転移先での国取り合戦

てんとう虫

第一章7話 魔法習得

「ホーキ村が襲撃されただと! 今の状況はどうなっている?」 

ロベルトでさえも動揺を隠せない様子だ。

「現在ソルジャー部隊を送っているのですが…………もう間に合わないかと……。」

  ――ラキュラだと!――

「なぜだ……。他国の軍が侵入すれば通報されるはずだ。」

「それが……襲撃してきたのはラキュラという者ただ一人だそうです。そのせいで警備の者も見落としがあったのだと思われます。」

「霊の国め、今まで息を潜めていたと思ったら、こういうことだったのか……。」

「おい、ちょっと待ってください! 俺は昨日その村でラキュラと話しましたよ!」

「なぜ気づかなかったのだ!」

ロベルトは少し焦っているようだ。まぁ無理もない……。予想外の事態が起きたとき、人は誰でも混乱する。

「だって完全に村人でしたから。」

ロベルトは黙りこんだ……。何か打開策を考えているのだろう。

「よし、いいこと思い付いた。 大介! お前の最初の任務だ。ラキュラを倒してこい!」

――いきなり無茶振りでたぁぁぁ!

「俺まだ戦闘経験0なんですけど……」

「だからこその任務だ。 今ラキュラを倒せばその功績はかなり大きい。いきなり2級ソルジャーも夢ではないぞ。」

「なるほどなぁ、でも死んだら元も子もないですよ。せめて装備とか強い武器とかくれません?」

「そんなものはないが、魔法を一つ教えてやろう。それは攻撃魔法フレイムだ。」

「おぉ、ついに俺も魔法が使えるのか! よっしゃぁぁぁ!」

「フレイムは火属性の攻撃魔法だ。下級魔法だが消費魔力が少ないため実用性は抜群だろう。そして、何度も使い続ければ上位互換にパワーアップするぞ。」

「ありがとうございます。じゃあ、さっさと倒してきますよ!」

「よろしく頼んだぞ! あ、武器ぐらいは買っていけよ。」

こうして大介はホーキ村に戻ることになった。





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