私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

私のせい









私達が声のした方を向くと、そこには1人の男性がいた。
「国木田、あれ誰?」
「……君の地元でさ、君が知らない人を僕が知っている
確率ってかなり少ないと思うんだ」
「それもそうか!!」
「君という人は……」
と国木田は頭に手を当てて呆れていた。
「おい!! 俺を無視するんじゃねぇ!!」
目の前にいた男性が叫んだ。
あっ、そういえば目の前にいたの忘れてた。
「ごめんごめん〜って誰だっけ?」
「お前によって人生をめちゃくちゃにされた!!
絶対ゆるさねぇ!!」
(ん〜? どこかで聞いた事あるんだけどな……
どこで聞いたんだっけ……)
と考えているととある事を思い出した。
「あっ」
「どうしたの樋口さん?」
「思い出した……あの男
あのクズの取り巻きだ!!」
「クズって事は常村か……」
そうだ。
私が高校時代に常村を追い出す際に使った会話の際に
一緒にいた男子だ。
……確かクズが退学になった後、あまり時をおかず
退学になった覚えがある。
「ようやく思い出したか……!! まぁいい。
お前のせいで俺の人生台無しだ!!」
「……だって貴方だって色々悪事してたでしょ?
それが自分に返ってきて当たり前じゃない?」
「うるせぇうるせぇ!! 樋口お前さえ……!!
お前があの時、あの会話を流さなければ……!!」
と彼の発言を聞いていると、ふと疑問に思った。
「そもそも私が流したって言う証拠あるの?」
そうだ。
何故、目の前の彼が私がやった事を知っているのだろう。
(当てずっぽうな事を言っているような言い方
じゃなかったしな〜不思議だ)
「あの退学になった奴と一番一緒にいた奴で
考えたら一番はお前だったんだよ!!」
「へぇ〜よく見ているね〜」
私は素直に感心した。
あのクラスメイト達が分からなかった事を
彼はよく分かったと思う。
「……樋口さん、周りに気をつけて」
「どうしたの国木田?
ーーって、あららそういう事ね」
周りをよく見ると、私達は数人に囲まれていた。
「お前にかなり痛い目にあってもらうぜ〜!!
そのためにわざわざ金をかけて
人を呼んだんだからな!!」
「うわ〜三下発言だ」
「ち、ちょっと樋口さん!? 相手を煽らないで!!
う、うわぁ!?」
と国木田の方に1人向かってきたみたいだ。
それを国木田は……
「少しは話を聞いてもらえないかなっ!!」
と言いながら向かってきた1人をいなした。
「あぁ……こうなるなら森連れてくるんだった……
そして樋口さん、真面目な話するよ
ーー君は逃げて」
国木田は真面目な表情で私に言ってきた。
「えっ?」
「とりあえずこの場は僕が抑える。
君は後ろの同窓会会場に逃げるんだ」
と後ろにある会場を指差した。
「いやいや待ってよ。国木田はどうするのさ?」
「樋口さんが助けを呼んでくるまでただ粘る
ーーって言ってるそばから!!」
と私に向かってきた拳を抑え込む国木田。
「で、でも国木田、貴方は……」

ーー森や織田に比べてあまり荒事は得意では無い
はずだよね?

国木田は荒事よりも頭で考えて、裏で攻めるタイプだ。
こんな真正面からの喧嘩は苦手なはずだろう。
「とりあえず君は早く行け」
「で、でも!!」
「お前ら、何戸惑っている早くやれ!!」
と徐々に包囲網が狭くなってくる。
「くっ……マズイ……」
「国木田、今回の目的は私だよ?
私を置いていきなよ!!」
「断る」
「なんでよ!?」
「君には借りがあるからさ。
ほら早く行けって」
「国木田!!」
「早くいけ……
ーー危ない!!」
「えっ」
私が振り向くと誰かの蹴りが迫っていた。
(あ、当たる……!!)
私は衝撃に備えるため、目をつぶった。
だが、その蹴りは私に届く事は無かった。
何故なら……
「ぐっ……」
「国木田!?」
私を国木田がかばったからだ。
「痛た……」
「国木田しっかりして!!」
「は、早く、い、行って……」
国木田は苦しそうに呟いた。
(わ、私が彼を誘わなければ……
こうはならなかった!! 私のせいだ!!)
「樋口……これでお前は終わりだ!!」
あの男性が勝ち誇った様に叫んだ。
(ごめん、国木田……私が誘わなければ……)
私は後悔していた。

ーー私の広樹に会いたいという目的に彼を付き合わせた。

ーーその結果がなんだ?

ーー国木田は怪我をしてしまった。

ーー私は一体何をしているんだ……

「国木田……ごめん……」
「これで終わりだーー!!」
と男性の拳が私に向かって振り下ろされた。
私は目を瞑る気もなかった。
同期を酷い目に合わした罰だ。
(ごめん、広樹……もう会えないね……)






だが今回も私に届く事は無かった。
「貴様ら、翔子に何をしている」

コメント

  • A・L・I・C・E

    キタキタキタキタキタキタキタキタキタキター!!!!!!(゚∀゚ 三 ゚∀゚)
    フォーー!!!!!



    すいません、黙ります。黙るんで次のはなしを出来るだけお早めにお願いしたいです。マジで。

    4
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