私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

罠に嵌めた理由








あまりにも早く認めてしまう為
逆にこっちが驚いてしまった。
……というかさっきの音声は前にクラスメイトから
尋ねたら内容を音声は勝手に作った偽物だ。
「あら、否定しないんだ」
「まぁ否定しないわ」
というと彼女は
「ーーはぁ〜全くまさかバレるなんてね〜!!
というか話した奴誰だよ……」
と話し方を変えてきた。
「そっちが本来の貴方なのかな?」
「そうよ。こっちが本来の私。
ったくあいつらにもっと強く言っておけばよかったかしら
無能な連中を持つと対応に困るわ」
と地面を蹴って、イライラをそこに
ぶつけている様だった。
「……広樹を罠に嵌めた理由って私が言っていた通り?」
「ええ、そうよ。だってクラスでは全員が私を
ちやほやしなければならない。だって私だから!!
日々あいつらに振りたくもない愛想振りまいて
教師にも媚びを売っているんだから!!それなのに」
というと彼女は言葉を一度区切り
「それなのに!! 何であんた達2人は
私をちやほやしない!! 翔子、あんたはわざわざ私が
あんたみたいな陰キャラに話しかけているのに
まともに話そうともしないし、いつも頼るのは澁澤。
澁澤もそうよ!!私には全く興味を持たないくせに
幼馴染のあんたばかりみていてイライラするのよ!!」
「分かっていたけど……貴方それだけの為に……!!」
「そうよ!!それだけよ!! そのために好きでもない
澁澤と付き合ったのよ!!」
「ちなみに私が悲しんでいる時どんな気持ちだった?」
「それは最高よ!! あんたが校舎の隅で泣いている姿を
見たときは最高だったわ!! あんなに胸がスカッと
したのは初めてだったわ!!」
「三浦亜紀……貴方は……!!」
私は常村と同じぐらい、いやそれ以上の怒りが
自分の中から湧き立つのが感じた。
「あの男を手に入れる為に、あいつに愛想を振りまいたり
色々としたんだけど、あいつは全く私に興味を
持たなかったのよ。ねぇ知っている?どうやって
あいつが私と付き合ったか?」
「知るわけないじゃない」
「教えてあげるわ。
ーー翔子、貴方を助ける為よ」
「えっ……」
私を助ける為に……?
「いい加減イライラした私はあいつにこう言ったの。
“貴方の幼馴染を酷い目に合わしていい?”ってね!!
そうしたらあいつはとても驚いた表情をしたわ。
次にこう言ったわ。
“私と付き合えば幼馴染をいじめないであげる”って」
「あんた……!!」
私は三浦亜紀に飛びかかろうとするのを抑えた。
それぐらい彼女にムカついたからだ。
「そうしたらあの男、迷わず頷いたわ!!
“俺ならいくらでも虐めても構わないから
あいつだけは虐めないでくれ”って
あの時も気分良かったわ!!」
自分がやってきた事を自信満々に話す三浦亜紀。
「嘘でしょ……」
(まさか広樹が私をかばう為にそんな事を
していたなんて……)
でも、何で私なんかを庇ったの……?
「いや〜最初はあんた達2人がすれ違っていくのを
見ていて楽しかったんだけどねぇ〜
ーー途中で飽きたのよ」
「ま、まさか貴方は……!!」
「そうよ飽きたからあいつを学校から追い出した!!
追い出すのは簡単だったわ〜だって私の方が信頼厚いのは
目に見えていたから、私の信頼度をと丁度良いコマ
だった常村を使って追い出したのよ!!」
「三浦……!!」
「クラスでは私はただ泣きながらいればクラスの馬鹿共は
私に全員味方をする!! あれほど騙しやすいのは
本当に初めてだったわよ!!」
「この悪党が……!!」
私もかなりの悪さをしてきたのは自覚しているし
悪党なのも分かっているけど、久しぶりに
私以上に悪人だと思う人物に出会った。
「翔子!! 貴方が私に興味が無かったのが悪い!!
あんたが私に興味を、ちやほやさえしてれば
あんたの大好きな幼馴染はああならなかった!!
あんたのせいよ!!」
「黙れ!! 貴方が何を言うのさ!!
そんなに私が憎かったの!? じゃあ何で私に直接
しなかったの!?」
「そんなの簡単よ。
ーーあんたは澁澤がいなくなった方が一番嫌がるだろうと
思ったからよ!! 案の定成功したみたいねぇ〜!!」
「三浦ぁーー!!」
私は思わず叫んでいた。
それぐらい我慢できなかったみたいだ。
「そうよ、怒りなさいよ!! そういえばあんたの
本気で怒った顔は見たこと見たことなかったわ〜
笑った顔、泣いた顔を前に見たしね〜!!」
「貴方は……貴方は絶対許さない!!
あんただけは今まで一番酷い目に合わしてやる!!」
「そう? ならやってみなさいよ!! 
澁澤がいなきゃ何も出来なかったあんたが私に
何が出来るっていうの!?」
「私はあんたが知っていた頃の私じゃない!!
何も出来ずに泣いていた私じゃない!!」
「ならやってみなさいよ  
ーーでも、出来るならね? ほら入ってきなさい」
「はっ?」
三浦亜紀が合図をすると部屋の外から数人の男性が
入ってきた。
「悪いけど翔子、あんたにはここで消えてもらうわ。
あの時の真相を知っている人物は出来る限り少ない方が
いいからね」
と数人の男性は私を徐々に迫ってきた。
「くっ……」
私は比較的運動神経は良い方になったが、
この部屋から、しかも体格の良い数人の男性から
逃げれる事が出来るかと言われたら無理だろう。
「あぁもう一つ教えてあげるわ。
この建物の外と中には他にも私の手駒は何人も用意
したから逃げれるなんて思わないでね?
ーーまぁ最もこの部屋から逃げれるなんて思えないけど」

ちらっとスマホを見ても、電波は悪い状況だった。
しかも頼みの綱の国木田は私が眠らせた。
(あぁ、私はここで終わるんだ……)
私はそう思った。
この状況で助けなんてくるはずが無い。
私は広樹に思いを告げる事も出来ずにこんな寂しい場所で
一生を終えるのかと……。
(でも……仕方ないよね。だって私も今まで同じ事を
沢山の人達にしてきたんだから。いつかは自分に返って
くるとは思っていたからね……)

ーー常村

ーー担任

ーー元クラスメイトetc……

色んな人たちにしてきたしっぺ返しがきたのだろう。
(ごめんねお母さん、お父さん……国木田
そして広樹……馬鹿な私でゴメン……)
「さぁおしまいよ翔子!!」
私は諦めて目を閉じた。





























「ん、今の音は何?」
「さぁ分かりません……」
(あぁ私は更に大人数にやられるのか……)
私は再び目を閉じようとした。
「おい、森……もう少しなんとかならないのか」
「だってしょうがないじゃないですか……
意外とこの扉硬いんですから」
「お前らどけぇーー!!」
「……ごめん森、ついていってあげて」
「分かりました〜!!おめぇらどけやーー!!」
……あれ、どっかで聞き覚えのある声が3人だな〜〜。
「い、一体何が起きているの!?」
三浦はとても驚いていた。
どうやら
彼女にとっても予想外の事みたいだ。
そして……
バンッ!!
ドアが飛ばされて入ってきたのは
「翔子大丈夫か!!」
「おらおらどうしたーー!!」
「2人とも速いって……」
「広樹!? そして森に国木田!?
なんでここにいるのさ!?」
そこには私のこの世で一番大好きな人である澁澤広樹と
先程眠らせたはずの同期、国木田拓海
部活の後輩である森結城がいた。
「国木田大先輩〜〜何分でケリつけます?」
「“大”はいらないって……
ーー5分でケリつけるよ。やれるな2人とも?」
「分かりました!!」
「分かった。翔子、あと5分で終わらせる。
ーーだからそこで待っててくれ」








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