何もない俺が異世界転移

響夜

13.王との会話


「なるほど...それは知り合いでありこの国の王である私に話すべき案件だな...。」

ふむ、と首に手をあて下を向き考え込む。

「ワシも色々な国を回ったり、この世界の事についてそこそこは知っているつもりなんじゃが、
 今回の事はあまりにもイレギュラーすぎる。」

国王と英雄が深く考え込むほど俺の存在というものは他では例のない事らしい。

「あの...私はこれからどう生活していけばよろしいでしょうか。」

テジモフさんにはこの世界について多少は教えてもらったがまだまだ知らない事ばかりだ、
この国のトップである国王に助言などを貰い少しでもこれからの行動について決めておいたほうが
いいだろう。

「そうだな、だったr「そうじゃ!」何じゃテジモフ!」

テジモフさんある意味すごい、国王が話しているときに割り込んで話の腰を折った...

「ワシがお前からの依頼で魔物を退治しに行った時の報酬でこの城での滞在時の拠点として
 部屋を貰って負ったじゃろ?その部屋をユーイチ君に譲りたいのじゃがどうじゃ?」

「あぁ、そんなものもあったな...。だが、それではお前の城で滞在するときの拠点が無くなるが
 いいのか?」

「大丈夫じゃよ、最悪お前さんの部屋に忍び込んで寝ればOKじゃしな。」

「お前一回独房に入るか?」

「冗談じゃよw」

「お前が言うと冗談に聞こえないんだが...」

はぁ、、と王はため息をつき俺の方へ振り返った。

「まぁ、話の通りだがずっとというわけではないが住む場所が決まり安定した生活が送れるまで
 この城での生活を許可する。」

「ありがとうございます!」

まさか、お城で生活できるとは思ってもいなかった...。

「それとこれからの君の事をテジモフと二人でしばらく話したいと思うのだが、
 事が事だけに慎重に考えねばならぬので時間がかかりそうだ。
 しばらく城下町でもみてくるといい、その際にお金を多少渡すので服などを揃えて
 くるといい、前の世界の服だと目立つと思うからな。」

「お金なんて貰ってもいいんですか?会ってまだ間もないですし大事な国のお金なのでは?」

会って間もない俺にお金をくれるだって?凄く怪しい感じがするな。

「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ、テジモフには悔しいが色々と恩があるからな
 その時の礼として君に渡そうと思うのだが、テジモフお前もいいだろう?」

「あぁ、ワシももうそんなに多くのお金を必要としないからな。」

「ということだ、受け取ってくれるな?」

「そういう事ならば、お受け取りします。」

「渡すとは言ったが今この場にないんだ、だから今持ってこさせる。
 フーリ宝物庫よりテジモフに渡す用だった1000Gを持ってきてくれないか?」

「畏まりました、ヘラヴィオ様。」

フーリと言われた人は王より頼まれ宝物庫へ向かった。
容姿は綺麗な水色の長髪の女性で、耳をピンと立たせている。

ん、耳?あぁそうだったこの世界には犬耳族や猫耳族という種族がいるんだった。
始めてみるからまじまじと見てしまった。

そうこうしていると。

「ヘラヴィオ様お持ちしました。」

フーリさんが戻ってきたみたいだ、手には手のひらより少し大きいほどの麻袋を持っていた。。

「フーリそれをユーイチ君へ。」

そういうと俺はフーリさんから麻袋を受け取った。

少し重いな、持ち歩いていたらすぐに慣れると思う。

「ユーイチ君これから城下町へ向かうと思うがその前に先ほど話していた、
 部屋の場所などを教えておこうと思う。」

そういえば聞いていなかった、それ以前に白の内部の構造など全然知らない。

「場所の紹介と城下町の案内などをフーリに頼もうと思う。
 引き受けてくれるね?フーリ。」

「王の命令とあれば、どのような事でも。」

フーリさんの王様への忠誠心はすごいな...

「では、早速向かいたいと思います。
 ユーイチ様こちらへ。」

フーリさんは王様達へ一礼した後、俺を扉の方へ誘導して王の間を後にした。








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