夏の想い出~メモリアルDAYS~

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俺とあいつと100点満点

「と言うわけで、見事100点満点です。どやぁ」

「インチキだ、カンニングだっ」

「残念無念、これが実力でーす」

「くぅぅぅ」

 夏休み明けの実力テスト。
 俺は宣言通りに100点満点をとった。

「んじゃ約束通り、好きな人を教えろよ」

「…………」

「聞こえねーよ。もっと大きな声で」

「…………た」

「まだ聞こえねーよ? もっと大きな声で頼みまーす」

「…………新太あらただよ!! 柏木新太かしわぎあらたッ!! お前のことだよ、このバカッ!!」

 真っ赤に恥ずかしがった顔で、俺に怒鳴る幼馴染み。

「ありがとーございまーす。俺もお前のこと好きだぜ? 柏木湊かしわぎみなとちゃん」

 俺はそこに、俺的パーフェクトカウンターをお見舞いした。 

「ッ!? バカっ、バカバカバカッ!!」

 俺のその言葉に、幼馴染みはポカポカと俺を叩いてくる。

「突然ですまねぇが、俺、転校するんだよ」

「…………えっ?」

 俺は親の都合で、来週には転校することが決まっていた。
 今日が日曜日なので、事実上明日にはここからいなくなる。
 転校が決まったのが丁度夏祭りの少し前。
 俺はどうしても幼馴染みの好きな相手が知りたくて、必死に勉強して100点を取ったのだ。

「10年後の俺の誕生日……つまりは2017年の8月31日。その日まで俺の事を好きで居続けてくれたなら、朝の10時に市役所で待つ。結婚しよーぜ?」

「新太…………新太ぁ」

「わりぃな。結局泣かしちまった」

「絶対だよ? 絶対なんだからね!?」

「わかってるよ。約束だ」

 こうして10年後の再会を約束した俺は、その日約束を胸に幼馴染みとさよならした。


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