転移先での国取り合戦
第一章3話 職業選択
「じゃあ大介、今から挙げる職業を選びなさい!」
      ――――――――――――
―― まず一つ目はソルジャーよ。まぁつまり兵士ってこと。全体的に平均のステータスで始まるんだけど、レベルに応じて強くなったり、下位魔法を覚えたりするわ。初心者向けね。――
――  次にコマンダー。兵士を束ねて指示を出す指揮官だから、基本的に剣を振ることは無いわ。頭のいいあなたには向いているかもね。――
―― そしてウィザード。補助魔法や攻撃魔法、を使いこなし、修行を積めば上位魔法も使えるようになるわ。――
―― 最後にアーチャー。遠距離攻撃のスペシャリスト! 後方支援ばかりだから、怪我の心配が少ない職業よ。――
「ちなみにどの職業も上位互換があるから、レベルを上げてみるといいわ。」
ルナは早口で淡々と語り、一回も噛まなかったのでキメ顔をしていた。
「え、終わり? 少なくない?」
さすがに4つは少ない。せめて倍の8つは選択肢があってもいいのでは……。
「うるさいなぁ。他にもいろいろあるけど、人間がなれる職業はこれぐらいしか無いの! 自分が人間だったことを恨みなさい、バカ……」
  ―― 最低な神様だな…… ――
「聞こえてるわよ……」
「別になんも言ってねぇよ!」
「はいはい、で、どれにするの?」
「まぁ、ここは無難にコマンダーかな。俺に向いてるっぽいし……」
その瞬間、ルナの目付きが変わった。
「はぁ? な〜にが『無難に』よ! かけだしのあんたがコマンダー? 笑わせないでよ! アハハハハハハハッッ、腹筋いた〜い。」
「いや、ルナが向いてるって言ったんだろ。」
俺は呆れながら言った。
「あんた本気で信じてたの? あんなのお世辞よ! お・世・辞・! アハハハハ――」
  ――非常にうぜぇ――
「いい? 大介。あなたはソルジャーしか道が無いの。分かったらとっとと統一してこい!」
「分かったよ。行ってきます。」
いろいろ不満が残っていたが、さっさとこの場を去りたかったので了承した。
「じゃあ行ってらっしゃい! そりゃ〜」
だんだんと意識が薄れていく……。テレポートの魔法をかけられたのだろう。
意識を失う寸前、なぜだか頬の上で涙が走った。悲しいとか辛いとか、そういう感情は微塵も無いのに――。
視界が消え、体の感覚が無くなっても、意識だけはかすかに残っていた……。 
今にも意識がとびそうな眠りと覚醒の僅かな隙間で、体内時計や思考が止まっても、涙は絶えず流れていた……。
 ――なんで俺は泣いているんだ――
  
      ――――――――――――
―― まず一つ目はソルジャーよ。まぁつまり兵士ってこと。全体的に平均のステータスで始まるんだけど、レベルに応じて強くなったり、下位魔法を覚えたりするわ。初心者向けね。――
――  次にコマンダー。兵士を束ねて指示を出す指揮官だから、基本的に剣を振ることは無いわ。頭のいいあなたには向いているかもね。――
―― そしてウィザード。補助魔法や攻撃魔法、を使いこなし、修行を積めば上位魔法も使えるようになるわ。――
―― 最後にアーチャー。遠距離攻撃のスペシャリスト! 後方支援ばかりだから、怪我の心配が少ない職業よ。――
「ちなみにどの職業も上位互換があるから、レベルを上げてみるといいわ。」
ルナは早口で淡々と語り、一回も噛まなかったのでキメ顔をしていた。
「え、終わり? 少なくない?」
さすがに4つは少ない。せめて倍の8つは選択肢があってもいいのでは……。
「うるさいなぁ。他にもいろいろあるけど、人間がなれる職業はこれぐらいしか無いの! 自分が人間だったことを恨みなさい、バカ……」
  ―― 最低な神様だな…… ――
「聞こえてるわよ……」
「別になんも言ってねぇよ!」
「はいはい、で、どれにするの?」
「まぁ、ここは無難にコマンダーかな。俺に向いてるっぽいし……」
その瞬間、ルナの目付きが変わった。
「はぁ? な〜にが『無難に』よ! かけだしのあんたがコマンダー? 笑わせないでよ! アハハハハハハハッッ、腹筋いた〜い。」
「いや、ルナが向いてるって言ったんだろ。」
俺は呆れながら言った。
「あんた本気で信じてたの? あんなのお世辞よ! お・世・辞・! アハハハハ――」
  ――非常にうぜぇ――
「いい? 大介。あなたはソルジャーしか道が無いの。分かったらとっとと統一してこい!」
「分かったよ。行ってきます。」
いろいろ不満が残っていたが、さっさとこの場を去りたかったので了承した。
「じゃあ行ってらっしゃい! そりゃ〜」
だんだんと意識が薄れていく……。テレポートの魔法をかけられたのだろう。
意識を失う寸前、なぜだか頬の上で涙が走った。悲しいとか辛いとか、そういう感情は微塵も無いのに――。
視界が消え、体の感覚が無くなっても、意識だけはかすかに残っていた……。 
今にも意識がとびそうな眠りと覚醒の僅かな隙間で、体内時計や思考が止まっても、涙は絶えず流れていた……。
 ――なんで俺は泣いているんだ――
  
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