欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
学年無差別トーナメントに向けて⑤| それぞれの課題と特訓の日々②
欠陥魔力騎士41
学年無差別トーナメントに向けて⑤ それぞれの課題と特訓の日々②
「まず最初の一歩は、自分自身を知ることだ。これはどの流派も変わらないことではあるが、ゾーンの開拓だけでなく、自分自身と言う存在そのものの、認識の深さが外道流では大切なんだ」
「認識の深さ……ですか?」
「そう。簡単に言い換えると、自分に何ができて何ができないかの把握。そしてそのまま、得意不得意の把握が大切と言うわけだ」
外道流とはつまり、自分自身が勝つための流派である。
自分自身が勝てる技であれば、それはどんなものでも構わない。
流派であって流派でないもの。
それが外道流の真髄なのだ。
「だから君にはこれから、1つずつ確実に階段を上がってもらう。まず最初に得手不得手の洗い出しからだね」
「わ、わかりました」
………………
…………
……
「こ、こんなもの、でしょうか?」
僕はまず、彼女に自分自身についてを紙にまとめてもらった。
その紙と、僕自身の見立てを比べることで、更に精度を増すのだ。
「……うん。大体は僕の見立てと変わらないね。やっぱり自分の事をわかってるんだね」
「あ、ありがとうございま「君に魔力騎士の才能は無いってことも含めて」す……」
「僕は初めて授業で君と戦ったとき、とても不思議だった。入学式前の戦いでは、まさか同じクラスになるなんて夢にも思っていなかったくらいには、ね?」
「………………」
だからこそ、僕は無手の型を使ったわけだ。
彼とはトーナメントでさえも戦うことは無いと思ったから。
「けれど君と接している内に気がついた。君には魔力騎士としての才能……つまりは能力値は無い。平凡以下の魔力量に市販品の武装具。技も外道流のみだし、その外道流でさえ皆伝止まり。それでよく一番上のクラスになれたのだと驚いていた僕が、君の中に見つけたスペシャルが1つだけあった」
彼は魔力騎士としては平凡以下だ。
生まれ持っている才能が低すぎる。
けれど彼には、それを補って余りあるスペシャルがあった。
それは……
「君の吸収力……正確には、努力効率は異常すぎる。他の才能に恵まれた人間が一月かかる技を、恐らく君は数日で覚えられるはずだ。この比較はもちろん、毎日同じ量の努力をした場合の比較だ。恐らく君は、誰よりも努力してきたはずだ。だからこそ、この場所に立っている」
「………………」
僕は彼を不幸だと思う。
しかし同時に、幸運だとも思う。
不幸なのは、今まで良き師匠に出逢えなかったこと。
幸運なのは、彼の目の前に僕がいることだ。
「僕は今日から君を、最短距離で強くする。君は彼女……流鏑馬先輩に勝ちたいんだろう?」
「…………ち、ち、ちがい、ます」
僕はこの返答に驚く。
もしかしたら僕は、期待しすぎてしまったのだろうか?
「…………こ、この学園、で、一番に、なるん、ですッ!!」
「ッ!? はははっ、ははははっ。いい……いいよ、最高だ。その道がどんなに困難でも、君はやり遂げるんだろう? だったら上等だ。この僕にさえ勝てるように君を鍛える。覚悟はいいよね?」
「…………はいッ!!」
僕は、彼女の練習メニューを改める。
(これはもしかすると、大和さんを鍛える以上に楽しくなるかもしれない……)
僕は興奮と期待を胸に、彼女の育成計画をスタートした。
学年無差別トーナメントに向けて⑤ それぞれの課題と特訓の日々②
「まず最初の一歩は、自分自身を知ることだ。これはどの流派も変わらないことではあるが、ゾーンの開拓だけでなく、自分自身と言う存在そのものの、認識の深さが外道流では大切なんだ」
「認識の深さ……ですか?」
「そう。簡単に言い換えると、自分に何ができて何ができないかの把握。そしてそのまま、得意不得意の把握が大切と言うわけだ」
外道流とはつまり、自分自身が勝つための流派である。
自分自身が勝てる技であれば、それはどんなものでも構わない。
流派であって流派でないもの。
それが外道流の真髄なのだ。
「だから君にはこれから、1つずつ確実に階段を上がってもらう。まず最初に得手不得手の洗い出しからだね」
「わ、わかりました」
………………
…………
……
「こ、こんなもの、でしょうか?」
僕はまず、彼女に自分自身についてを紙にまとめてもらった。
その紙と、僕自身の見立てを比べることで、更に精度を増すのだ。
「……うん。大体は僕の見立てと変わらないね。やっぱり自分の事をわかってるんだね」
「あ、ありがとうございま「君に魔力騎士の才能は無いってことも含めて」す……」
「僕は初めて授業で君と戦ったとき、とても不思議だった。入学式前の戦いでは、まさか同じクラスになるなんて夢にも思っていなかったくらいには、ね?」
「………………」
だからこそ、僕は無手の型を使ったわけだ。
彼とはトーナメントでさえも戦うことは無いと思ったから。
「けれど君と接している内に気がついた。君には魔力騎士としての才能……つまりは能力値は無い。平凡以下の魔力量に市販品の武装具。技も外道流のみだし、その外道流でさえ皆伝止まり。それでよく一番上のクラスになれたのだと驚いていた僕が、君の中に見つけたスペシャルが1つだけあった」
彼は魔力騎士としては平凡以下だ。
生まれ持っている才能が低すぎる。
けれど彼には、それを補って余りあるスペシャルがあった。
それは……
「君の吸収力……正確には、努力効率は異常すぎる。他の才能に恵まれた人間が一月かかる技を、恐らく君は数日で覚えられるはずだ。この比較はもちろん、毎日同じ量の努力をした場合の比較だ。恐らく君は、誰よりも努力してきたはずだ。だからこそ、この場所に立っている」
「………………」
僕は彼を不幸だと思う。
しかし同時に、幸運だとも思う。
不幸なのは、今まで良き師匠に出逢えなかったこと。
幸運なのは、彼の目の前に僕がいることだ。
「僕は今日から君を、最短距離で強くする。君は彼女……流鏑馬先輩に勝ちたいんだろう?」
「…………ち、ち、ちがい、ます」
僕はこの返答に驚く。
もしかしたら僕は、期待しすぎてしまったのだろうか?
「…………こ、この学園、で、一番に、なるん、ですッ!!」
「ッ!? はははっ、ははははっ。いい……いいよ、最高だ。その道がどんなに困難でも、君はやり遂げるんだろう? だったら上等だ。この僕にさえ勝てるように君を鍛える。覚悟はいいよね?」
「…………はいッ!!」
僕は、彼女の練習メニューを改める。
(これはもしかすると、大和さんを鍛える以上に楽しくなるかもしれない……)
僕は興奮と期待を胸に、彼女の育成計画をスタートした。
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