階層ボスだけど暇なんで冒険してもいいですか?

つくつく

17決意しました。

クロ「それはなんの冗談だ?」
フェリド「冗談などではない。もう、手を引けと言っておるのじゃ。」
いきなりのフェリドの言葉に混乱しながらも返す。
クロ「お前にそんなことを言われる筋合いはない!」
フェリド「お主は心が不安定すぎる。不安定なだけならまだ良いのだ!しかし、貴様はどうだ?恐ろしく強いではないか!?そんなお主が“また”失えばどうなるか容易に想像できる!その時に誰がお主を止めることが出来るのじゃ!」
その言葉にクロははっとし、フェリドを見る。
クロ「お、おいフェリド。またってなんだ?」
それにフェリドは、しまったと言うような顔をする。
クロ「何か知ってるんだろ!教えてくれ!」
フェリドは目をそらす。
クロ「おいフェリド!教えてー」
と目をそらすフェリドに追求をしようとした時。
レヴィ「クロ!だめ!」
と、いつからそこにいたのかレヴィが遮った。
レヴィ「クロ。いつか教える。だから今は我慢!」
とレヴィは、両手でグーの形を作った。
ただ、その口ぶりだと。
クロ「お前は知ってるのか?」
それにレヴィは、こくっと頷いた。
どうしてみんな?そんな疑問が頭によぎる。いや、分かっている。フェリドが言ったように、俺に力があるからだ。そして、誰からも信用されてないんだ。
『知りたいか?』
そんな声が聞こえた。辺りを見渡すが、どこから聞こえたのかさっぱり分からない。それどころか、その声の主が見当たらない。
『知りたければ階層を進めろ。その時、貴様は、知ることが出来るだろう』
クロはゆっくりとベットを出ると
フェリド「どこの行くのじゃ」
フェリドを見下ろし
クロ「明日。明日だ。ダンジョンを文字通り攻略する。ついて来たければついてこい。冒険者に伝えろ。」
フェリド「お主正気か?」
クロ「あぁ。」
そう言ってフェリドと視線を交わらせていると
「ほぉ?随分と面白いことを聞いた。」
そう言ってエルザが部屋に入ってくる。
エルザ「先に問う。覚悟はあるのか」
クロ「それは必要か?」
クロに答えにエルザはふっと笑うと
エルザ「よい。興が乗った。私も手を貸してやろう。」
フェリド「勝手は許さぬぞ」
フェリドは、そう言って立ち上がる。
エルザ「貴様には聞いておらん。それに、貴様がなんと言おうが、明日誰も来なくても、こいつは一人で攻略を進めるぞ。黙って冒険者に伝えた方が得策だと思うが?」
フェリドは黙って部屋を出て行った。
それを見送り、エルザも立ち去って行った。
明日ダンジョンを攻略する。



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