異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~
(続)禁じられた配合
カジノを出て屋敷に戻ってきた。
もちろん奪われた金を返してもらうことも忘れない。
今回使用した2000万+前回奪われた1000万コルは、奴隷商館の金庫の中からキッチリ回収しておいた。
実質1コルも払うことなく、目的の奴隷をゲットできたのだから今回のカジノは大収穫だったと言えよう。
「ん……? ど、どこだ此処は!?」
「お。ようやく目が覚めたか」
屋敷に戻った俺はボールの中から吸血鬼の男を召喚することにした。
ちなみにロストには金庫の場所を吐かせた後に『ボールの中にいる間は大人しく眠っていること』と命令権を使って言ってある。
だからロストにとっては、ボールの中に閉じ込められたことが、ついさっきのことに感じられているだろう。
「や、止めろ! 殺さないでくれ!」
ロストは俺の顔を見るなり両手を縄で拘束させたまま後ずさりを始めていた。
おいおい。
失礼なやつだな。
お前は俺のことを殺人鬼か何かと勘違いしていないか?
面白いから少しからかってやるか。
「嫌だね。お前……自分が俺にしたことを忘れているのか?」
「ヒィッ! 分かった! 何でもする! 何でもするから! お願いだから命だけは奪わないでくれ……!」
「ほう……。何でもしてくれるのか」
俺としてはロストのことを家事専門の奴隷として雇い入れるつもりだった。
これは交渉の手間が省けたかもしれない。
「よし。分かった。そこまで言うのなら許してやらないこともない」
「本当か!?」
「ああ。これからは新しい体で心機一転して俺たちのために働いてくれよ」
「新しい……体……?」
俺は頭に疑問符を浮かべるロストをよそに、スキルを使用して魔物配合のスキルを使用して画面を開く。
システムメッセージ
(ベースとなる魔物を選んで下さい)
アフロディーテ
キャロライナ・バートン
シエル・オーテルロッド
ユウコ
→ロスト・トリザルティ
ワーウルフ
アダマイトゴーレム
ケダマロ
ゴブリンナイト
ライトマッシュ
キツネビ
マッドマッシュ
リザードウィング
メッセージを読んだ俺は、迷わずそこでロストの名前を選択。
システムメッセージ
(素材となる魔物を選んで下さい)
次に素材の選択だが、これについてはマッドマッシュに決定していた。
以前に戯れで色々な配合パターンを試したことがあったのだが、そこでキャロライナ(吸血鬼)×マッドマッシュによって『サキュバス』が生まれることを知ったのである。
システムメッセージ
(下記の魔物に配合が可能です。合成しますか?)
→はい
いいえ
サキュバス
図鑑NO ???
種族 夢魔
等級 S
生命力 55
筋力値 45
魔力値 285
精神力 120
スキル
闇属性魔法(上級) 吸淫 催淫
進化条件
吸血鬼 × マッドマッシュ
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性に関するスキルを得意とする魔族。
メス以外の個体が存在しないため、他種族のオスを襲って子孫を残す習性がある。
得意の闇魔法は魔族の中でもトップクラスの威力を誇る。
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クゥ~!
ついにサキュバスを目にすることができるのかぁぁぁ。
サキュバス。
それは全世界の男の欲望を具現化したかのようなモンスターである。
サキュバスというとゲームの世界では『エロい格好をしたお姉ちゃん』というイメージがある。
魅惑のバディと旺盛な性欲で男を虜にする罪なモンスターだ。
魔物使いという職業を与えられて以来、サキュバスには憧れていたんだよなぁ。
「感謝するぜ。お前と出会えたことで俺は……夢を実現できる!」
「ま、待て! お前……何をするつもりだ!?」
身の危険を予知したのだろうか。
ロストは慌てて声を上げたのだが――もう遅い。
「……ポチっとな」
「な、なんだっ! 何が起こっている!?」
俺が『はい』のボタンを押した次の瞬間。
ロストの体は眩い光を発し始める。
やがて180センチ近くあった身長はギュッと圧縮されて行き――。
腰回りがくびれて、尻と胸がボンと膨らんでいくことになる。
最終的に現れたのは、ムチムチとした肉感的なボディを持ったサキュバス(美少女)の姿であった。
「バ、バカなああああああああぁぁぁ! なんだこの体はッ――!?」
自らの性別が変化していることに気付いたロストは悲鳴を上げるのであった。
コメント
エルス・ギルバート
夢魔...夢悪魔...ドリームデーモン...ハッエルム街の悪夢。フレディか