キーボードなしでは生きていけないので、ハイ

十五月遡夜

コロっと変わる義姉

「すまなかった!!」

入室からの第一声は、氷河への謝罪だった。
深く腰を折り、そのせいでハゲた皿部が丸見えで氷河は吹き出しかけた。

「まぁ、誰だって変に思うことだし、じかに見てくれたほうが早いって事で行動したのは俺だから、頭あげてください。だそうです」

スマホに打ち込んだ内容を真由に見せ、代弁してもらう。

「いや、しかし・・」
「これ以上引っ張るなら出て行ってください。不愉快です」

今度は真由自身の言葉だ。
生徒の前で振りまく笑顔、氷河の前で見せる甘い雰囲気とは異なり、険相な表情で八重樫タケルを睨みつけた。
突然の豹変ぶりに、後ろの二人が驚いた。

「だが佐々木君、一教師としては・・」
「帰ってください。」
「・・・・」

それ以上は語らなかった。
後ろの2人同様、今の真由に氷河もそれなりに驚いていた。今も射殺すかのように、八重樫先生を睨んでいる。
居たたまれなくなったので、氷河は真由の脇をおもいっきりくすぐった。

「ひゃぁあ!?ちょっ、やめっ・・クシュクシュッ、クシュグ、ッタイ・・・・」

目尻に水玉を浮かべてもがく真由。
知ったことでは何とくすぐる氷河。
その2人に呆然とする3人。
呼吸が辛くなってきたのか、ヒックヒックし始めたところで手を引いた。

「ハァ、ハァ、ハァ・・。もう!何するの!?」
:お手:

右手を出す。

「犬じゃない!!」
:くすぐり地獄と書いて躾と読むのが最近の流行りなんだけどなぁ〜。飴あげないぞぉ〜?:
「いやだ!!」
:そもそもないから帰ったらね?:
「ないの!?」
コクリ
「はぅぅ〜・・。」
「「「・・・・」」」

側から見ればイチャついているようにしか見えず、しかもそれが生徒と教師という事もあり、見る目に渦巻く情の花は混沌へと染まりかけるのだった。

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