欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
新入生歓迎トーナメント⑦| 本戦二回戦と揃いし四強③
欠陥魔力騎士25
新入生歓迎トーナメント⑦ 本戦二回戦と揃いし四強③
「さぁやって参りました、本日のメインイベントその1ッ!! 大和光選手VS中神雷兎選手の戦いです」
「大和君は言わずもがなだが、中神君は少し特殊な戦い方をする」
「名前ではわかりにくいですが、中神選手は女の子……それも本物の巫女なんですよね? それが戦い方にも影響しているわけですねッ!!」
「その通りだ。彼女はその巫女としての力により、より強大な存在の力を借りて戦うわけだ」
「それはつまり、精霊や神などの上位存在の力を借りられると言うことですか?」
「その通りだ。彼女の場合は、神をその身に宿して戦える」
「それはつまり、彼女は神と同等の魔力量と操作力を扱えるということですね?」
「普通の選手なら、その魔力量にまず圧倒されて終わる。それに耐えられたとしても、その圧倒的な魔力量から繰り出される攻撃をしのぎきれない」
「なるほどなるほど。ではこの試合、大和選手でも危ういと言うことですか?」
「そういう訳でもない。それはあくまでも、相手が普通の選手ならばだ。恐らく大和君なら、確実に対応策を練っているはず」
「ではでは、この試合も見逃せないということですねッ!! これは楽しみになってきましたぁぁぁッ!!」
「神と同等の力をふるえる中神選手と、それに対し挑む世界一の天才。今までのどの試合よりも激戦となるだろうよ」
────────────────────────
「貴女の全力は、普段の授業では出せなかったのよね? 今日は本気の貴女と戦えてとても嬉しいわ」
「こちらこそ、貴女のような方に評価されて嬉しいです。今日はどうぞよろしくお願い致しますッ」
私と彼女は授業中には戦ったことがある。
しかしそれは、彼女も私も本気ではなかった。
(神のごとき力のすべて、受け止めて上回るッ!!)
「双方、準備は良いな?」
「大丈夫です」
「はいっ、大丈夫です」
「それではカウントを開始する」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「巫女姫流……大神おろしッ!!」
ズシンと空気が重くなる。
彼女はその身に神を宿した瞬間から、神そのものへと変わったのだ。
「……ッッッ!? これほどとは、ね」
神をその身におろした彼女は、存在そのものが変質している。
事実彼女の全身から魔力が吹き荒れ、その体も大きくなったように感じるほどだ。
「我、汝がすべて、圧倒せん」
「間違えないでちょうだい? 私があなたを圧倒するの。久しぶりの全力戦闘、せいぜい楽しませてちょうだいよッ!?」
私はのまれそうになるその魔力の大波を、まずは全身に魔力を纏わせる事で軽減する。
同時に今の私にできる全力……つまりは完全掌握操作状態。
これを維持し続けて、更には奥の手の中の奥の手を使うッ!!
「いくわよッ!! 最初から全力で……倒させてもらうッッッ!!」
ギアをあげて完全掌握操作状態へ。
同時に私は、千変万化のすべてのリミッターを解除する。
「流れ流れる季節のごとく、巡り巡りし輪廻のごとく。それはすべての理なりて、激しく優しくすべてを包む。我は万物の観測者、我は具象すべての掌握者。ここに契約を結び、我がすべてを願いとせん」
(神と契約してるのは、貴女だけではないのよ。私もこの力のすべてを、ようやく完全に扱えるッ!!)
「我が願い、我が声に応えたまえ。我が祈り、我が意思に応えたまえ。ここに我が盟約と誓約を捧げ、なんじがすべてを受け入れん」
(千変万化を作るときに力を借りた神……天照大神。今その力のすべてを解き放つッ!!)
「出でよ、大和を守護せし太陽の神。天照大神ッッッ!!」
私が契約の祝詞を唱え終わると同時に、私は彼女と1つになる。
大和を守護せし天照大神。
太陽のごとき圧倒的なエネルギー量。
そのすべてを掌握するッ!!
「さぁ、始めましょうか? 貴女の神と私の神。どちらが上かの比べ合いをッ!!」
「我、雷神トール、天照大神、挑み、倒す」
────────────────────────
「な、な、な、な、な、な、なんとぉぉぉッッッ!? 中神選手だけでなく、大和選手までもが神をその身に宿してしまったぁぁぁッッッ!!」
「いや…………それは少し違うな」
「どういうことでしょう?」
「中神君は、神をその身に宿しただけ。つまりは神にその身のすべてを委ねた状態だ」
「つまり今中神選手は、雷神トールそのものであると!?」
「その通りだ。しかし大和君は違う。彼女は天照大神の力をその身に宿した上で、そのすべてを自らの意思で動かしている」
「つまり大和選手は、天照大神の力を掌握していると!? そういうことですか!?」
「そういう事になるだろう」
「しかしそれが、いったいどのような差をうむのですか?」
「まずはその力の扱い方だ。中神君は雷神トールそのものとなってはいても、体は中神君のままだ。つまり雷神トールは本気を出せない。中神君を壊してしまうからな」
「なるほどなるほど。つまりは大和選手の方が有利だと?」
「そうとも言えない。天照大神ほどの大神の力すべてを、大和君が扱いきれるかどうかがまず問題となるし、更にはリミッターのかかっている中神君よりも消耗が激しいはずだ」
「ではこの勝負、短期決戦になると言うことですか!?」
「そうなるだろうよ。これは一瞬も目を離せない戦いになるぞ」
────────────────────────
「我が、雷、アレ」
中神さん……つまりは雷神トールが言葉を紡ぐだけで、その力が雷となって降り注ぐ。
「鏡返しッ!!」
私はその雷すべてを大和の三種の神器の1つである鏡で跳ね返す。
「我が、雷、散れ」
「だから無駄だって……ッ!?」
相手は私の鏡を警戒して、私が広範囲に広げている反射用の鏡よりも、広い範囲に雷を放ち、そこから私に向けて雷を曲げてくる。
「勾玉よ、吸えッ!!」
私は咄嗟に勾玉の力を発動させ、雷すべてを吸収する。
「我が、雷よ、アレ」
「くっ……鏡よッ!!」
私が鏡から勾玉に力を切り替えたことを見た相手が、今度は再び集中させて威力を上げた雷を放ってくる。
すかさず私も鏡に切り替え、千日手のように同じことを繰り返す。
(このままじゃじり貧……よね。でも、後数回勾玉で耐えられれば……)
────────────────────────
「圧倒的すぎる力のおうしゅうぅぅぅッッッ!! 力と力のぶつけ合いだけで、フィールドが砕けそうですッッッ!!」
「これが神と神の戦い、か。凄まじいな。だがこれは……」
「しかしこのまはまでは千日手だッ!! 中神選手は余裕のある表情で二種類の攻撃を繰り返し、大和選手はそれを鏡で跳ね返すか勾玉で受け止める。同じことの繰り返しですッ!!」
「このままだと大和君が負けるぞ。彼女は力の切り替えにも意識をさかなければならないが、雷神トールそのものとなっている中神君にはそれがない。消耗は大和君の方が圧倒的に……ッッッ!?」
「な、な、な、なんだこれはぁぁぁッッッ!? 大和選手から、見たこともない量の魔力が放出されたぁぁぁッッッ!!」
「これは……まさか? いやだがしかし……」
────────────────────────
「これで終わりよ、中神さん……いいえ、雷神トール。あなたのおかげで、私はこの力を呼び出せた」
「ソレ、は、なん、ダ」
私は勾玉に力がたまったのを確認すると、大きく距離をとってその力を解放する。
「神絶の剣。私はこれをそう名付けたわ。相手の神の力と、自らの神の力を混ぜ合わせて作り出すこの剣は、ごく自然に相手の神を切り裂き絶ち切る。だから神絶の剣」
「な、ナ、な、ナ」
「受けなさい? これが私の全力全開。神絶の一閃ッッッ!!!!」
私は勾玉で吸収したトールの力と、私が出せるすべての力をこの一閃に込める。
「はぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
すべてを込めた一撃を、相手に向けてただただ降り下ろす。
フィールドが軋むほどのその力は、雷神トールを見事真っ二つに絶ち切った。
「みごと、なり」
「そこまで、勝者大和光ッ!!」
────────────────────────
「激・闘・決・着ぅぅぅぅぅッッッ!! 勝利したのは天照大神の力をだけでなく、雷神トールの力までもをも利用した、大和光選手だぁぁぁぁぁッッッ!!」
「これは……見事としか言えないな。鏡で反射することで曲げてでも直接自分を狙わせ、それをすべて勾玉で吸収。じり貧と見せかけて、決着の一撃で倒しきる。今回の戦いも、大和君の手のひらの上だったと言うわけか」
「素晴らしい戦いを見せてくれた二人に、大きな拍手をお願いします。そして大変申し訳ありません、フィールド内部を整えるため、しばらくお時間をいただきます。次の試合も激戦が予想されますので、是非ともそのままでお待ちください」
────────────────────────
「お見事でした、大和さん。完全にやられました……」
「貴女が全力を出してくれたからこその勝利よ。楽しかったわっ」
「ありがとう、ございます。私もとても楽しかったです」
「またやりましょう? 次はもっともっと強くなってから……ね?」
「はい、喜んで」
「それじゃ、ゆっくり休んでね」
私は中神さんと言葉をかわすと、フィールドを出て控え室へと戻っていった。
新入生歓迎トーナメント⑦ 本戦二回戦と揃いし四強③
「さぁやって参りました、本日のメインイベントその1ッ!! 大和光選手VS中神雷兎選手の戦いです」
「大和君は言わずもがなだが、中神君は少し特殊な戦い方をする」
「名前ではわかりにくいですが、中神選手は女の子……それも本物の巫女なんですよね? それが戦い方にも影響しているわけですねッ!!」
「その通りだ。彼女はその巫女としての力により、より強大な存在の力を借りて戦うわけだ」
「それはつまり、精霊や神などの上位存在の力を借りられると言うことですか?」
「その通りだ。彼女の場合は、神をその身に宿して戦える」
「それはつまり、彼女は神と同等の魔力量と操作力を扱えるということですね?」
「普通の選手なら、その魔力量にまず圧倒されて終わる。それに耐えられたとしても、その圧倒的な魔力量から繰り出される攻撃をしのぎきれない」
「なるほどなるほど。ではこの試合、大和選手でも危ういと言うことですか?」
「そういう訳でもない。それはあくまでも、相手が普通の選手ならばだ。恐らく大和君なら、確実に対応策を練っているはず」
「ではでは、この試合も見逃せないということですねッ!! これは楽しみになってきましたぁぁぁッ!!」
「神と同等の力をふるえる中神選手と、それに対し挑む世界一の天才。今までのどの試合よりも激戦となるだろうよ」
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「貴女の全力は、普段の授業では出せなかったのよね? 今日は本気の貴女と戦えてとても嬉しいわ」
「こちらこそ、貴女のような方に評価されて嬉しいです。今日はどうぞよろしくお願い致しますッ」
私と彼女は授業中には戦ったことがある。
しかしそれは、彼女も私も本気ではなかった。
(神のごとき力のすべて、受け止めて上回るッ!!)
「双方、準備は良いな?」
「大丈夫です」
「はいっ、大丈夫です」
「それではカウントを開始する」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「巫女姫流……大神おろしッ!!」
ズシンと空気が重くなる。
彼女はその身に神を宿した瞬間から、神そのものへと変わったのだ。
「……ッッッ!? これほどとは、ね」
神をその身におろした彼女は、存在そのものが変質している。
事実彼女の全身から魔力が吹き荒れ、その体も大きくなったように感じるほどだ。
「我、汝がすべて、圧倒せん」
「間違えないでちょうだい? 私があなたを圧倒するの。久しぶりの全力戦闘、せいぜい楽しませてちょうだいよッ!?」
私はのまれそうになるその魔力の大波を、まずは全身に魔力を纏わせる事で軽減する。
同時に今の私にできる全力……つまりは完全掌握操作状態。
これを維持し続けて、更には奥の手の中の奥の手を使うッ!!
「いくわよッ!! 最初から全力で……倒させてもらうッッッ!!」
ギアをあげて完全掌握操作状態へ。
同時に私は、千変万化のすべてのリミッターを解除する。
「流れ流れる季節のごとく、巡り巡りし輪廻のごとく。それはすべての理なりて、激しく優しくすべてを包む。我は万物の観測者、我は具象すべての掌握者。ここに契約を結び、我がすべてを願いとせん」
(神と契約してるのは、貴女だけではないのよ。私もこの力のすべてを、ようやく完全に扱えるッ!!)
「我が願い、我が声に応えたまえ。我が祈り、我が意思に応えたまえ。ここに我が盟約と誓約を捧げ、なんじがすべてを受け入れん」
(千変万化を作るときに力を借りた神……天照大神。今その力のすべてを解き放つッ!!)
「出でよ、大和を守護せし太陽の神。天照大神ッッッ!!」
私が契約の祝詞を唱え終わると同時に、私は彼女と1つになる。
大和を守護せし天照大神。
太陽のごとき圧倒的なエネルギー量。
そのすべてを掌握するッ!!
「さぁ、始めましょうか? 貴女の神と私の神。どちらが上かの比べ合いをッ!!」
「我、雷神トール、天照大神、挑み、倒す」
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「な、な、な、な、な、な、なんとぉぉぉッッッ!? 中神選手だけでなく、大和選手までもが神をその身に宿してしまったぁぁぁッッッ!!」
「いや…………それは少し違うな」
「どういうことでしょう?」
「中神君は、神をその身に宿しただけ。つまりは神にその身のすべてを委ねた状態だ」
「つまり今中神選手は、雷神トールそのものであると!?」
「その通りだ。しかし大和君は違う。彼女は天照大神の力をその身に宿した上で、そのすべてを自らの意思で動かしている」
「つまり大和選手は、天照大神の力を掌握していると!? そういうことですか!?」
「そういう事になるだろう」
「しかしそれが、いったいどのような差をうむのですか?」
「まずはその力の扱い方だ。中神君は雷神トールそのものとなってはいても、体は中神君のままだ。つまり雷神トールは本気を出せない。中神君を壊してしまうからな」
「なるほどなるほど。つまりは大和選手の方が有利だと?」
「そうとも言えない。天照大神ほどの大神の力すべてを、大和君が扱いきれるかどうかがまず問題となるし、更にはリミッターのかかっている中神君よりも消耗が激しいはずだ」
「ではこの勝負、短期決戦になると言うことですか!?」
「そうなるだろうよ。これは一瞬も目を離せない戦いになるぞ」
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「我が、雷、アレ」
中神さん……つまりは雷神トールが言葉を紡ぐだけで、その力が雷となって降り注ぐ。
「鏡返しッ!!」
私はその雷すべてを大和の三種の神器の1つである鏡で跳ね返す。
「我が、雷、散れ」
「だから無駄だって……ッ!?」
相手は私の鏡を警戒して、私が広範囲に広げている反射用の鏡よりも、広い範囲に雷を放ち、そこから私に向けて雷を曲げてくる。
「勾玉よ、吸えッ!!」
私は咄嗟に勾玉の力を発動させ、雷すべてを吸収する。
「我が、雷よ、アレ」
「くっ……鏡よッ!!」
私が鏡から勾玉に力を切り替えたことを見た相手が、今度は再び集中させて威力を上げた雷を放ってくる。
すかさず私も鏡に切り替え、千日手のように同じことを繰り返す。
(このままじゃじり貧……よね。でも、後数回勾玉で耐えられれば……)
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「圧倒的すぎる力のおうしゅうぅぅぅッッッ!! 力と力のぶつけ合いだけで、フィールドが砕けそうですッッッ!!」
「これが神と神の戦い、か。凄まじいな。だがこれは……」
「しかしこのまはまでは千日手だッ!! 中神選手は余裕のある表情で二種類の攻撃を繰り返し、大和選手はそれを鏡で跳ね返すか勾玉で受け止める。同じことの繰り返しですッ!!」
「このままだと大和君が負けるぞ。彼女は力の切り替えにも意識をさかなければならないが、雷神トールそのものとなっている中神君にはそれがない。消耗は大和君の方が圧倒的に……ッッッ!?」
「な、な、な、なんだこれはぁぁぁッッッ!? 大和選手から、見たこともない量の魔力が放出されたぁぁぁッッッ!!」
「これは……まさか? いやだがしかし……」
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「これで終わりよ、中神さん……いいえ、雷神トール。あなたのおかげで、私はこの力を呼び出せた」
「ソレ、は、なん、ダ」
私は勾玉に力がたまったのを確認すると、大きく距離をとってその力を解放する。
「神絶の剣。私はこれをそう名付けたわ。相手の神の力と、自らの神の力を混ぜ合わせて作り出すこの剣は、ごく自然に相手の神を切り裂き絶ち切る。だから神絶の剣」
「な、ナ、な、ナ」
「受けなさい? これが私の全力全開。神絶の一閃ッッッ!!!!」
私は勾玉で吸収したトールの力と、私が出せるすべての力をこの一閃に込める。
「はぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
すべてを込めた一撃を、相手に向けてただただ降り下ろす。
フィールドが軋むほどのその力は、雷神トールを見事真っ二つに絶ち切った。
「みごと、なり」
「そこまで、勝者大和光ッ!!」
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「激・闘・決・着ぅぅぅぅぅッッッ!! 勝利したのは天照大神の力をだけでなく、雷神トールの力までもをも利用した、大和光選手だぁぁぁぁぁッッッ!!」
「これは……見事としか言えないな。鏡で反射することで曲げてでも直接自分を狙わせ、それをすべて勾玉で吸収。じり貧と見せかけて、決着の一撃で倒しきる。今回の戦いも、大和君の手のひらの上だったと言うわけか」
「素晴らしい戦いを見せてくれた二人に、大きな拍手をお願いします。そして大変申し訳ありません、フィールド内部を整えるため、しばらくお時間をいただきます。次の試合も激戦が予想されますので、是非ともそのままでお待ちください」
────────────────────────
「お見事でした、大和さん。完全にやられました……」
「貴女が全力を出してくれたからこその勝利よ。楽しかったわっ」
「ありがとう、ございます。私もとても楽しかったです」
「またやりましょう? 次はもっともっと強くなってから……ね?」
「はい、喜んで」
「それじゃ、ゆっくり休んでね」
私は中神さんと言葉をかわすと、フィールドを出て控え室へと戻っていった。
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