夏の想い出~メモリアルDAYS~

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お祭りと花火と買い食い

「今日の軍資金は? 俺は2000円」

「僕は3000円。合わせたら5000円だね」

 今日は地域の夏祭り。
 相も変わらず帰りの遅い両親にお金を渡されていた俺たちは、お祭りの屋台で夕飯にしようと夏祭りにやって来ていた。

「まずは何から食べる? 主食系は後回しとして、唐揚げとかが無難か?」

「それなら向こうに焼き鳥があったよ。後は定番のかき氷が食べたいな」

「りょーかい。ならまずはその2つだな」

 俺は幼馴染みとはぐれないように手を繋ぐと、焼き鳥の屋台へ向けて歩き出した。

………………
…………
……

「残りいくら残ってる?」

「色々食べたから、残りは1500円だね」

「ならデザートにわたあめでも買って、花火の見えるスポットに行くぞ」

 あれから焼きそばやお好み焼きなども食べてお腹一杯になった俺たちは、ここら辺では有名な花火を見るために、川原へと向かう。

「夏休みも後二週間だね……」

「もうそれしかないのか。宿題は終わらせたか?」

「もちろん。とっくに終わってるよ」

「なら帰ったら答え合わせしようぜ。俺も終わってるからさ」

「うん、わかった。毎年やってる事だもんね」

「まぁお前の場合、いつも簡単な所でミスしてたりするけどな?」

「こ、今年は大丈夫だし。毎年なんてしてないしっ」

「はははっ」

「そっちこそ、テストだとミスするじゃんっ」

「俺はいいのー。わざとだからな」

「嘘つき。だったら今度のテストで100点満点とってみなよっ」

「いいぜ? もし俺が100点とれたなら、お前の秘密を教えろよ」

「秘密? そんなの別にないけど?」

「なら好きな人とか? いたりしないのか?」

「ふぇっ? い、いるにはいるけどさ……」

「ならそれで決まりだな。覚悟しとけよー?」

「強がりばっか言ってればいいさ。100点なんて無理なんだからっ」

「それはどうかなぁー? 俺、本気出しちゃうからね」

「言ってろ言ってろ。後で恥かくなよっ」

………………
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 こうして俺は、100点と引き換えに幼馴染みの好きな相手を聞く約束をした。


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