叶えば所詮、夢物語

4.1 1.2 4.2

能力

 
「あ、あ、あ''ぁぁああ''ぁあーー」

 真紅の叫び声が草原に響き渡り、仲間達が真紅の周りに集まり出した。みなそれぞれが真紅に対し呼びかけるが真紅は痛みと恐怖でそれどころでなく、話しかけてくる内容が全く入ってこない。


『死ぬかもしれない』

 真紅はそんな死に対する恐怖と朦朧とする意識の中、ふと思った。

 斬られた時の痛み。あのゴブリン達はどれだけ痛かったのだろう。腹に刺さったらどれだけ痛いのだらう………戦うってこういう事なのか。やっぱり僕らは学生で戦う事についてなにも知らなかったんだ。あぁ、死ぬの怖いなぁーーー

 真紅はそのまま意識を失ってしまった

 ●●●

 目が覚めるとあたりは暗くなっており、昼間の暖かさはどこかへ消え、肌寒くなっていた。どうやらだいぶ意識が飛んでいたようで、辺りを見回すと若紫と瑠璃が辺りの警戒しており、蜜柑と翡翠が真紅の周りを囲むように座っていた。

 真紅が目を覚ましたと知ると、翡翠が勢いよく真紅の胸に飛びついてきた。みんなにはかなり心配してたようで、翡翠は真紅の胸に顔を埋めながら泣いている。他の人も安堵の表情をしている。

「心配かけてごめん。助けてくれてありがとう」

 今の真紅にはこれしか出てくる言葉なかった。これだけは絶対言わないといけないと思った

「どんだけ心配したと思ってんだよ、この馬鹿野郎。盾  構えたまま動かねぇーし、動いたと思ったら突進してきてあぶねぇーし。お前が指示出さなかった、俺は串刺しじゃねーか、あぶねぇーだろこの馬鹿野郎」

 若紫も心配してくれてたぽいけど、なんか悪口ぽく聞こえる。事実ばかりで反論できないけど、モヤモヤする。

「そんなかしこまった事を言うな、寧ろ感謝しなきゃいけないのは俺達の方だ。お前の言うことを素直をに聞いてれば誰も怪我をしなくて済んだかもしれない。それに感謝するなら俺の自慢の彼女に感謝しろ。なにせ、お前の怪我を治したんだからな!!」

 瑠璃は自分のことのように誇らしげに彼女の自慢を始めた。確かに深く斬られたのに痛みは全く感じず、不思議に思っていたところだった。

「どうゆうこと?」
「まんまだよ、蜜柑が''目''の能力を使って治したんだよ、その腕を」

 腕を見てみると確かに切り傷自体なくなっている。目の力は素晴らしいな

「そうか、蜜柑が……ありがとう、蜜柑がいなかったら僕死んでたかもしれない」
「いえ……あの…そんな事をないです」

 蜜柑はもじもじしながら受け答えしている。あまり感謝されるという事に慣れていないのだろう

 まぁ、それは置いといて、能力の使い方がわかればこのチームは飛躍的強くなる。

「どうやって、使ったか分かる?」
「それは……あまり意識して使った訳じゃないからあまり覚えてないけど、真紅の傷口を見ていた気がする」

「なるほど……」

 そういえばAは「使いたいものを見ろ」と言っていた。ならば能力を使うトリガーは見ることで間違えないだろう

 《目を使いたい時、目に気を集めろ。そして見ろ、  ''目''  を使いたいものを》か……

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