転移先での国取り合戦
第一章6話 襲撃
  ――次の日 ――
大介は宿で朝食を済ませ、王城に向かっていた。道中でいろいろと誘惑が襲ってきたが、自分の心に勝って一切の寄り道をせずに到着した。
「――そこまでだ、貴様は何者だ!」
門番がいたにもかかわらず、門を勝手にくぐろうとしたため、かなり怪しまれたようだ。門番は決していい体格ではないが、強そうな覇気をまとった風貌だった。
「国王ロベルトさんに直接呼ばれた者です。決して怪しい者ではありませんよ〜。」
「その真面目そうな顔の裏に隠されたチャラい感じ……もしやあなたが大介さんですか! ご無礼をお許し下さい。私の名前はシュルツです。 職業は2級ソルジャーです。以後お見知りおきを……。さぁどうぞ。王座の間まで案内します。」
「俺は一体どんな覚え方をされているんだ……」
案内に従い、大きな階段を登っているとき、シュルツが心配そうに話しかけてきた。
「ちなみに、大介さんは体力に自信がありますか?」
「なんだその質問……?」
「いえ、それが……実は王座の間まで結構長いんですよ。30分程度階段を登り続けることを覚悟しておいてください。」
「えぇ? 30分? またまたぁ(笑)………………冗談だろ?」
そこからはの時間はまさに地獄だった……。上まで登ってきたと思ったら今度は下りの階段を通り、地下深くからまた登り……。医者はそんなに走ったりしないから、到着したときにはボロ雑巾そのものだった。
――だれだこんなルート考えた奴!――
「ここから先は俺が入ることはできません。頑張って下さい。」
そういってシュルツは持ち場に戻って行った。
王座の間に入ると、ロベルトが座って待ちくたびれていた。
「おお大介久しぶりだな、と言いたいところだが遅すぎるぞ! 今までどこで何してた!」
「王城で階段を登り降りしてましたよ!」
最初はタメ口だった大介だが、ロベルトが王様だという事実を知ってからちょっと敬語を使うようになった。
「階段だけで1日半かかる奴がどこにおるか!」
「ホーキ村から歩いて来て、酒場で情報収集もしましたよ!」
「ホーキ村だと? 私はこの王都ロベルハイムに転移させるように頼んだはずだが……まさかルナめ、失敗したのか。」
そのとき、一瞬ルナが空から「うるさいわよ!」と言った気がしたが、気のせいということにしておこう……。
「すまない、私の勘違いだった。ここまでご苦労だった。」
「そんなことより、俺がこの国を統一するまでの予定はどうなっているんですか?」
「分かった、少し長くなるが話そう……。」
ロベルトは顔色を換えて真剣な表情で語り始めた。
「まずお前の職業は何になった? コマンダーか? ウィザードか?」
「実はどっちでもなくてソルジャーです。まぁ、ルナに一方的に押し付けられたんですが……。」
「またあいつか……。完全に問題児だな。だが過ぎたことだ。ではまずお前には1級ソルジャーを目指してもらう。」
「1級? その階級制度について教えてください。」
「いいだろう。どの職業にも階級が存在し、1級、2級、3級の3種類がある。さらに、1級より優れた者は特級に昇格できる。だが特級の人物はほんの一握りしかいない。ちなみにお前は3級だ。そして、戦争で功績をあげれば進級できる。そういう制度になっている。」
「――急報!!!」
突然ドアが開き、連絡係が青ざめた顔で飛び込んできた。
こいつもあの長い階段を登って来たのだと思うと笑いがこみ上げてくる。顔が青ざめている理由は急報の内容がヤバいからではなく、全速力で階段を駆け抜けたからなのかもしれない。めっちゃ息上がってるし……。
「何事だ!」
「王都郊外にあるホーキ村が、霊の国によって襲撃された模様です! 主犯はラキュラという者だそうです!」
「ラキュラ、だと……!?」
俺の中で混乱の渦が巻き起こった。
大介は宿で朝食を済ませ、王城に向かっていた。道中でいろいろと誘惑が襲ってきたが、自分の心に勝って一切の寄り道をせずに到着した。
「――そこまでだ、貴様は何者だ!」
門番がいたにもかかわらず、門を勝手にくぐろうとしたため、かなり怪しまれたようだ。門番は決していい体格ではないが、強そうな覇気をまとった風貌だった。
「国王ロベルトさんに直接呼ばれた者です。決して怪しい者ではありませんよ〜。」
「その真面目そうな顔の裏に隠されたチャラい感じ……もしやあなたが大介さんですか! ご無礼をお許し下さい。私の名前はシュルツです。 職業は2級ソルジャーです。以後お見知りおきを……。さぁどうぞ。王座の間まで案内します。」
「俺は一体どんな覚え方をされているんだ……」
案内に従い、大きな階段を登っているとき、シュルツが心配そうに話しかけてきた。
「ちなみに、大介さんは体力に自信がありますか?」
「なんだその質問……?」
「いえ、それが……実は王座の間まで結構長いんですよ。30分程度階段を登り続けることを覚悟しておいてください。」
「えぇ? 30分? またまたぁ(笑)………………冗談だろ?」
そこからはの時間はまさに地獄だった……。上まで登ってきたと思ったら今度は下りの階段を通り、地下深くからまた登り……。医者はそんなに走ったりしないから、到着したときにはボロ雑巾そのものだった。
――だれだこんなルート考えた奴!――
「ここから先は俺が入ることはできません。頑張って下さい。」
そういってシュルツは持ち場に戻って行った。
王座の間に入ると、ロベルトが座って待ちくたびれていた。
「おお大介久しぶりだな、と言いたいところだが遅すぎるぞ! 今までどこで何してた!」
「王城で階段を登り降りしてましたよ!」
最初はタメ口だった大介だが、ロベルトが王様だという事実を知ってからちょっと敬語を使うようになった。
「階段だけで1日半かかる奴がどこにおるか!」
「ホーキ村から歩いて来て、酒場で情報収集もしましたよ!」
「ホーキ村だと? 私はこの王都ロベルハイムに転移させるように頼んだはずだが……まさかルナめ、失敗したのか。」
そのとき、一瞬ルナが空から「うるさいわよ!」と言った気がしたが、気のせいということにしておこう……。
「すまない、私の勘違いだった。ここまでご苦労だった。」
「そんなことより、俺がこの国を統一するまでの予定はどうなっているんですか?」
「分かった、少し長くなるが話そう……。」
ロベルトは顔色を換えて真剣な表情で語り始めた。
「まずお前の職業は何になった? コマンダーか? ウィザードか?」
「実はどっちでもなくてソルジャーです。まぁ、ルナに一方的に押し付けられたんですが……。」
「またあいつか……。完全に問題児だな。だが過ぎたことだ。ではまずお前には1級ソルジャーを目指してもらう。」
「1級? その階級制度について教えてください。」
「いいだろう。どの職業にも階級が存在し、1級、2級、3級の3種類がある。さらに、1級より優れた者は特級に昇格できる。だが特級の人物はほんの一握りしかいない。ちなみにお前は3級だ。そして、戦争で功績をあげれば進級できる。そういう制度になっている。」
「――急報!!!」
突然ドアが開き、連絡係が青ざめた顔で飛び込んできた。
こいつもあの長い階段を登って来たのだと思うと笑いがこみ上げてくる。顔が青ざめている理由は急報の内容がヤバいからではなく、全速力で階段を駆け抜けたからなのかもしれない。めっちゃ息上がってるし……。
「何事だ!」
「王都郊外にあるホーキ村が、霊の国によって襲撃された模様です! 主犯はラキュラという者だそうです!」
「ラキュラ、だと……!?」
俺の中で混乱の渦が巻き起こった。
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