欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
夏休みと深まる謎②| トーナメント優勝特典旅行②
欠陥魔力騎士69
夏休みと深まる謎② トーナメント優勝特典旅行②
「あん、ダメですよご主兄様ぁ……」
「ちょっと限無、そんなところ……」
幸せそうな寝顔で、美龍と大和さんがベッドで寝ている。
「どうしてこうなった?」
男子と女子で部屋を分けていた僕たち。
しかし、なぜか今僕は、女子の部屋で目覚めていた。
現在時刻は午前5時過ぎ。
昨日の夜の記憶がなぜか曖昧だが、僕はきちんと男子の部屋で寝ている……はずだ。
(落ち着け、僕。まずは音をたてずに部屋の外へと……)
「おっはよー諸君ッ!! 昨夜はお楽しみだったかな!?」
「天通限無ィ、存分に楽しんだかァァァ!?」
大きな音をたてて、西城君と陵君が部屋に入ってくる。
「って、あらら? 全然そんな雰囲気無し?」
「はっ、なっさけねぇなァ。それでも男かよ、天通限無ィィィ」
頭のなかが「?」で埋まっていきながら、僕はなにもできずにその場で立ち尽くす。
「うっるさいッ!!」
「朝から迷惑ですのッ!!」
そんな煩さに目が覚めたのか、大和さんと美龍が大きな声で立ち上がる。
「あれ? これ本当に何もなかった感じ?」
「すっ、すいませんっしたぁ……」
大和さんと美龍の意識がハッキリする前に、西城君と陵君は部屋から出ていく。
(ちょっと待って、僕も……)
「限無?」「ご主兄様?」
「あっ、ははははははは」
二人の目が僕をとらえ、僕はその場で乾いた笑いをあげるしかない。
「「「………………」」」
瞬間、世界が沈黙する。
「「きゃぁぁぁぁぁッ!!」」
「ごめんなさぁぁぁぁい」
僕は慌てて部屋から出て、男子の部屋へと向かった。
………………
…………
……
「まったく、なんてことをするのよっ」
「本当に。いくらチームメイトだとしても、やって良いことと悪いことがございます」
「「「大変申し訳ありませんでした」」」
あの後西城君と陵君から事情を聞き、実は朝の一件の主導者は僕だった事が判明した。
事の発端は昨日の夕飯後。
僕たちはご飯の美味しさに歓喜しながら、調子にのってお酒に手を出してしまったのだ。
現代の法律では、飲酒は15歳からできることになっている。
しかし普段から僕たちのような生徒がお酒に手を出せるはずもなく……。
昨日初めて飲酒した僕たち(特に僕が)は調子に乗り、女子が寝ている部屋へと突入。
その場で寝落ちしてしまった僕を残し、西城君と陵君は部屋へと戻ったのだった。
「調子に乗りすぎました……」
「反省しています……」
「まったく記憶に無いんですが、大変申し訳ありませんでした……」
そんなこんなで数時間正座で廊下に座らされた僕ら。
旅行二日目の思い出は、苦いものから始まった。
夏休みと深まる謎② トーナメント優勝特典旅行②
「あん、ダメですよご主兄様ぁ……」
「ちょっと限無、そんなところ……」
幸せそうな寝顔で、美龍と大和さんがベッドで寝ている。
「どうしてこうなった?」
男子と女子で部屋を分けていた僕たち。
しかし、なぜか今僕は、女子の部屋で目覚めていた。
現在時刻は午前5時過ぎ。
昨日の夜の記憶がなぜか曖昧だが、僕はきちんと男子の部屋で寝ている……はずだ。
(落ち着け、僕。まずは音をたてずに部屋の外へと……)
「おっはよー諸君ッ!! 昨夜はお楽しみだったかな!?」
「天通限無ィ、存分に楽しんだかァァァ!?」
大きな音をたてて、西城君と陵君が部屋に入ってくる。
「って、あらら? 全然そんな雰囲気無し?」
「はっ、なっさけねぇなァ。それでも男かよ、天通限無ィィィ」
頭のなかが「?」で埋まっていきながら、僕はなにもできずにその場で立ち尽くす。
「うっるさいッ!!」
「朝から迷惑ですのッ!!」
そんな煩さに目が覚めたのか、大和さんと美龍が大きな声で立ち上がる。
「あれ? これ本当に何もなかった感じ?」
「すっ、すいませんっしたぁ……」
大和さんと美龍の意識がハッキリする前に、西城君と陵君は部屋から出ていく。
(ちょっと待って、僕も……)
「限無?」「ご主兄様?」
「あっ、ははははははは」
二人の目が僕をとらえ、僕はその場で乾いた笑いをあげるしかない。
「「「………………」」」
瞬間、世界が沈黙する。
「「きゃぁぁぁぁぁッ!!」」
「ごめんなさぁぁぁぁい」
僕は慌てて部屋から出て、男子の部屋へと向かった。
………………
…………
……
「まったく、なんてことをするのよっ」
「本当に。いくらチームメイトだとしても、やって良いことと悪いことがございます」
「「「大変申し訳ありませんでした」」」
あの後西城君と陵君から事情を聞き、実は朝の一件の主導者は僕だった事が判明した。
事の発端は昨日の夕飯後。
僕たちはご飯の美味しさに歓喜しながら、調子にのってお酒に手を出してしまったのだ。
現代の法律では、飲酒は15歳からできることになっている。
しかし普段から僕たちのような生徒がお酒に手を出せるはずもなく……。
昨日初めて飲酒した僕たち(特に僕が)は調子に乗り、女子が寝ている部屋へと突入。
その場で寝落ちしてしまった僕を残し、西城君と陵君は部屋へと戻ったのだった。
「調子に乗りすぎました……」
「反省しています……」
「まったく記憶に無いんですが、大変申し訳ありませんでした……」
そんなこんなで数時間正座で廊下に座らされた僕ら。
旅行二日目の思い出は、苦いものから始まった。
コメント