転移先での国取り合戦
第二章3話 特訓
  ――次の日の朝
「おいアリア、起きろ。出発するぞ。」
「あ、おはようございます。どこにいくんですか?」
「特訓だ。お前の実力を見てみたいってのもあるがな。」
「わかりました、すぐ準備します。」
  ――2分後
「準備終わりました! さぁ、早く行きましょう!」
「早いなお前。そこはもっと女の子らしくあっていいんじゃないか? ほら、寝癖直したりとか、顔洗ったりとか、服選んだりとかさ……」
「全部しましたよ。私こういうのは得意なんです。」
――得意とかで解決するスピードじゃなかっただろ――
宿の受付まで降りると、すでに店主のおばさんがいた。
「あら二人とも早いのね! あ、代金はそこに置いていってちょうだい。」
  ――ジャラジャラ
背後で変な音がした。振り替えるとアリアが大きな袋の中からお金を出していた。
「ん? なんでそんなに大金持ってんの? まさか盗んでないよな?」
「ああ、これですか。ロベルト様からいただいたんですよ。これからの資金に役立ててくれって……。」
「まじで!? それは嬉しいな。お金の問題も解決というわけか……」
「そんなことより大介さん、早く行きましょうよ! 特訓ですよ、特訓! 久しぶりに弓が撃てるなんて感激ですよ!」
大介とアリアは王都の外に出て、近隣の草原に向かうことにした。草原には野生のモンスターが生息しており、多くの兵士達がここで自身を高めている。
「うおっ、地平線が見えるぜ! 生で見たの初めてかもな。遠くの岩とか木とかって、こんな小さいんだな。」
「大介さんは遠近法というのをご存知ですか? 遠くのものは小さく見えるんです! まぁ、都会暮らしには理解できないでしょうけどね。」
たまに毒舌が挟まってくるのが、辛い。(リーダーである俺をいたわれ!)
「てかロベルトさんはどこまで俺のこと話したんだよ! お前、俺のプライベートまで知るなよ!」
「言われたから仕方がないですよ。別に部屋が汚いこととか、ちょっとオタクっぽいポスターが貼ってあったこととか、知りたくて知ったわけじゃないんですから。」
  ――ロベルトめ、しゃべりすぎだぁぁ!――
意外と王様にも尊敬できない点があることに、今さら気付いたのだった……。
「じゃあ、とりあえず、あの猪でも撃ってみます。」
頭の中でロベルトと闘っていたので、突然言われたことが耳に入ってこなかった。聞き直そうと思って声をかけようとしたところで、 アリア既に矢を放っていた。
その矢はまっすぐ飛んでいき、空間を刺すような勢いで猪めがけて突っ込んだ……。
定規のような直線を描くその矢はロベルトの目を連想させる。
  ――ブスッ!! 
「お見事!」 と言って盛り上がる場面だが、アリアが放った矢は、猪とはかけ離れた地面をえぐっていた。
「外すんかい!」
と、心の中でそう思った。あくまで心の中である。口に出さなかったのは、アリアの毒舌に心を痛めるのを恐れたのではない。文字通り、矢が地面をえぐっていたからだ。
まるで、月の表面に多く存在する、あのクレーターのように……。
「えへへ、外しちゃった!」
前言撤回! やっぱり外してない。矢そのものはありえないぐらい外しているが、その凄まじい衝撃波と風圧による範囲攻撃で、猪は完全に逝っている……。
な〜にが、『筋はなかなかだ』だよ! ロベルトの野郎、また騙したな。
でもアリアの強さが分かった。推薦された理由も……。
かなり広い草原に、少し広い盆地が出現した1日だった。
「おいアリア、起きろ。出発するぞ。」
「あ、おはようございます。どこにいくんですか?」
「特訓だ。お前の実力を見てみたいってのもあるがな。」
「わかりました、すぐ準備します。」
  ――2分後
「準備終わりました! さぁ、早く行きましょう!」
「早いなお前。そこはもっと女の子らしくあっていいんじゃないか? ほら、寝癖直したりとか、顔洗ったりとか、服選んだりとかさ……」
「全部しましたよ。私こういうのは得意なんです。」
――得意とかで解決するスピードじゃなかっただろ――
宿の受付まで降りると、すでに店主のおばさんがいた。
「あら二人とも早いのね! あ、代金はそこに置いていってちょうだい。」
  ――ジャラジャラ
背後で変な音がした。振り替えるとアリアが大きな袋の中からお金を出していた。
「ん? なんでそんなに大金持ってんの? まさか盗んでないよな?」
「ああ、これですか。ロベルト様からいただいたんですよ。これからの資金に役立ててくれって……。」
「まじで!? それは嬉しいな。お金の問題も解決というわけか……」
「そんなことより大介さん、早く行きましょうよ! 特訓ですよ、特訓! 久しぶりに弓が撃てるなんて感激ですよ!」
大介とアリアは王都の外に出て、近隣の草原に向かうことにした。草原には野生のモンスターが生息しており、多くの兵士達がここで自身を高めている。
「うおっ、地平線が見えるぜ! 生で見たの初めてかもな。遠くの岩とか木とかって、こんな小さいんだな。」
「大介さんは遠近法というのをご存知ですか? 遠くのものは小さく見えるんです! まぁ、都会暮らしには理解できないでしょうけどね。」
たまに毒舌が挟まってくるのが、辛い。(リーダーである俺をいたわれ!)
「てかロベルトさんはどこまで俺のこと話したんだよ! お前、俺のプライベートまで知るなよ!」
「言われたから仕方がないですよ。別に部屋が汚いこととか、ちょっとオタクっぽいポスターが貼ってあったこととか、知りたくて知ったわけじゃないんですから。」
  ――ロベルトめ、しゃべりすぎだぁぁ!――
意外と王様にも尊敬できない点があることに、今さら気付いたのだった……。
「じゃあ、とりあえず、あの猪でも撃ってみます。」
頭の中でロベルトと闘っていたので、突然言われたことが耳に入ってこなかった。聞き直そうと思って声をかけようとしたところで、 アリア既に矢を放っていた。
その矢はまっすぐ飛んでいき、空間を刺すような勢いで猪めがけて突っ込んだ……。
定規のような直線を描くその矢はロベルトの目を連想させる。
  ――ブスッ!! 
「お見事!」 と言って盛り上がる場面だが、アリアが放った矢は、猪とはかけ離れた地面をえぐっていた。
「外すんかい!」
と、心の中でそう思った。あくまで心の中である。口に出さなかったのは、アリアの毒舌に心を痛めるのを恐れたのではない。文字通り、矢が地面をえぐっていたからだ。
まるで、月の表面に多く存在する、あのクレーターのように……。
「えへへ、外しちゃった!」
前言撤回! やっぱり外してない。矢そのものはありえないぐらい外しているが、その凄まじい衝撃波と風圧による範囲攻撃で、猪は完全に逝っている……。
な〜にが、『筋はなかなかだ』だよ! ロベルトの野郎、また騙したな。
でもアリアの強さが分かった。推薦された理由も……。
かなり広い草原に、少し広い盆地が出現した1日だった。
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