異世界転移した少女の自由奔放な物語

ててて

1 私

キーンコーン、カーンコーン

「起立、礼、ありがとうございました」

「はー。やっと終わったねー!」
「やっと部活に行ける!」
「このあと来週のテスト対策やらね?」
「どっか寄ってから帰ろうよー」

授業が終わり各々が帰宅したり部活をやったりできる放課後という自由の時間。

それは私には無いものだ。

(このあとは英会話教室に行って先週出された宿題の確認が…あ、あと塾のレポート、今日授業でやった所も家に帰って復習…明日の予習は…)

別に私はガリ勉なのではない。むしろ勉強は好きじゃない。ただ、やれと言われてやっているだけだ。

私の名前は西園寺 華香。高等部2年、17歳。
一応、家は日本有数の資産家だ。まぁ、所謂綺麗に言えばお嬢様と言うものなのだろうか。

ただ、言っておこう。お嬢様=我儘放題、甘やかされてる系ではない。むしろ家の名に恥じぬよう英才教育バリバリなのだ。

(ああ、めんどくさ…)

お嬢様だからと言ってお淑やかという訳では無い。口では美しく心は荒んでいるものだ。

私は西園寺家という家に一人娘として産まれて来てしまったおかげでそれはそれは重たくて持ちたくないものを親や周りの奴らに背負わされる。

「貴方は由緒正しいこの西園寺家の令嬢なのだから。将来有望で素晴らしい人と結婚しなければならないのよ。」

そんなことを子供の頃からクドクド言われてきた。


「あの…華香さん?よかったら一緒に帰りませんか?」

(同じクラスの谷本さんだ。あぁ、彼女のお父さんと私の父親が今度何か事業をやるかもと聞いたっけ…仲良くしとけとでも言われたのかな…?)

「ごめんなさい、谷本さん。私、これから用事があるの。また今度誘ってくれないかな?」

感じ悪くならないように笑顔で伝える。

「あ、えっと…ごめんなさい!!!」

顔を真っ赤にして走って帰って行った。

(…え?なんだったの…?)

人間関係もめんどくさいめんどくさい。
私は何故この世のわざわざこの家にしかも一人娘で産まれて来てしまったのか。

どうせこのあとも親が決めた大学に行き親が決めたところに就職して親が決めた結婚で家に縛られて生きていくのか。

(あーーーこのままどっかに行こうかな。誰にも見つからないところに。そこで自由に生きてみたい。)

鞄を持って外に出る。学校から英会話教室までは電車に乗らないと行けない。いつも通り駅に行きホームに立つ。

(電車に乗って遠くまで行こうかな…なんて。)

「あーあ。誰か私を助けてくれないかなぁ」

自分にしか聞こえない声でぼそっと呟く
すると、頭に声が響いた

『いいですよぉ。あなたの望み叶えてあげます♪』

(え?今の、駅の放送?)

電車が来る。電車がホームに入ってくる時の風が異様に強く暖かかった。

(なに!この強い風!!)

思わず目を閉じ、制服のスカートをぎゅっと抑えた。風が収まる。

そっと目を開くとそこには綺麗なお姉さんが立っている。その空間?は真っ白い箱の中のようだった。

『いらっしゃーい!時空の空間へようこそぉ!』

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