私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

貴方は一体・・・







そして週末、私と国木田は何度目かの私の地元行きの
電車に乗った。
「出来ればこれで終わりにしたいね……」
と国木田がぼやいた。
それはそうだろう。
せっかくの彼女とイチャイチャ出来る休日を
自分とは関係無い土地に行くのだから。
「大丈夫。多分国木田はしばらく行かないはずだから。
まぁ全てが片付いたら貴方にはお礼をしないとね」
彼には言葉で言い尽くせないほどの礼がある。
この一件が片付いたらどうやって返していくかを
考えていかなければならない。
「僕はいいよ。とりあえずさ、君の過去に決着を
つけにいこうか」
「そうだね。これで全て終わらせる
ーーずず……やっぱり抹茶ラテ最高」
「……今までのシリアス台無しだよ」
「だってシリアスな雰囲気に私耐えられない〜
ふざけなきゃ私じゃない!!」
「君の場合、その雰囲気から一気に相手の寝首を
かいてくるから、ある意味恐怖だよ……」
と部内で一番被害を被っている彼が言うと妙に
説得力がある。
(そう言えば国木田には色々してきたな〜
もしかしたら夏目の次にストレスの原因になってそう)
なんとなくそんな気がする。
「全く……疲れた……」
と言いながらココアを飲む国木田。
「国木田、そんなココアばかり飲んでたら
病気になるよ?」
「抹茶ラテばかり飲んでる君だけには
言われたくないわ!!」
はい、全くもってその通りです。


そして2時間ぐらいで私の地元に着いた。
「着いたーー!! 相変わらず何も無いーー!!」
「……君、前回も同じセリフ言ってたよね?」
「気のせい、気のせい、木のせい」
「なんか最後だけイントネーションおかしくね?」
「さて、今日なんだけど」
「はいはい恒例のスルーですね。
で、今日はどうするんだい?」
「"元"広樹の親友から話を聞きます〜」
「物理的にor精神的にダメージを与えるという名の
話し合いかい?」
「嫌だな〜物理的にはしないよ。
ーー精神的に痛めつけるだけ」
「相変わらず裏表はっきりしてんな……
で、今日はどこに向かうんだい?」
「今日は前回とは違ってなんと近くの喫茶店だよ」
「喫茶店? これまた変な場所選んだね」
「今回はそっちの方が都合がいいんだよね……。
さぁ行こうじゃないか!!」
と言い終わると私は歩き出した。
「……まさかだと思うが抹茶ラテが飲みたいから
みたいな理由で選んで無いよね?」
「……さぁ行こう〜!! 抹茶ラテを飲みに行きに!!」
「うわ、この子堂々言いやがったよ……
大丈夫なのかこの状態で」
国木田はぼやきながら私に着いてきた
(だって抹茶ラテ飲みたいんだもん〜)


そして駅から歩くこと10分……
私達は目的地の喫茶店に着いた。
「さてさているかな〜あっ、いた〜」
喫茶店に入るとすぐに目的の人物は見つかった。
「樋口……? なんでここに?」
「やぁ久しぶり〜元気にしていた宮沢君?」
「俺は……まぁまぁだな、そっちは?」
「私はうんそうだね〜普通かな」
「で、そっちの男は?」
「……樋口さんの部活の同期だ」
「そうか。
で、何でここにいるんだ」
「だって貴方を呼んだの私だからね」
「そうか……そうか。とうとう来たか、俺にも」
と何故か観念したように呟いた。
「どういう意味かな?」
「だって樋口がここに呼んだのって
ーー澁澤の件だろ?」
「あら、分かっているんだ〜なら話が早いよ。
話してもらえる?」
「分かった。俺は澁澤の親友だった。
大体お前といる時以外は一緒にいた」
「だよね。大体貴方と広樹は一緒につるんでいたよね」
この宮沢という男性は中学校から私と広樹と同じで
広樹は学校では大体彼と一緒にいた。
それぐらい広樹と彼は仲が良かった。
「でも、貴方は広樹を裏切った。クラスで広樹の悪評が
広められている時も貴方は弁護しようとしなかった」
「あぁ否定しない。
俺はあいつを弁護しようとしなかかった」
「ねぇ1つ僕から質問させてもらっていい?」
「……なんだ?」
「君は自分がやったことを結構話すけど……
よく話せると思うのは僕だけ?」
確かに私もその点では疑問に思っていた。
この宮沢という男性は今までのクラスメイトの様に
変に隠したりしない。
それが私にとって凄く疑問に思った。
「別に隠す必要も無いからな。
だって俺がしたことなんだからな……」
というとすまなそうに目線を逸らす宮沢。
「ねぇ宮沢君、貴方は一体……どういう立場なの?」









コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品