欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
新入生歓迎トーナメント②| クラス内順位別予選開始②
欠陥魔力騎士20
新入生歓迎トーナメント② クラス内順位別予選開始②
「先生は油断するなって言ってたけど、あまり気が乗らないわね……」
私は予選会場に集まったメンバーを見て、一人呟く。
この予選では、もう一人の方の天通限無が同じ会場ではあるが、私と彼はトーナメントの両端に配置されている。
「彼以外が私の障害になるとは思えないし、予選なんかで奥の手を見せるつもりもない。いいところ、消化試合って感じね」
「そうとも限らないよ? 油断は大敵だ」
「もう一人の天通限無?」
私が一人ため息をついていると、そこに彼がやって来た。
「君は知らないかも知れないけど、毎年この各クラストップが戦う予選だけ、特別に公式戦の形をとっているんだ。先生たちは、聞かれないと教えてくれないけどね?」
「なんですって? なんで貴方がそんな事を知っているの?」
「もちろん聞いたからさ。俺もこの予選は退屈だと考えていたからね。先生に適当に流して良いかを聞いてみた」
「そこでその話を聞かされたってわけね? これは真剣にやらないといけないわね……」
この学園ではいつどこでもフェーデを行うことが許されているが、それはあくまでも練習試合。
公式戦ではないために、自らの戦績には影響をあたえないのだ。
だがこの予選は公式戦として行われる。
つまりは戦績に勝ち星とポイントをつけられる絶好のチャンスと言うわけなのだ。
「知ってると思うけど、公式戦はポイント制だ。勝敗だけでなく、その立ち居振舞いや技の魅せ方までもが採点対象となり、勝敗とは別にポイントとして記録される」
「例え勝負に勝ったとしても、ポイントで負けているとそれが記録されるってことね。上等だわっ」
フェーデはあくまでも娯楽競技だ。
それゆえに観客に対するアピールも重要だとされており、観客をわかした上で勝利するものこそがナンバーワンと呼ばれるようになっている。
「俺と君は戦わないけども、観客……つまりは今日来ている教師と一部の職員や見学者を見事にわかして魅せろと言うことだ。俺たちはまだプロではないが、その意識を持てと言うことなんだろう」
「なるほどね。でもやることは変わらないわ。勝つと言うことに、美しくという文字が追加されただけだもの」
「ははっ、さすがは大和が誇る世界一の天才だね。本戦では良い戦いをしよう。お互い、こんなところでは躓かないだろうからね?」
「当たり前よ。そっちこそ、へまして負けたりしないでよ?」
彼の目を見て挑発を返す。
私の言葉を聞いた天通限無は、少しだけ真剣な目をすると、私のもとから去っていった。
………………
…………
……
「それではこれより、予選の第一試合を開始する。Sクラス女子首席、大和光。Gクラス一位、聖我昴。フィールド内に入り、準備せよ」
「これは公式戦。つまりは私のプロへの道の第一歩。圧倒的に勝利を掴むッ」
「相手が格上なのは当然の事。少しでも報いてやるッ」
フィールド内で開始位置へと立ち、私は武装具を展開する。
そして1つ深呼吸すると、開始の合図を待った。
「それでは双方準備は良いな? カウントを開始する」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「舞い踊れッ!! 千変万化桜の型ッ!!」
「なぁッッッ!?!?」
私は開始と同時に武装具を空高く放り投げる。
音声認識によるモードチェンジを発動させ、そこに魔力を圧縮してから注入する。
「これが千変万化桜の型。この圧倒的物量から、逃れられるなら見せてみなさいッ!!」
私が発動した千変万化桜の型は、はるか上空で桜吹雪の海を作り出す技。
桜の花びらの形をした1つ1つが圧縮された魔力の塊であり、ぶつかった対象を爆発により押し潰す。
「うわぁぁぁぁぁッッッ!!」
「桜吹雪の海の露と消えなさいッ!!」
ドドドドドドドドドッッッ!!!!
「しょ、勝者、大和光ッ!!」
「どーんなもんよっ」
勝利のVサインをモニターに向けて突き上げる。
そうしてしばらくしてから、私は少しやり過ぎたかもと思いつつ、フィールドから出て次の対戦への準備を始めた。
新入生歓迎トーナメント② クラス内順位別予選開始②
「先生は油断するなって言ってたけど、あまり気が乗らないわね……」
私は予選会場に集まったメンバーを見て、一人呟く。
この予選では、もう一人の方の天通限無が同じ会場ではあるが、私と彼はトーナメントの両端に配置されている。
「彼以外が私の障害になるとは思えないし、予選なんかで奥の手を見せるつもりもない。いいところ、消化試合って感じね」
「そうとも限らないよ? 油断は大敵だ」
「もう一人の天通限無?」
私が一人ため息をついていると、そこに彼がやって来た。
「君は知らないかも知れないけど、毎年この各クラストップが戦う予選だけ、特別に公式戦の形をとっているんだ。先生たちは、聞かれないと教えてくれないけどね?」
「なんですって? なんで貴方がそんな事を知っているの?」
「もちろん聞いたからさ。俺もこの予選は退屈だと考えていたからね。先生に適当に流して良いかを聞いてみた」
「そこでその話を聞かされたってわけね? これは真剣にやらないといけないわね……」
この学園ではいつどこでもフェーデを行うことが許されているが、それはあくまでも練習試合。
公式戦ではないために、自らの戦績には影響をあたえないのだ。
だがこの予選は公式戦として行われる。
つまりは戦績に勝ち星とポイントをつけられる絶好のチャンスと言うわけなのだ。
「知ってると思うけど、公式戦はポイント制だ。勝敗だけでなく、その立ち居振舞いや技の魅せ方までもが採点対象となり、勝敗とは別にポイントとして記録される」
「例え勝負に勝ったとしても、ポイントで負けているとそれが記録されるってことね。上等だわっ」
フェーデはあくまでも娯楽競技だ。
それゆえに観客に対するアピールも重要だとされており、観客をわかした上で勝利するものこそがナンバーワンと呼ばれるようになっている。
「俺と君は戦わないけども、観客……つまりは今日来ている教師と一部の職員や見学者を見事にわかして魅せろと言うことだ。俺たちはまだプロではないが、その意識を持てと言うことなんだろう」
「なるほどね。でもやることは変わらないわ。勝つと言うことに、美しくという文字が追加されただけだもの」
「ははっ、さすがは大和が誇る世界一の天才だね。本戦では良い戦いをしよう。お互い、こんなところでは躓かないだろうからね?」
「当たり前よ。そっちこそ、へまして負けたりしないでよ?」
彼の目を見て挑発を返す。
私の言葉を聞いた天通限無は、少しだけ真剣な目をすると、私のもとから去っていった。
………………
…………
……
「それではこれより、予選の第一試合を開始する。Sクラス女子首席、大和光。Gクラス一位、聖我昴。フィールド内に入り、準備せよ」
「これは公式戦。つまりは私のプロへの道の第一歩。圧倒的に勝利を掴むッ」
「相手が格上なのは当然の事。少しでも報いてやるッ」
フィールド内で開始位置へと立ち、私は武装具を展開する。
そして1つ深呼吸すると、開始の合図を待った。
「それでは双方準備は良いな? カウントを開始する」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「舞い踊れッ!! 千変万化桜の型ッ!!」
「なぁッッッ!?!?」
私は開始と同時に武装具を空高く放り投げる。
音声認識によるモードチェンジを発動させ、そこに魔力を圧縮してから注入する。
「これが千変万化桜の型。この圧倒的物量から、逃れられるなら見せてみなさいッ!!」
私が発動した千変万化桜の型は、はるか上空で桜吹雪の海を作り出す技。
桜の花びらの形をした1つ1つが圧縮された魔力の塊であり、ぶつかった対象を爆発により押し潰す。
「うわぁぁぁぁぁッッッ!!」
「桜吹雪の海の露と消えなさいッ!!」
ドドドドドドドドドッッッ!!!!
「しょ、勝者、大和光ッ!!」
「どーんなもんよっ」
勝利のVサインをモニターに向けて突き上げる。
そうしてしばらくしてから、私は少しやり過ぎたかもと思いつつ、フィールドから出て次の対戦への準備を始めた。
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