし逆に、身体強化や瞬間放出などの、ブースト系にはほとんど効果がないのだ。
これが必殺技②である窮鼠猫を噛む特異点限界突破無限の理になると話は違うのだが、ただの窮鼠猫を噛む特異点では西城君の言う通りなのだ。
「かぁぁぁ、その通りなんだよ。こればっかりは仕方ねぇんだ」
「開き直りは良くないよ、陵君。その技が完成した時にも言っただろう?」
「だからその先である窮鼠猫を噛む特異点限界突破無限の理を作ったんだよ。言わせんな、恥ずかしい」
仲間であってもライバルなため、これまで僕は陵君のこの秘密を黙っていたが、先程の僕との戦いで気づかれてしまった。
少し反省だが、こればっかりは仕方ない。
陵君も開発当時よりは強くなっているし、更に進歩していけば良いだけなのだ。
「それじゃあ次の対戦だ。陵君、大和さん。この二人で頼むよ」
僕は次の対戦カードを伝えると、フィールドを起動した。
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