ゼロからは始めないチーター生活

チャカギ高木

9話 光る謎の本

脳内での誰かの声の響きはなんだったのか…
果たして疲れが原因なのか…

…否。
そんなはずはなかった。

「ところでメル、さっき使ってたスキルってのは一体なんだ?」

「え?もしかしてスキルは初見?旅ばっかりしててなにも知らないのね〜。
スキルって言うのは、さっきみたいに他の言語が読めちゃったりする『パーフェクトセンテンス』みたいに日常で便利なものとか、後は攻撃系のアクティブスキルなんかがあったりするの。」

「そ、そうなんだよね〜、ずっと旅してたからそこら辺が疎かになってるんだよね〜、
あはは、は。」

旅人だから知らないなんて普通は絶対通らないがメルはちょっと天然なのかな?
(ついでに言っておくと旅人と言う設定を忘れていた…)

いや〜ここの世界にはスキルがあったか〜
俺も早くスキルを習得したいぜ……………はっ!
そう言えばさっき脳内に響いた言葉確か…
スキルなんちゃら取得って言ってた気がするぞ

って事は俺がスキルを取得するとあーやって脳内に流れるのか…
なんのスキルかは知らんが俺もこの世界でスキルを取得できたって事は使えるって事だ!
めちゃめちゃ嬉しい!
異世界でみんな使えるのに俺だけ使えないと言う最悪の事態は免れたようだ。

「ところでこの『ヒカリニミチビカレシヒトココニテチカラヲヤドス』ってのはなんなのかしら。」

「俺にもよく分からないな〜。」

全部カタカナかよ…
…っておい!なんか俺さっきまで読めなかったのに読めてるぞ!
何語かすら分からなかったのにちゃんと読めてる…
って事は俺が取得したスキルってのは『パーフェクトセンテンス』だったのか。
しかしスキルと言うものは見ただけでこうも簡単に取得してしまうものなのか…
もしかしたら俺だけができる固有スキルとかだったりしてな……。

「そう言えばこの文俺も読めるようになったんだけどもしかして『パーフェクトセンテンス』取得してたりしてるのかな〜?」

(一応聞いてみることにする)

「いや、そんなはずはないと思うよ。
だってスキルって言うのは取得するのに結構時間がかかるのよ?
上級魔法を取得するには物によっては何年もかかるしそれなりのレベルが必要なんだから。
そんな一瞬でなんて無理よ。」

「知らないよそんなの〜
旅人なんだからさ〜。
俺が天才なんだと思うよ!」

「それはないと思う。」

「いやなんでだよ……」

「まーとりあえず私もこの本は初見だしもしかしたらお父様なら知ってるかも知れないから聞きに行こう!」

「よし!行こう!」

(それにしてもよく書斎にこもってるメルでも見たことないなんてなんか不思議だな〜)






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