レベルも知識もチートな俺が異世界で

茉 光莉@レベちち

第02話 魔法とか剣よりまずご飯



風がたまに吹く程度で

気温は暑くも寒くも無く丁度良い位の適温

草原を少し歩く

そこまで生い茂っていないが、林が見える。

「木は、生えているけど実がなっているわけでもなさそうだし…キノコ類も無しか…」

「見つからなかったらこのまま餓死がし…」

林の奥の方まで歩いていくと

水の流れる音が聞こえてきた

(川でも流れているのか?)

(水辺の近くなら魚とかいるかな♪)

期待しながら川縁まで歩いていく

川の深さはそこまで無く所謂いわゆる浅瀬

流水のお陰か、少し涼しく

透き通った綺麗な水に、丸い石がコロコロと転がっていた

すると上流の方から何かが見える

「え?桃?」

今まで自分が見てきたファンタジーの中では異質

かの有名な昔話のような展開

「おばあさんじゃないぞ俺は…」

自分の視界にくっきりと映る位の距離だった

ピクリ…

「いや〜動いたよ。」

オウキには、少し嫌な予感がしたが


その桃は、大きく水飛沫を上げて飛び

オウキの目の前へ飛んできた

(果物より腹にたまりそうだな…ジュルリ…)

それは、小さな豚であった

「わかってたけど……今日の食料ゲットだぜ…。」

オウキの姿を見るや否や子豚は、一目散に逃げていく

「まてっ!」

走った、扇風機で言うと弱くらいの風を受けながら

(あそこにいるのは、人か?)

「ピーさんを捕まえてください!!」

突然の女の子の声だった

(ピーさん??)

オウキは、力を振り絞って走り

ようやく子豚を捕まえた

「ハァハァ…うん?首にスカーフ巻いてるな?」

「もしかしてこの豚、あの子のペットなのか?」

女の子の方へ近づいていくと

「ありがとうございますっ!」

少し息を切らし頬を赤らめながら来たその子は

日本人離れした顔立ち

金髪に紺碧の瞳

肌は褐色な女の子だった

日本だと小学校の高学年位だろうか

「川でピーさんの体を洗ってあげていたんですが…」

「水浴びが嫌いで…暴れて逃げられてしまって…」

(この子も必死で走って追いかけたんだろうな…)

「とても助かりました♪」

ニコリ

笑ったその笑顔は、お腹が空いていることを忘れていた

「いや、まさか飼われているとは思わなくてビックリしたよ…」

「ピーさんは、家族なんです…」

「それよりこんな所で何をされていたのですか…?」

「実は…」

オウキは、今までの経緯を話す

自分の事

異世界から来たであろう事

この土地に疎いうといという事

そして、お腹が空いている事…

       「ごめんっ!!」

オウキは、知らなかったといえ

ピーさんを食べようとした事を謝罪した

「気にしないでください、オウキさんが優しい方で良かったです。」

ニコリ

天使の様な笑顔にオウキは、少し照れた顔を浮かべる

「俺の事ばっかりでまだ君の事聞いてなかったね」

「では、この先に私のキャンプがあるのでそこに行くまでお話ししましょう…」







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