私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

崩壊〜その4〜




広樹が早退した日、私は学校が終わったらすぐに
彼の元に行こうとした。
(何があったの・・・広樹)
そして私は荷物をまとめ、教室を出ようとした。
けれども・・・
「ちょっといい?」
(誰・・・?私、急いでいるの・・・ ︎)
目の前にはクラスメイトの女子達がいた。
「何・・・?」
「あなた、私達に協力してよ」
「・・・私用事ある、帰る」
私は目の前のを無視して出ようとしたが
彼女は私の腕を掴んで
「どうせ貴方もあのクズに暴力を振るわれて
仕方なく一緒にいるんでしょ ︎」
「・・・それ誰が言っているの?」
「もう学校中の噂になっているわよ ︎
あのクズ、自分の彼女だけじゃなくて幼馴染にまで
暴力を振るっているって ︎」
「広樹はそんな事・・・ ︎」
「しかも朝だってクズを止めようとしたクラスの男子
だって叩きのめしたじゃん ︎」
朝のは広樹を止めようという感じじゃなかった。
明らかに広樹をいじめようという気しかしない。
(最初に・・・蹴ってきたの・・・あっち)
「朝は広樹悪くない・・・私帰る」
いい加減付き合ってられなくなり
手を振りほどき帰ろとすると今度は周りを囲まれた。
「待ちなよ ︎まだ私達の話終わってない ︎」
「・・・私、もう話す事ない」
「貴方さえ協力してくれればあのクズを学校から
追い出せるの ︎だから協力しなよ ︎」
「そうよ ︎そうよ ︎あんな危険人物をほっとくの ︎」
「貴方だって嫌に思っていたんでしょ ︎
1人が辛いなら私達も一緒に行ってあげるから」
と私の周りから一斉に広樹を非難する言葉が
私に浴びせられた。
(・・・みんな、昨日まであんなに広樹と一緒にいて
仲良かったのに・・・どうしてここまで手の平返しを
平然とやれるの・・・?)
と思うと私は悲しくなって泣いてしまった。
「う、う、う・・・」
「ち、ちょっと泣いたじゃないの ︎」
「私は泣かしてないし・・・◯◯ちゃんのせいよ」
「私でも無いし・・・」
と私を泣かした責任のなすり付け合いが始まった。
その隙に私は泣きながらだがその場から逃げた。

結局その日は広樹の家に向かったのだが
広樹は家におらず、夜遅くまで広樹の家の前で
待ったが、会えなかった。

そして次の日、広樹からスマホに連絡が来て
「わりぃ、今日は休む」
だったので1人で学校に向かった。
学校に着き、いつもの様に授業の準備をしていると
「樋口さん」
(朝から誰・・・私とても不機嫌・・・)
顔を上げるとそこには担任の教師がいた。
「どうしましたか・・・」
「樋口さんに話を聞きたくてね
昼過ぎ、職員室に来てもらえる?」
ここで拒否するととても厄介な事になるので
私は渋々了承した。
そして昼・・・
私は言われた通り職員室に向かった。
そして担任の教師の机に向かった。
「・・・何ですか?」
「樋口さんも知ってると思うけど
澁澤君の事で聞きたい・・・」
(あぁ、またこれか・・・)
昨日から引き続きこの流れかと思った私は
朝からただですら不機嫌だったのに輪をかけて
不機嫌になった。
「・・・澁澤君が樋口さんに暴力を振るっていたって
本当かな?」
「私は、澁澤君に暴力を振るわれた事なんて無いですし
逆にいつも彼は私を守ってくれました」
「本当かな?クラスメイトの子達が貴方を
心配してたわよ?」
それを言われて、ついに私の中で何が吹っ切れた。
「じゃあ私がなんて言えば納得するんですか ︎
先生の意見に"はい、そうです"って言えばいいですか ︎
答えてくださいよ ︎」
「ひ、樋口さん、貴方どうしたの?
いつもの貴方らしく・・・」
担任の教師の発言が私の怒りに更に油を注いだ。
「いつもの私を見てないくせに何を言うんですか?
いつもの私を見ているなら、広樹といる時の私の表情
を思い出してくださいよ?
ーーほら、思い出せ無いんですよね?」
「・・・」
教師は気まずそうに顔をそらした。
「話はそれだけですか?
・・・私、帰ります」
と言うと私は職員室を後にした。

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