叶えば所詮、夢物語

4.1 1.2 4.2

宿 ー常盤ー

 
 門をくぐり、真っ直ぐ行って最初の十字路を右に曲がる。そこには門番さんの言った通り『フリッシュ』という店がある。

 真紅たちはオアシスを見つけたかのように喜んだ。そしてお店に入り受付に向かう。受付のお姉さんは真紅たちの見た目にかなり驚いていたが、カードを見せる事によってその問題は解決された。

 そこで、受付のお姉さんに夕食・朝食付きで男女2部屋に二泊三日も泊まれるか聞いてみると当日予約にも関わらず、内容変更なしで止まる事が出来た。神の使徒だからだろうか。どちらにしろラッキーだ。

「合計7万ptになりますが、よろしいですか?」

 7万………うん、十分足りてる。問題ない

「はい、大丈夫です」

「わかりました。会計に伴い、個人で払われますか?  パーティーとして払いますか?」

 ?? 個人?   パー………ティー?  これはそのままの意味で良いんだよね?

真紅の頭の上にハテナマークが漂っていると受付のお姉さんが丁寧に教えてくれた

「あっ、言葉が足りずすみませんでした。えっとですね、ptには個人とパーティーの2種類あります。個人のptはカードの持ち主のptが表示されており、個人的な買い物、つまりカード主が『これが食べたいなぁ〜』とか『これ欲しい』などの自分の為に使うptの事をさします。

 そしてパーティーpt、これはパーティーメンバー全ての合計ptが表示されます。これは今回のような、パーティーメンバー全てに関わる事に使います。そしてパーティーptを利用する場合、各メンバーの個人ptから平等に差し引からます。故にメンバー全員が同じ施設を利用される場合はパーティーptを利用するとお支払いが楽になります。ご理解いただけましたか?」

「わかりやすい説明ありがとうございます。今回はパーティーptでお願いします」

「かしこましました。でしたら、この石板に代表者のカードをかざして下さい。かざしていただくと、個人かパーティーかという文字が表示されるので、パーティーを選択するとお支払い完了します」

 僕は受付のお姉さんの言われるがまま、カードを石板にかざす。すると支払いを完了した合図のように、カードが少し光り出す。

 これがこの世界の支払い方法。なんてハイカラなのだ。日本でもここまで普及していない。

 無事宿泊できるようになった真紅たちは、まずお風呂に入る事にした。と言うか受付のお姉さんに館内設備について教えてくれた時、真っ先にお風呂場を念入りに紹介された。お風呂の場所から始まり、使い方やらなんやらかんやら。これは先にお風呂に入って下さいと言われたようなものだ。

 真紅たちは食堂前を風呂上がりの集合場所とし、各自で風呂に入る事にした。

 1ヶ月ぶりのお風呂は最高に気持ちよかった。川の水で体や頭を洗っていたとはいえ、髪の毛はゴワゴワだった。しかしゴワゴワだった髪の毛もシャンプーで洗う事により、日本にいた頃と大差ない髪質に戻っていた。シャンプーの力は素晴らしい。

 そのあとは体を念入りに洗い、お湯に浸かると 思わず「ふぅ〜」と言葉が漏れてしまう。自分がこんなおじさんくさい事を言うのはまだ先だと思っていたが、そんな事はなかったようだ。

 1ヶ月ぶりのお風呂堪能し、さっぱりした気持ちで暖簾をくぐると、食欲をそそるいい匂いを鼻腔を通過していく。

 真紅はその匂いをたどっていくと食堂に辿りついた。どうやらまだ若紫しかおらず、話しながらみんなを待つ事数分、瑠璃、翡翠、蜜柑が3人一緒に現れた。

 みんな集まったことを確認し、食堂へと足を運ぶ。まず最初に目に入ってきたのは、黒板のような板に大々的に『バイキング形式!』と書いてある。この言葉にテンションが上がったのは何年ぶりだろうか。翡翠に関しては犬のように落ち着きがなくなっている。

 そんな翡翠を落ち着かせ、店員さんに席まで案内してもらう。席に着くと日本でもよくある軽いルール説明を聞かされた。

 店員さんが「これで説明を終わります。ごゆっくりどうぞ」と言った瞬間勢いよく席を立ち、食べ物が並ぶところへ向かってた。
 まるで「待て」から解放される犬のようだ。

 やはり久しぶりにしっかりした味付けの料理は美味しいく、塩分が体に染み渡る。美味しすぎて何も言葉が出ず、美味しい物を食べると言葉が出なくなる事を始めて知った

 真紅たちはこれでもかと言うほどご飯を食べ、お腹がパンパンに膨れ上がり、部屋に向かうだけで苦労した。そんな体だ、部屋に入るなりベットに寝転び、寝る体制に入る

 そこで感じるベットの柔らかさ。なんて気持ちいいのだろう。いつもは硬い地面で寝ていたため、ベットの有り難みを知る。

 いつもなら、いつ魔物に襲われるかわからない恐怖を感じながら寝ていたが、今はそんな事全く気にしなくていいのだ。

 真紅たちは全てが満たされた状態で眠りにつくのだった


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