私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

崩壊〜その2〜



そして次の日
私と広樹は前のように2人で一緒に登校していた。
改めて彼の顔を見ると昨日の明らかに落ち込んでいる顔
ではなく、幾分かマシになっていた。
(大丈夫かな・・・広樹・・・)
彼を見ていると明らかに空元気だった。
いつもよりも話が多く、そんな中でもたまに考え事を
している。いつもの広樹ではなかった。
「翔子」
「・・・ん?」
「もう学校着いたぞ」
「ん?あ、あれ?もう学校だ・・・」
どうやら私もかなり上の空だったらしい。
気がついたらもう校門に着いていた。
「翔子、大丈夫か?
昨日夜更かしでもしたのか?」
「・・・私は夜更かししない」
「じゃあ今日の小テストの勉強か?
いや〜あれ難しいよなぁ」
「・・・あれぐらい簡単。
難しいのは広樹の頭の問題・・・」
「左様ですね・・・はい、これから真面目に
勉強したいと思います・・・」
「勉強重要・・・とても・・・特に広樹の国語」
「うぐっ・・・」
相変わらず広樹は国語が一番苦手だ。
「前回は・・・助けた。
誰のおかげで・・・赤点回避?」
「それは樋口翔子様でございます。
ーーそして大変不躾なお願いなのですが・・・」
「・・・肉まん1つで」
まぁ肉まん無くても教えるけど・・・
「よっしゃあ〜 ︎目指せ赤点回避 ︎」
とガッツポーズをする広樹。
「・・・目標低」
「あの〜そんな底辺を見るような目で見るのやめて
いただけませんか・・・?」
「・・・実際に見ている」
「ですよねー」

この日はここまでは楽しかった。

まさかこの後、あんな事になるとは

思わなかった。


私達はクラスまでいつものように一緒に行った。
「翔子」
「ん?何?」
「絶対、俺がいいって言うまで俺より前に出るなよ?」
「えっ・・・?何で?」
「まぁ俺の言う通りにしとけって」
何故かそのように言われ渋々言われた通りにする。
「じゃあ・・・行くか
ーーって翔子 ︎」
「きゃっ ︎」
広樹が何故か私を横方向に突き飛ばした。
そして広樹は後ろの方向に飛んだ。
「ぐはっ・・・」
「ひ、広樹 ︎だ、だ、だ、だ大丈夫 ︎」
「お、俺は大丈夫だ・・・痛たたたた」
どうやら広樹は前方からきた何かに飛ばされたらしい。
その前方を見るとクラスメイトの男子がいた。
多分、彼が広樹に蹴りでも決めたのだろう。
「な、な、な、な、な、何しているの ︎」
私はつい感情的になり大声を出した。
その男子の雰囲気、蹴りの強さ的に遊びでは無い事が
想像に容易い。
「ーー樋口さん離れて ︎」
と私は後ろからいきなり引っ張られた。
その方向を見ると、クラスメイトの女子がいた。
「え、え、え、え?な、何?」
私は何が起きているのか全然分からなかった。
私の前にはクラスメイトの女子達が集まった。
「樋口さん、あなた、クズに何もされてない ︎」
「・・・クズって誰?」
「それはあいつよ ︎澁澤広樹 ︎」
「広樹が・・・?」
「そうよ ︎あいつが何したか知っているの?」
「・・・知らないけど。
広樹がそんな酷い事するは」
「樋口さんは騙されているのよ ︎」
と私が言い終わらない内に別の女子がやかましく叫んだ。
「いい?あのクズは女子に暴力を振るって
自分の言いなりにしようとしたのよ ︎」
「え・・・?」






次回から話がかなり重たくなります。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品