【旧版】諦めていた人生の続きで私は幸せを掴む

弓削鈴音

66話: 精霊の会議

 石造りの会議場。
 段状の座席を埋め尽くすのは、全て気ままな精霊なのだから、壮観だ。

『……緊張?』

 無言で辺りを見渡していたからか、隣にいるアスクがそうからかってくる。

 涼しい顔で、私と共に会議場の前にあるステージの上の司会席のような席に腰掛ける彼は、まだ呪いが完治していない。それなのに、今ここにいてくれている。
 私は手の中のマグカップを目の前の机に戻して、アスクに返答をした。

『緊張なんてすると思う?』

『したとしても表に出さないだろ。だから付いてきてるんだ』

『そんなこと言われたら、緊張してるって言えないじゃんか』

 なんていっても、実際緊張はしていないから、別に問題はないのだけれど。



 やっと来た、会議の日。
 今回の会議の名称は、"臨時会議"になった。五年ごとに行われる定例会議と区別するためだ。

 天災の精霊である私、獣の精霊であるイラトアとの連名で招集をかけたため、中位精霊以上の全精霊のほとんどがここに集まっている。
 会議場を埋め尽くす彼らの手元にあるのは、一冊の薄い冊子だ。付与魔法を使って、私が合図をするまで開けられないようになっている。


 ユークライの怪我への責任を巡るあの騒動の後、私達は一度集まって話し合い、あれに関することはひとまず口に出さない、ということで決着した。
 アスクとナツミは不満げな様子だったが、ターフに諭されて、ひとまず我慢することにしてくれたらしい。

 ちなみに当のユークライは今、光の王のところにいる。
 私が眠ってしまっていた間に出発したらしく、書き置きで"行ってきます"とだけ言われた。

 元気なのかぁ、なんて思っていたら、アスクが『そういえば』と口を開く。

『あんたは何話すんだっけ?』

『……あのことについての説明。結局、私からになっちゃったなぁ』

 裏付けを取ったのが私だったから、本人からの説明がいいだろう、ということになったのだ。

『あぁ。……裏切り者のことか』

 声のトーンを下げて、アスクが告げる。
 今も悪魔の呪いに侵されている彼は、目を眇めて眼前に広がる精霊達を見渡した。

『若い世代はいいかもしれないが、年を食った辺りは荒れるだろうな』

『第四からの生き残りには伝えてあるけど、その間の世代かなぁ』

 はぁ、と息を吐くと、ちょうど近くを歩いていた中位精霊がビクッと肩を震わせる。
 それに対してひらひらと手を振って、もう一度溜め息をついた。

『あー、めんどくさい』

『わか───。そういえば、人間界はどうなんですか?』

『あれ、アスク君?』

『アイカ様、貴重な時間は無駄にすべきじゃありませんよ。俺が言うまでもないですが』

 突然仕事モードに切り替えたアスクの視線の先を辿ると、そこには笑顔のナツミがいた。
 私と目が合うと、にっこりと一礼してくれる。が、再び上がった彼女の視線は険しくアスクを貫いていた。
 なるほど。納得だ。

『んーと、人間界では悪魔に協力している疑いがある組織に関する調査を進めてるかな』

『禁術関連のあの・・国王は?』

『王太子に護衛の中位精霊を付けたのが四日前。急いで帰るって言ってたから、もうそろそろ着くんじゃないかな? いい感じに王位を奪えればいいんだけどね』

『"シェインズ"でしたっけ。正直、上手く行くとは思えませんが。人間相手だけならまだしも……』

 言葉を切った彼の言葉が聞こえる気がした。『悪魔をどうこうできるんですかね』だろうか。私自身も考えていたことだ。

『同感。この会議が終わったら、何名か私達の中から送り込む予定だよ』

『了解です』

 そこで会話を切り上げると、アスクは会場内を歩き回る精霊を掴まえに歩いて行く。何か尋ねたいみたいだ。

 それを傍目に見ながら、私は座っていた椅子に深くもたれかかった。疲労というものが存在しない身体とはいえ、連日ずっと頭を使っていたからか、精神的にかなり来てしまっているよう。
 少し目を閉じると、強張った四肢から力が抜けていく。

『……ん?』

 不意に、敵対的な視線を感じて顔を上げた。
 私の位置から遠くにいる精霊達の顔は、小さなゴマ粒のようで見えにくい。それでも、魔力感知を併用して見るとすぐにわかった。

 見たことのない何名かの精霊が、ヒソヒソと会話をしながら私を睨んでいる。いや、周りは聞いているだけで、実際に話しているのは二名だけか。

『結構若い……』

『気付いたのか』

『あ、ヴェルス。おつかれ。どうした?』

『いや、一応挨拶しとこうかと思ってな。───あいつら、知ってるか?』

 私が首を横に振ると、ヴェルスは手に持っていた書類を机の上に置いて話し始めた。

 ユークライに言われたこともあり、一旦保留ということになっているから、若干ぎこちないものの、周りの精霊に勘づかれないよう普通に会話する。

『前に話しただろ? 法の改正を求めて暴動を起こした連中がいる、って。それの中心があいつらだ。左に座っているのが楽器を司るハラト、右が喜悦を司るライラ』

『へぇ』

 特に興味もないので適当な返事をすると、ヴェルスが呆れたように溜め息をつく。

『一応覚えとけ。あいつら、俺達は排除されるべきだと思ってるらしいぞ』

『それはまた物騒な』

『"革命派"を名乗ってる。会議中に何か言ってくるかもしれないから、気をつけろよ』

『……はーい』

 適当な私の様子に肩をすくめると、ヴェルスは自分の席へ歩いて行った。
 今回の会議の準備にも関わっている彼の席は、前の方にある。本人曰く、"私がキレたらすぐ止められる席"らしい。理不尽な。

『あ、ヴェルスさんいたんだ』

 いつの間にか戻ってきたアスクが、ナツミが会議場にいないから、砕けた口調でそう言ってくる。

『うん。何か伝えたいことあった?』

『特には。……いや、あるか。俺んとこの上司がキレたらよろしくお願いします、って』

『ちょっと?』

 あの日のことが嘘のように冗談を言うアスク。

『あはは。あっ、そういえばもう出席者が揃ったらしい。パルエラ、準備できてるか?』

 良いように話を逸らされてしまいアスクを睨むが、どこ吹く風といった様子で、彼は司会席に座っているパルエラに声をかける。

 パルエラは噴火の精霊で、私の部下。
 赤銅の髪と瞳。褐色の肌に描かれた文様がエキゾチックな彼女は、見た目は二十代前半ほど。新参ではあるものの、前回の対悪魔戦を生き延びた猛者だ。

『はい、いつでも開始して大丈夫です』

 天災一派の中ではそこそこの常識人であり沸点が高めの彼女が、今日の司会を務める。他の面々に任せたら、変なことを言わないか気が気でないから。

『……じゃあ始めよっか』

 いい加減始めないと、勝手に帰る精霊が出てもおかしくない時間だ。
 それを察したのか、パルエラは頷いて、拡声用の魔法具に魔力を込める。

『あ、あ……。間もなく臨時会議を開始します。自分の席に着席して下さい。その際、一人冊子があることを確認して下さい』

 緩い敬語で訥々と告げられたアナウンスに、会議場はさっきまでとは別種のざわめきに包まれる。

 数十秒後、係員を除いた全員が座ってから、パルエラは続けた。

『では、これより臨時会議を開始します。今回の会議は、天災の精霊、獣の精霊の連名により招集された会議になります。議題は、きたる第六次対悪魔戦についてです』

 "悪魔"という単語が出た瞬間、このホール全体が緊張に包まれる。

『それでは初めに、戦術の精霊からのお話です』

 オコトさんが立ち上がり、まずその場で一礼する。その隣で鷹揚に腕を組んでいるのは、イラトア。
 イラトアに戦法の説明をさせるのは不可能だというのは、話し合うまでもなく合意したので、今回はオコトさんが前で話すことになった。

『失礼致します。わたくしの方からは、実際の対悪魔戦における戦術についての説明をさせて頂きます。まず、資料の二頁目を開いて下さい───』

 彼女の言葉に合わせながら、冊子にかけてある付与魔法を順々に解除していく。

 オコトさんが話した内容は、簡単な説明だけだ。

 人間界における配置、精霊界における守備。
 物資を受け取れる時期と場所。
 予想される敵戦力と戦い方、など。

 専門知識に疎い精霊でもわかるように、かなり浅いところだけの説明ではあるが、共通認識を持っているか持っていないかは割と重要だ。

 元々、重要な役割を担う精霊には説明しておいたこともあって、順調に説明は消化されていく。
 途中に質問も挟みながら、無事に説明は終わり、その後の意見交換も特に事件はなく終了した。

『───では、以上とさせて頂きます。ご意見ご質問等ありましたら、後ほど個別にいらして下さい。ご清聴ありがとうございました』

 さて、次は私の番だ。

 大きく息を吸って、吐く。それを三回繰り返す。
 冷たい空気が気管を通って肺を満たすのを感じると、少し気分が落ち着いてきた。

 これは、別に緊張をほぐすためではない。
 今にも暴れ出しそうな怒りを抑えるためだ。

『続いては、天災の精霊からのお話です』

 席を立ち一礼する。

 椅子を閉まって歩き出した時、さっきも感じた攻撃的な視線を感じた。
 見れば、あの二人組が私を睨んでいるようだ。

 内心首を傾げながら、演台に上がり魔法具の確認をする。魔法陣に特に異常は見つからなかったので、そのまま話を始めようとして───

(アイカ、アイカ…!!)

 あの子の声が聞こえたような気がした。
 けれど、そんなはずない。まだあの子は眠っているはずだし、何より起きていたとしても精霊界にいる私まで念話を飛ばすことはできないのだ。

 集中しろ、と自分に言い聞かせる。
 一度息を深く吸って吐き出し、やっと口を開いた。

『…………我々精霊は、誕生の時、三千年前から、悪魔と戦ってきました。多くの同胞が命を落とし、残された我々は深い悲しみと鋭い痛みに耐えなくてはいけませんでした。その苦しみは、今なお癒えることなく、我々を襲っています』

 次々に、お喋りに興じていた精霊達が口を噤む。

『我々から大切な存在を奪っていた悪魔を、到底許すことはできません。許そうとしたことも、歩み寄ったこともありました。ですが、我々の仲間は容赦なく奪われ、彼らの死を悼む間もなく、新たな戦いに身を投じなくてはなりませんでした』

 話し声に満たされていた会議場は、すっかり静まり返っていた。

『それを無くすためには、我々が一致団結するしかありません。そうして敵を……悪魔を殺していくしかありません。ですが』

 言葉を切る。

『……非常に残念で、やるせなくて、悲しくて、やりきれなくて、憤懣やるかたないことに』

 ふと視線を上げると、私の方を見る精霊達と目が合った。
 視線を滑らせるようにしていると、強張った顔の二組の男女と視線が交わる。確か、ハラトとアレインだ。

 なんでだろう、と疑問に思いながらも、口は淡々と言葉を吐き出した。

 忸怩たる、屈辱的で、腸が煮えくり返るような、あの事実を。

『私達精霊の中に、悪魔と通じている者がいます』

 静寂に支配された会議場に、私の震える声が反響する。

 一拍。
 私の言ったことを咀嚼するように、精霊達は隣の者と顔を見合わせたりした。

 二拍。
 信じられないと言いたげに、首を振る。

 三拍。
 堪えきれないというように、戸惑いを浮かべた精霊達が次々に手を上げた。

『……どういう、ことですか?』

 パルエラに指名された精霊が、わからないといったように疑問を口にする。

『精霊と悪魔は相容れない存在です。それは私自身、体感したことがあります。……悪魔と通じるなんて、ありえないんじゃないですか?』

『……私もそう思った。でも、裏切り者は本当に存在する。その現場を目撃した者も、証拠も見つかっている』

 質問をした精霊が座り込んだ瞬間、様々な声が弾ける。
 戸惑いが怒りや恐怖に変わった瞬間だった。

『信じられるか?』『悪魔と直接会ったってこと?』『信じられない、そんなのありえないだろ』『怖い、どういうこと?』

 声が溢れる中、私は静かに瞠目した。
 傍から見れば、何かを考え込んでいるように見えるだろう。しかし実際は、魔力感知の感度を上げて、私の発言に違う反応を示した者を探していた。

 ……しばらく探したが、さっきの発言に対して焦りを持ったり、逆に冷静すぎた精霊はいないようだ。おそらく、この場に裏切り者はいないのだろう。

 色情の精霊は、この場には来ていない。

『……静かに』

 目を開けてそう告げると、会場は水を打ったように静かになる。

『私だって信じたくなかった。それくらいこれは突拍子もなくて、恐ろしくて、有り得ないことだけれど……紛れもない、事実です』

 石造りの会議場からは音が消えてしまい、まるで時が止まったような印象を与えた。わずかに聞こえる衣擦れや息遣いだけが、わずかに時間が進んでいることを主張している。

 その静寂を破ったのは───全く聞いたことの無い声だった。

『……皆さん、信じるんですか?』

 突然の問いかけに、皆の視線がその声の主に集まる。

『僕は楽器を司る精霊、ハラトです』

 彼はそう言って優雅に一礼すると、自身の身体を浮上させていった。
 さっきまでの怒りが霧散し、今度は彼に対する好奇心へと変わる。

 精霊は気ままな存在だ。その長い生もあって、面白いことを好む。
 だから意識がそちらに吸い寄せられるのも、理解できない話ではなかった。

『僕は皆さんに尋ねたい。そのご老体の言葉を、どこまで信じるのか、と』

 彼の言葉に、会場後方で待機していたナツミがむっとした表情を浮かべる。よく見ると、手がかすかに動いてレイピアを掴もうとしていたようだ。
 まだ爆発はしないと思うが、念のため。

『アスク、ナツミが』

『わかってる』

 風魔法を使ってアスクだけに聞こえるように囁くと、彼は小さく首肯して、頬杖をつく。
 どうやら、腕輪が魔法具のようで、そこに何か話しかけていた。遠くに見えるナツミが不承不承といった顔を浮かべたから、説得に成功したのだろう。

 内心胸を撫で下ろして、再びハラトの方を見ると、いつの間にか演説の焦点は変わっていたようだった。

『───そもそも、先程天災の精霊が言った"悪魔との内通者"の存在も、疑わしいものです』

『……は?』

 拡声用の魔法具に流している魔力を切っておいてよかった、と思う。

 一体何を言っているんだ、こいつは。

『さらに大前提として、悪魔という存在がありますが……悪魔は、果たして彼女らの言う邪悪な存在なのでしょうか?』

 うわ、ダメだこれ。
 若い世代があまり育っていないとは聞いていたけれど、ここまでとは。

『悪魔、悪魔と老いた世代は事あるごとに言いますが、若い精霊に問います。あなたは悪魔に会ったことがありますか?』

 ないでしょうね、と頷く精霊達を見ながら毒づく。

 だって私達が苦心して、魔界と人間界の間を塞いでいたからね。仮に出てきたとしても、手練がすぐに殺すか捕らえるようにしているし。

『……今捕まえてる悪魔でも連れてこようか?』

『アスクさん、それは駄目だと推測されますが』

 アスクは青筋を浮かべ、それを宥めるパルエラも冷めた目をしている。
 軽く振り向けば、他の面々も同じような感じ。天災一派は、全員頭に来ちゃっているみたいだ。

『我々に必要なのは、殺戮ではありません。譲歩なのです。───そのためには、あなた方老いた世代には退場して頂きたい。あなた方の古い考えでは、無駄な犠牲が生まれるだけだ』

 ナツミが今にも飛びかかりそうで、気が気でない。
 あぁ、でもターフが転移して彼女の隣に行ってくれた。これなら一安心だ。

『天災の精霊、アイカ殿。あなたには、東の長を降りて貰う!』

 アスクも……多分、大丈夫だろう。まだ本調子じゃないから、暴れたりしないはず。

『……何か抗弁でもあるんじゃないですか、アイカ殿』

 というかヴェルスはどうなんだろうと見てみると、彼はなぜか私の方を見ていた。
 なんでだろうと首を傾げると、苛立ったような声が鼓膜を叩いてくる。

『抗弁はないんですか、アイカ殿!』

『……うるさいなぁ』

 拡声用の魔法具に魔力は流していなかったものの、無駄に気を回したアスクが風に乗せて声を運んでいた。

『う、うるさい……』

『そう、うるさい。……まずさ、君は誰の許可を得て発言してるの?』

『……そうやって、我々を弾圧するんですか!』

『はいはい、いちいち声を荒らげない。───普通に考えて、誰がいつ、どのタイミングでも発言していい会議って、まともに進むと思うの?』

『ですが、今まで発言してきた精霊は、ほとんどが古株ばかり。老いた世代同士での癒着が───』

『老いぼれとか老体とかさ。色々言うのは勝手だけど……』

 瞬時に転移魔法の魔法陣を描いて、ハラトの目の前に転移する。

『その老人に劣るのは、どこの誰?』

『っ、だ、第二位と第三位の間には、越えられない壁が……』

『だってさ、アスク。どう思う?』

 くるりと振り返って尋ねると、彼はこちらの意図を汲み取ってくれたように返答をくれる。

『少なくとも俺は、あんたとの手合わせで勝ったことがあるし、先代の感情の精霊であるミュービさんより魔法の発動速度は速かった。魔力の質では負けるが、量では星の精霊に勝ってる。……越えられない壁があると思って努力しないから、いつまで経っても勝てないんだ』

 話しながら立ち上がり、アスクはこちらへ歩いて来る。

『んで、なんでしたっけ。この少年が、悪魔に譲歩すべきって言ってたんすよね?』

『そうそう。どう思う? アスクとしては

『そうですね。色々あった・・・・・身からさせてもらうと……』

 そこで言葉を切ると、彼はまず銀縁の丸眼鏡を外した。魔力を封じ込める特殊な能力を持ったそれが身から離れたことで、隠していたとある魔力が溢れ出す。
 近くにいた精霊が、それに気付いて顔を顰めた。

『あぁ、失礼』

 飛び上がって私の隣に並んだ彼は、シャツのボタンを一つ一つ外していく。

『なんですか、あなた。突然服を脱ぎ……えっ』

 ハラトの言葉は途中で飲み込まれ、代わりに驚きと苦しみに歪める。

『……なんだ、これ』

『俺は悪魔に呪いをかけられた。今は軽減されているが、これは今も俺の身体を蝕んでいる。やつらは、同じものを人間にもかけた。……もっと出せるぞ。俺達が悪魔を殺すと言う理由の、その根拠を』

『あ……』

『俺達は、殺したいから殺しているんじゃない。……大切な仲間を奪われたくないから、生きるために殺すんだ』

 アスクの上半身を締め付けるように蠢く、黒い蔦のような痣は、今もそれに苦しめられる彼の言葉も相まって、まだ若い精霊を黙らせるには十分だった。

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