私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

私が復讐を決めた日


題名の通り、翔子が復讐を
決めた日の事です。

内容も暗めとなっています。








「よかった・・・買えた・・・」
目当ての本を買えた私は家に帰ろうして
本屋を出て駅に向かっていた。
時計を見たら6時を過ぎていた。
「帰らないと・・・
お母さん心配する・・・
って・・・あれ?」
私は足を止めた。
何故ならそこには
私のクラスの担任がいたからだ。
誰かと待ち合わせを
しているのだろうか
仕切りに時計を見ていた。
(ば、ば、ば、バレる!?
に、に、逃げなきゃ!?)
私はカバンからマスクを取り出して
近くの自動販売機に隠れた。
(と、とりあえず先生が
いなくなるまで
隠れていよう・・・)
私はそう思い遠くから
担任を見ていた。
そしてしばらく見ていると
とある事に気付いた。
(にしても先生・・・
服装に気合い入っているな)
私ですら思うぐらいに
気合いが入っている服装だった。
(こ、こ、これって・・・
で、デート!?)
私が広樹としたくても
出来なかった事だ。
それを彼を悪者扱いした担任が
行っていると思うと
かなり複雑な気持ちになる。
ただ・・・
(そんな気持ち広樹に
告白する勇気が無かった私に
抱く権利ないよね・・・)
と私が思っていると担任は
視線の方に待ち人を見つけた
のだろう、顔を輝かせていた。
(相手は・・・えっ、嘘・・・)
担任の元に来たのは
私が予想もしない様な人物だった。
(常村・・・なの・・・?)
彼は制服は着ておらず
大人っぽい服装を着ていた。
一目見ただけでは彼が学生である事は
分からないだろう。
私は漫画でしか見た事が
無いようなカップルを見て
慌てていた。
(せ、せ、せ、生徒と
き、き、き、教師が・・・?)
広樹を散々悪者扱いしていた
本人がそういう事を
しているって果たしてどうなのか?
私の中でふつふつと
怒りがこみ上げてきた。
だが私が思っている内に
2人は動き始めた。
(う、動き始めた・・・!?
な、なんかとても気になる・・・
行ってみよ)
私は母に夕飯を食べて帰るという
旨のメールを
送り、2人の後をついていった。




彼らが向かった場所は駅から
少し離れた場所にある
ファミレスだった。
私の学校の生徒は
ここまでは殆ど来ない。
だから教師と生徒のデートとしては
もってこいだろう。
・・・まぁ今回は私がいるが。
私はやめとけばいいのに
つい会話が気になり
彼らがいる席の仕切りを挟んで
隣の席に座った。
(どんな話をするの・・・?)
私はスマホの録音機能を使い
会話を録音する事にした。
ちなみに今の私はマスクをつけ
化粧をしているので
担任は私を見ても分からないだろう。
・・・まぁそもそも私の顔を
覚えて無いだろうが。
「いや〜先生、今日はありがとうな
来てくれて嬉しいよ」
「いや貴方に会いたかったからいいのよ
だって貴方は私の彼氏でしょ?」
「先生、嬉しい事言ってくれるじゃん〜
先生は俺の彼女だからな」
「ふふ、ありがとう」
(あっ
本当に付き合っているんだ・・・)
まさか本当にそうだとは・・・
2人の甘い会話をしばらく聞いていると
「あっ、そういえば先生」
「ん?どうしたのかしら?」
「あの暴力男どうした?」
(暴力男・・・?
誰だろう?)
私の学校はそこまで風紀は
荒れていないがそれなりに問題児はいる。
だが・・・
「あぁ澁澤ね」
「そうそう、そんな奴だよ。
あいつってどうしたんだ?」
私は次の担任が
言う言葉に耳を疑った。
「無論、退学してもらったわ
ーーだって貴方からの頼みだもの」
(えっ・・・今なんて?)
"貴方からの頼みだもの?"
私は耳を疑った。
とりあえず話を聞き続けると
「おっ、マジでー助かるわ〜
あいつ邪魔だったんだよ〜」
「本当よ、私の彼氏を殴ってくれて。
まぁ元から気に
食わなかったからいいけど」
「なんだよ先生〜
嬉しい事言ってくれるじゃん」
「というか貴方も
随分ご両親のコネを使って
あの家族を追い出したわね〜」
「あれ?バレてた?」
「まぁそんな気がしていたわ」
「というか先生も
随分会議であいつを
退学にしろって言ってたよな?」
「貴方のためよ。
あんなのいたら邪魔だもの
まぁ流石に今回の
貴方の行動には驚いたわ」
「だってよ
あいつの彼女欲しかったんだよ〜
ーーまぁ、もう飽きたけどな」
「あらやだ次は私が捨てられるのかしら?」
「いやいや先生は捨てないですって〜
俺先生大好きですもん」
「・・・先生としてかしら?」
「先生意地悪だな〜」
「嘘よ、ごめんね」
「いいよ、許す」
「「アハハ〜」」



ファミレスの後2人は
連れ立ってどこかに消えた。
そのあと、私は家までどんな風に
帰ったのか分からない。
私は自室で荒れていた。
何故なら私の中で
ドス黒い感情が沸きだっていたからだ。
(憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!
憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!
許さない!!許さない!!許さない!!
許さない!!許さない!!許さない!!)

ーー広樹の彼女が欲しい

そんな理由で私から広樹を奪った。
しかもそれに私の担任も協力していた。
それを聞いた私は
私も初めてのドス黒い感情に
覆われていた。
(広樹だけじゃなくて
広樹のご両親にまで
嫌がらせを
していたなんて・・・!!)
広樹のご両親には
昔からよくしてもらっていた。
それもあって更に
怒りがこみ上げてくる。
だけど一番の怒りは・・・
(よくも私から広樹を
奪ってくれたな・・・!!)
私の世界そのものであった
広樹を退学にして
目の前からいなくならせた
事が一番苛立つ。
(憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!
あの2人がものすごく憎い!!)
今回の犯人が付き合っていて
担任が権限を使って
広樹を退学に追い込み
そして笑っている。
自分達がした事を反省もせずに
幸せそうに笑っている。
(お前らが何で笑える!?
どうして!?何でよ!?)
その中、私の中でとある感情が
込み上げできた。
(あっ、そうだ。
私があいつらを笑えなくすれば
いいんだ・・・そうだよね、そうだよね)
誰も彼らがした事を
知らないだろう。
ーーなら知っている私が
やればいいんじゃないか。
(広樹があった以上の目に合わしてやる・・・!!
死ぬ方が楽なぐらいまで追い詰めてやる!!)
そんな風に思っていると、ふと広樹から
もらった髪飾りが視界に入った。
そして広樹から言われた言葉が蘇ってきた。

ーーーー

「あっ、あとさ翔子」
「ん?何かな?」
「翔子は何があっても変わらないでくれよ」
「えっ・・・」

ーーーー

(広樹ってやっぱり優しいね・・・)
広樹は私に変わらないでと言っていた。
彼は最後まで私を心配してくれた。
本来なら広樹の言葉を守るべだろう。
だけど・・・
「ごめんね広樹・・・私は無理だよ
どう頑張っても許せないよ・・・」

ーーもうどうせ広樹と会えない。

ーーならとことん変わってやる。

ーー常村、担任、クラスメイト達・・・

ーー私から広樹を奪った奴全員を
広樹よりも辛い目に合わせる。

ーーお前ら、絶対許さない。



私はこの日、復讐をする事に決めた。


ーー例えそれの行いが広樹の優しさを
踏みにじる行為だったとしても・・・








次回から復讐を準備していきます。

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