私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

こんにちは、新しい私













私が復讐を決めた次の日。

「お母さん、おはよう」
私はいつものようにリビングに降りた。
「あら翔子ちゃん、おはよう。
もう朝ごはん出来たから食べなさい〜」
「うん、分かった。あとお母さん」
「ん?何かしら?」
「今日髪を切りに行きたい」
私がそういうと母はとても驚いた顔をした。
「えっ・・・でも翔子ちゃん、それは・・・」
母が言いたい事は分かる。
私は今まで髪を長めにしていた。
理由は簡単だ。
(前に広樹が髪が綺麗って言ってくれたから)
私達がまだ小さい頃に広樹が私の長い髪を褒めてくれて
それから私はずっと長髪のストレートにしていた。
だけど・・・
「いつまでも悲しんでいる訳にはいかないし
だったら今までとは違う髪型にしてみようかなって
・・・ダメかな?」
「翔子ちゃん・・・
よし!!分かったわ!!何ならオシャレも
一気にしちゃいましょう〜」
何故かとてもやる気の母。
「あ、あれ?お母さん?」
「決まったなら早く行動しなくちゃね!!
朝ごはん食べたら行くわよ〜!!」
と私は母に急かされるまま朝ごはんを食べて
母がよく行く店に向かうのだった。


「うわぁ・・・」
母がよく来る店に来たのだが私は雰囲気に圧倒
されていた。
ちなみに母は親しい店員さんと雑談をしている。
その間に私はどんな髪型にしようか雑誌を見ていた。
しばらくすると私は店員さんに呼ばれた。
10分後・・・
「こんな感じでどうですか?」
「えっ・・・これが私?」
そこには私とは思えない綺麗な人物がいた。
「そうですよ〜流石樋口さんの娘さん。
しっかりとお母さんの血を継いでますね〜
めちゃくちゃ可愛いですよ」
「私が・・・可愛い・・・?」
「そうですよ!!
何ならこれから私達の店でカットモデルして
もらえませんか?」
「え、えっ・・・!?」


「も、もう無理・・・疲れた・・・」
あの店員さんの後、何故か店長まで出てきて
頼まれたのだが、頑張って断った。
だけど次は服を買った場所でも同じことを
言われ続けて、ようやく帰ってこれた。
「疲れた・・・だけど収穫はあった」
今日思ったのはどうやら私はそれなりに美人らしい。
母の影響もあり、身長もそれなりにあって顔も
それなりに整っているようだ。
今までの私は・・・

・服はパーカーとジーパンが大半

・髪も前髪は目の近くまで伸ばしていた

・制服のスカートも標準より長め

・そもそも目立たない

こんな事もあって地味な女子だった。
「でも・・・この見た目を使えば・・・」
私の復讐の成功率が上がる。
人は見た目がかなり重要とされている。
この私の見た目はそれなりだろうから
条件はセーフだろう。
問題は・・・
「性格・・・だよね・・・」
私はかなりの人見知りだ。
この性格がかなりの問題だろう。
だが・・・
(性格がなければ作ればいい・・・)
そうだ。
無いのなら作ればいい。
復讐の為に私は何でもやるって決めたんだ。
「うん、そうだよね。
ーーいや〜困っちゃったな〜!!
私頑張らないとね〜!!」
(そうだ、思い出せ。
広樹をあんな目に合わした女子達の話し方を・・・!!)
「いや〜◯◯ちゃんも可愛いよ〜
私はまだまだだよ〜!!」
(まだ・・・!!
まだ足りない!!あいつらと同化しても
分からないようにしなきゃ・・・!!)
「うん!!ありがとうね〜◯◯クン!」
(憎め!!恨め!!思い出せ!!
私の世界を壊した奴らを・・・!!)
「先生〜ここ分からないんですよ〜教えてよ〜
ーーあっ、本当だ、先生ありがとうね!!」
(許さない!!私は許さない!!)
「みんな、おはよう〜!!
ーーこれでいこうかな〜月曜日からこれでいこう〜」
私は表情や仕草、声のトーンの練習をした後
机に置いてある髪留めを手に取った。
「これ、広樹につけてもらいたかったな〜」
だけど今の私はショートカットだ。
そもそも私が髪を切った理由は・・・
(広樹が知っている私との決別だ)

ーー私の長髪を褒めてくれた広樹はもういない。

ーーなら、これから復讐を行う私は広樹が
知っている私とは別人だ。

ーーだって私は変わってしまったのだから。

「待っててね広樹・・・広樹をあんな目に合わした奴ら
全員同じ苦しみを味あわせてあげるからさ〜」
そして私は髪留めを机の引き出しの中の奥にしまった。
(・・・じゃあね広樹が好きだった頃の私
そしてこんにちは、復讐の私)






そしてついに月曜日となった。
「よし!!行こうかな〜!!」
(さぁ復讐の始まりだ・・・)
私の復讐は始まった。










次回から復讐の前段階の開始・・・

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品