叶えば所詮、夢物語

4.1 1.2 4.2

悩み ー若葉ー

 
 真紅は昨日の事が忘れる事が出来ずにいた。

 血の匂い、独特の感触、ゴブリン達の断末魔

 それぞれが脳裏に焼き付いている

 そんな断片的な描写がフラッシュバックするなか

「大丈夫?」

 と声が聞こえた。突然の事で一瞬ビクつくも
 聞き慣れた声で真紅は安心した

「翡翠か……うん、大丈夫だよ」
「………嘘ついてるでしょ。話したい事があるなら話したい方がすっきりするよ」

 どうやら翡翠には真紅の嘘は通じないようだ。それならと思い、真紅は翡翠に甘える事にした。そこで話した事は自分自身に抱いた疑念、疑問、何も感じない事の恐怖、その他諸々。この時、真紅はよくわからない事を喋っていた。言葉がうまくまとまらず、自分の思った事をただ淡々と喋っており、主語述語などまったく関係なく喋っていたからだ。

 しかし翡翠はその断片的なキーワードをまとめ真紅が伝えたい事を何となく察した

「そうなんだ……それはきっと自分を守るための防衛手段だよ。平常心じゃ耐えれなかったから、何も感じないように脳を停止させたんだよ」
「そうゆうものなのかな」

「そうゆうもんだよ。記憶喪失だって辛い事が原因で起こったりもするんだよ」
「そうか……ありがとう、少し楽になったよ」

「それならよかった!!  あまり溜めこみ過ぎると良くないからたまには発散するんだよ」
「……うん」

 話しを聞いてもらい心が軽くなるのを感じる。僕の悪いところだな、こうやって溜め込み過ぎちゃうところ。こんな風に翡翠に甘えるところも。

 もう少し男ぽくとか、そうゆう事は別に求めないけど、何かあった時相談に乗れるくらいの人にはなれるようになりたい。

 真紅は「1人になりたい」からと言い訳をし、翡翠を寝かしつけた。

 本当に1人になりたいのもあったけど、自分の事でいっぱいだったあの時、若紫にキツく当たってしまった事を、心が落ち着いた今になり再度思い出したからだ

 もちろん謝りたいと思ってる。しかし謝ったからと言って、許してもらえるかは別の事。それでも、許してもらえる  もらえないに関わらず、自分が言った事には責任を持ち謝る事が大切だと思う


 翡翠が寝て数時間。突然背後から「大丈夫か?」といわれ一瞬デジャヴるが声が違う事に気づく

「……若紫か。うん、あれ以降特に異常はーー」
「ちげぇーよバーカ。お前自身の事を聞いてるんだよ」

「…………さっき翡翠に相談して少し落ち着いた。その……さっきは心配してくれたのに酷い事言ってごめん」

「そんな事か、別に気にしてねぇーよ。誰でも1人になりたい時はあるもんだ」
「ありがとう」

 こんな1分にも満たないこの会話で真紅は救われた気分だった。許してもらえたからもあるが、僕の気持ちを理解してくれていた事が何より嬉しかった。

 そんな真紅の気持ちを代弁するかのように日は昇り始め、暖かな朝陽が真紅たち2人の体を包み込む。

 そんな暖かな朝陽に同調されるように、
 止まっていた時間が動き出すように、
 次々と蕾が開き大輪の花を咲かせる。

 毎日のように見ている風景なのに、いつもと違う、真紅の心が穏やかな気持ちになっていくのを感じるのであった

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