拝啓 救われるヒーロー様、ヒロイン様へ。救われないモブキャラからの贈り物(Bad End)です。

桜ノ木 楓

Happy End

「アンタなんか死ねばいいのにねー」
いじめられるヒロイン。
「お前なんかいらねぇよ(笑)」
罵られるヒーロー。
でも、そこに現るは。
「やめなよ」
救世主様。
ほら、救われる主人公達。
「てめぇなんか誰も必要としてないんだよ」
嫌われる救われないモブ(僕)。
「…可哀想(笑)」
「ざまぁ(笑)」
誰も救ってはくれやしない。
ねぇ…そんなのズルいじゃん?
でも、どうしようもない。
それだけが現実だった。

ー〇ヶ月後ー
この世界の物語は終わった。
二人が幸せそうに笑う世界。
周りが幸せそうに祝う世界。
僕だけが取り残された世界。
それで、僕は救いを求める事を諦めた。

“主人公じゃなくていいからせめて大切な人を守りたい”

あぁ、僕はヒーローになりたかったんだ。
もうなれやしないけど。

この物語はきっとHappy Endなんだ。

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