階層ボスだけど暇なんで冒険してもいいですか?

つくつく

10見知らぬ少女です

クロ「なぁレヴィ」
どこか疲れた表情で言うクロにレヴィは首を傾げながら
レヴィ「どうしたのクロ?」
と声をかける。それにクロは頭を抑えながら
クロ「なぁ。なんで俺らってすぐ揉め事に巻き込まれるんだ!」
そう言うクロ達は今路地裏で数人の男から囲まれていた。
レヴィは、能天気に棒状のお菓子を食べている。だが、クロの声にはっとすると、辺りを見渡し状況を理解し、こちらをみる。
レヴィ「…もしかしてクロまた悪いことした?」
それに深いため息をつく。
何故こうなったのか。それはこちらが聞きたいぐらいだ。
あれは冒険者ギルドに入ろうとした時だった。
「おい!ちょとこい!」
そう言われ路地裏に連れ込まれた。
「男達が取り囲んでいる中には“3人”いた。
クロとレヴィ。そして、隣にいる原因であろう少女をみる。銀髪のレヴィと同じくらいの身長の少女はこちらの視線に気づいたようで
「何をしている?早くこやつらを倒さぬか」
と不思議そうに第一声を発した。
クロ「おい。助けて欲しいならとりあえず事情を話せ」
それに少女はピクっと眉根が動くと
「勘違いするなよ。妾は助けて欲しいなど一言も言っておらぬ!」
クロ「巻き込んどいてその態度か!」
「おい無視してんじゃねぇ!」
と男達が言ってくる。
クロ「お前何やったんだよ?」
「変わった事は言っておらぬ」
そう言って男達の中心にいるスキンヘッドの男を指差し
「妾は、ただあやつに『お主この暑いなか太陽の反射をご苦労である。褒めてつかわすぞ。その輝きを持ってこれからも街を照らすのじゃぞ』と言っただけじゃ」
クロ「どこからどう見てもお前が悪いだろ!」
それに少女は抗議の目を向ける。
「なんじゃと!妾がせっかく褒めたのじゃぞ!何故妾が文句を言われねばならぬ!」
「おいお話は終わったか?」
とスキンヘッドの男が近づいてくる。
はぁ。めんどくせぇ。もういっそやっちまうか。どちらにせよ。こいつらは俺のー。
「もう、すぐ面倒ごとに巻き込まれるんだから」
その声に男達は後ろを見るとそこには金髪に白い鎧。フレアが立っていた。
それに男の一人がフレアに近づく。
「なんかようか?嬢ちゃん」
そう言って肩に手を置くとフレアはその手を捻り関節技を決める。男がそれに悲鳴をあげる。それが火種となった。男達が一斉に襲いかかる。
それにクロは焦る。こいつらのガタイの良さからそこそこ強い。フレアでは厳しい。
そう思い助けに行こうとすると。手を右隣にいたレヴィに掴まれる。
レヴィ「大丈夫」
とだけ言う。それにフレアに視線を戻すと、フレアは殴ってきた男の攻撃を受け流し、その手首を掴みその勢いを利用し壁にぶつけた。二人目はお腹に肘で突き、そのフレアに攻撃をしようとしてきた男の攻撃をバク転で躱し、いつのまにか後ろに回っていた男に逆さまの状態で方向転換し、かかと落としを食らわした。そうして、攻撃してきた男を裏拳で後ろにいた男達ごと吹き飛ばした。
少しの間ぼーっとしてしまった。
フレアはパンパンと手を叩くと
フレア「よし!これで終わり」
そう言うフレアにクロは近づき
クロ「フレア怪我はないか?」
フレア「大丈夫。ってかそれはそれはむしろ私が聞きたいんだけどなぁ」
と言ってきた。
「ご苦労であったな。小娘」
と銀髪の少女が歩いてきた。それにフレアは?顔を作る。
それにクロは紹介をしようとして名前を聞いてないことに気づき
クロ「そう言えばお前名前は?」
とクロが聞くと、少女はクッククと笑うと
「こころして聞くがよい!妾こそー!」
「む?貴様らこんなところで何をしておるのだ?」
そんな声に遮られ、その声の主を見る。そこにはエルザが立っていた。
そこで少女はエルザを忌々しげに見ると
「何やら家畜の声が聞こえたようだが、ようやく豚小屋からで出来たのか?」
それにフレア、レヴィとクロは顔色が青くなる。なんて奴だ。よりによって一番喧嘩を売ってはダメな人に喧嘩を売りやがった
エルザ「とりあえず中に入らないか?」
とエルザは何事もなかったかのように無視して提案する。いや、むしろ無視しすぎて凄い。何せ銀髪の少女はエルザが今立っている真下にいる。文字通り真下である。少女の頭の上にエルザの胸が載っている。そんな状態だ。
「おい。今すぐこの粗末なものを私からどけろ。切り落とすぞ」
それにエルザは、わざとらしく今気づいたように驚いたように見せ後ろに下がる。
エルザ「すまんな。何せ下が見にくくてな。貴様のように何もないのが羨ましい限りだ」
「つ、潰す!」
エルザ「ふっ。やめておけ。…だが死にたいなら止めはせぬぞ?」
今、二人の火蓋が切られた。















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