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エピローグ②| 学年無差別チーム戦に向けてともう一人の性別転換者

欠陥魔力騎士35

エピローグ② 学年無差別チーム戦に向けてともう一人の性別転換者

「諸君、おはよう。昨日はお疲れだったな」

 教壇に立ち、今日の九条先生が今日のホームルーム始める。

「まずは大事な報告だ。このクラス内で、性別を転換した者が二人いる」

 先生のその言葉に、教室内がざわつく。

「一人は天通限無……弟の方だ。彼……いや、彼女の名前は天通美龍あまつみり。もともと女だったのを、家庭の事情で男となっていたらしい」

 そう語ってから、九条先生は美龍へと自己紹介するように促す。

「ご紹介にあずかりました、天通美龍です。わたくしのすべては、天通限無様……ご主兄様に捧げておりますので、変な気を起こさぬようにお願いいたします。それと、実力は男だった時と同じと自負しておりますので、皆々様とも競い合えたらと思います。どうぞよろしくお願いいたしますね?」

 そう言って微笑んだ美龍は、神々しささえ感じさせるほどの美少女で、男だったときよりも女子からの反応が良いほどだった。

「そして二人目だ。これは正直予想外としか言えない。皆も驚くと思うが、彼の……いや、彼女の覚悟として受け止めてくれ」

 そう言って先生が自己紹介を促したのは、美龍の隣に立つこちらも美少女だった。

陵陵子みささぎりょうこだ……です。外道流で最強を目指すため、あいつらを越えるために女になった……です。よろしくお願いするぜ……です」

 その自己紹介に、教室内が先程よりも大きくざわつく。

「彼……いや彼女は、陵陵が性別転換した女の子だ。彼女の流派である外道流の開祖は女性だった。それゆえに、彼女は外道流で更なる高みを目指すために女の子になった……らしい」

 先生のその言葉で、クラスメイト全員が息をのむ。
 彼……いや彼女は、それほどまでに強さを求めている。

(やっぱり彼は面白い。できればチームメイトになりたいな……)

「それでは今日のホームルームだが、早速来月行われる学年無差別チーム戦のチーム決めだ。基本は自由参加のこのトーナメントは、上級生とも普通に戦うことになる。ゆえに無理強いはしないが、我こそはと思うものは私のところに申し出てくれ。私の方で、参加者を確認し、チームとして登録しておく。それではこれにて解散ッ!」

 先生はそう言うと、教室を出ていく。
 僕は慌てて先生の後を追いかけ、チーム戦に出る意思を表明した。


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