欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)

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夏休みと修行の日々⑤| チームメンバー内総当たり戦③

欠陥魔力騎士83

夏休みと修行の日々⑤ チームメンバー内総当たり戦③

「それではこれより、総当たり戦第三戦を開始します」

 総当たり戦第三戦。
 大和さんも西城君も、すでに開始位置で準備が終わっている。

「両者、よろしいですね?」

「オッケーよ」

「問題ないぜ」

「それでは開始します」

 5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!

「巫流……纏い晶華まといしょうか

千変万化せんぺんばんか風神烈火ふうじんれっかつぼみ

 西城君の初手は僕と戦った時と同じ、攻防一体の技である纏い晶華。
 対する大和さんは、千変万化を防具として纏った。

「待つのは性に合わせねぇからな、行くぜッ」

「来なさいッ」

 タイミングを合わせたかのように、同時に踏み込む二人。
 一瞬で互いの距離を駆け抜けた二人は、中央で激しく衝突する。

「はぁぁぁぁぁッ」

「やぁぁぁぁぁッ」

 西城君は剣を、大和さんは右手を前に突き出した状態でつばぜり合いし、バチバチと火花が周囲に散る。

「なかなかやるわねッ。でもこっちには、左手が余ってるのよッ!!」

「ッッッ!?」

 つばぜり合いから一転、大和さんが左手を突き出した事で形勢が傾く。

「やぁッ」

「ッ!! 巫裏流……纏い破牙死まといはがし!!」

 大和さんの左手が西城君へと穿たれる瞬間、西城君は纏い破牙死を発動し、その爆発力で距離をとる。

「さすがに、これだけじゃ決められないか」

「いや、正直危なかったぜ? それに驚いた。そいつは限無の真似かい?」

 西城君の言う通り、大和さんの今の姿は僕が天通流無手の型を発動した状態に似ている。

「もとにしたのはその通り。でもこれは、あいつのとはひと味違うわよ?」

 瞬間、目でとらえるのが難しい程の速度で大和さんが距離を詰める。

「なッッッ!?」

 西城君は技を発動させるのが間に合わず、ただの剣で受け止める。

「これで勝負ありよッ」

 大和さんの攻撃が、西城君の剣を砕く。

「まいったまいった。俺の負けだな」

「勝負ありッ。勝者、大和光様」

 総当たり戦始まって初のメイドさんによる勝者の宣言が行われ、二人はその場から離れていく。

「それじゃあ次の試合だけど、僕と陵君で行おう」

 僕はそう告げると、開始位置へと向かう。

「上等ッ。今日こそ完全に勝ってやるよ」

 僕らは開始位置で向かい合うと、剣を構えた。


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