異世界無人島で俺は漂流者達とハーレムサバイバル
第6話ロリっ子魔王とボクっ娘勇者
「ゆ、ゆ、ユフィ様から離れてください! 不埒者!」
二日目の朝は、ユズの説教と共に始まった。昨夜の出来事のまま、俺は動けずに朝を迎えてしまったので、ユフィは俺に頭を預けたまま起床。
それをキャトラとユズに見事に見つかってしまったので、朝からひと騒ぎ。
「ご、ごめんなさい、ツバサさん! 私があのまま眠ってしまったから」
「いいんですよ、よく眠れたなら」
「いえ、そうではなくて。ツバサさんが眠れなかったんじゃないですか?」
「それも含めてよかったんですよ」
「? それはどういう意味でしょうか」
「まさかユフィ様にいやらしい事をしたのでは?! やはり男はこの手で」
「誤解だって! そんな事はしてないから!」
(少しドキドキして眠れなかったとは決して言えない……)
何はともあれ二日目スタート
二日目は昨日話し合った結果、この何もない拠点を最低限生活できるくらいの拠点を作ろうという事になった。
「具体的にはどういう拠点にするのですか?」
「まずは昨日みたいに迷子にならないように、拠点の目印を作りたいな。この辺の木を少し使いたいんだけど、魔法で切れたりするか?」
「大きな木は風の魔法で切れますが、細かい作業は流石に難しいです」
「となると、木を切る道具も作りたいな」
この洞窟があるのが森の中なので周囲が木に囲まれているので、何本かの木は伐採したい。問題はそれを家具を作るのに使うためには、細かく切れる道具を作る必要になってくる。
「ならこのボクの剣を使ってよ。何でも切れるからさ」
「おお、サンキュー」
俺は渡された剣を受け取る。剣には見た事のないような紋様が付いていて、いかにも強そうな剣だった。
(何かRPGで出てきそうな剣だな)
例えば勇者の剣とか……あれ?
「ツバサ、その子誰?」
「ボク? ボクは魔王を退治しに来た勇者だよ」
「ユウシャ?」
俺の考えた事を丸々そのまま答えたこの剣を渡してきた勇者。横を向くと、屈んだ俺と同じ背くらいの銀髪の女の子が立っていた。
だがなぜかその勇者は服を着ていない。
「もしかしてこの剣、君の物?」
「うん、大切な剣だから大事に使ってね」
「いやいや、怖くて使えないから!」
俺は思わず返してしまう。こんな大事な物をそんな木の伐採の為に使うわけにはいかないのでお返しする。
いや、剣よりも大切な事がある。
「君は服を着ないの?」
「暑いら脱いだ」
「何を着てたの?」
「うーん、鎧とか盾とかかな。あれがないと魔王倒せないし」
「今すぐ探してきて!俺達が死ぬ前に今すぐ!」
このボクっ娘がもし仮に勇者だというなら、そのライバルの魔王もこの世界に転移してきた可能性が高い。
「ハッハッハ、まさか貴様までここにいるとはな、勇者ポロ」
「出たな、魔王チビィ」
ほら言わんこっちゃない。魔王がこんなところに来てしまったら、もう駄目だお終いだぁ。
「って、あれ? 魔王の姿が見当たらないのですが」
ユズが周囲を見回しながら言う。確かに魔王と思わしき姿がどこにも見当たらない。まさか直接脳内に。
「違うわい! 我はここじゃここ!」
再び声がしたので、視線を下げてみる。すると、勇者ポロより更に背が小さい女の子が一人。その身の丈には合わないくらい大きなマントを羽織って、こちらを見ている。
なお今にも泣きそうな顔をしているのは内緒だ。
「おいおい、ここは託児所を作る場所じゃないぞ」
「馬鹿言え! これでも我はもう数十年も長生きしておるのじゃ! どうだ、恐れ入ったか!」
「それって普通じゃないか?」
「むしろアタシの方が年寄りかも」
「キャトラの方が年上なの?!」
衝撃な発言が出たにも関わらず、勇者ポロと魔王チビィはお互いに睨みつけあっている。
「今度こそ決着つけるぞ、ポロ!」
「覚悟!」
「待て待て、こんな島でそんな物騒な戦いを始めないでくれ!」
俺は子供の喧嘩を止めるように二人の間に割って入る。いや、もはや見た目からしたら子供の喧嘩だ。
「何じゃ我らの戦いを止めるのか? 何処の馬の骨か知らぬが、切るぞ」
「だから待てってば。ここはそういう場所じゃないから!」
「そういう場所じゃない? どういう事お兄さん」
ようやく話を聞く気になったのか、ポロの方が剣を収めて尋ねてくる。それを見た魔王の方も、一度話を聞く体勢になったところで、俺は今起きていることを説明する。
「つまりここは、ボク達の世界じゃないって事?」
「簡単に言うとそうなる。ここにいる全員が、それぞれ違う世界から来て、今こうして同じ場所で生活しているんだ」
「元の世界に戻る事は?」
「今のところは不可能かな。調べてみなければ分からないけど」
「そっか。そういう事なら、ここは一時休戦しよう、チビィ」
「一時休戦じゃと? この世界を手にできるなら絶好のチャンスではないか」
「やめてください!」
血気盛んな魔王様に対して、容赦なく水をかけたのはやはりユフィだった。その様子を勇者はおおと感心していた。
「な、何をする!」
「今私達は生きる事に精一杯なんです。お子様の喧嘩の相手をしている暇はないので、そういうのは元の世界に帰ってからしてください!」
「お子様言うなぁ!」
何はともあれ、この無人島生活に勇者と魔王という何ともカオスな仲間が増えましたとさ。
「我は納得してないからな!」
二日目の朝は、ユズの説教と共に始まった。昨夜の出来事のまま、俺は動けずに朝を迎えてしまったので、ユフィは俺に頭を預けたまま起床。
それをキャトラとユズに見事に見つかってしまったので、朝からひと騒ぎ。
「ご、ごめんなさい、ツバサさん! 私があのまま眠ってしまったから」
「いいんですよ、よく眠れたなら」
「いえ、そうではなくて。ツバサさんが眠れなかったんじゃないですか?」
「それも含めてよかったんですよ」
「? それはどういう意味でしょうか」
「まさかユフィ様にいやらしい事をしたのでは?! やはり男はこの手で」
「誤解だって! そんな事はしてないから!」
(少しドキドキして眠れなかったとは決して言えない……)
何はともあれ二日目スタート
二日目は昨日話し合った結果、この何もない拠点を最低限生活できるくらいの拠点を作ろうという事になった。
「具体的にはどういう拠点にするのですか?」
「まずは昨日みたいに迷子にならないように、拠点の目印を作りたいな。この辺の木を少し使いたいんだけど、魔法で切れたりするか?」
「大きな木は風の魔法で切れますが、細かい作業は流石に難しいです」
「となると、木を切る道具も作りたいな」
この洞窟があるのが森の中なので周囲が木に囲まれているので、何本かの木は伐採したい。問題はそれを家具を作るのに使うためには、細かく切れる道具を作る必要になってくる。
「ならこのボクの剣を使ってよ。何でも切れるからさ」
「おお、サンキュー」
俺は渡された剣を受け取る。剣には見た事のないような紋様が付いていて、いかにも強そうな剣だった。
(何かRPGで出てきそうな剣だな)
例えば勇者の剣とか……あれ?
「ツバサ、その子誰?」
「ボク? ボクは魔王を退治しに来た勇者だよ」
「ユウシャ?」
俺の考えた事を丸々そのまま答えたこの剣を渡してきた勇者。横を向くと、屈んだ俺と同じ背くらいの銀髪の女の子が立っていた。
だがなぜかその勇者は服を着ていない。
「もしかしてこの剣、君の物?」
「うん、大切な剣だから大事に使ってね」
「いやいや、怖くて使えないから!」
俺は思わず返してしまう。こんな大事な物をそんな木の伐採の為に使うわけにはいかないのでお返しする。
いや、剣よりも大切な事がある。
「君は服を着ないの?」
「暑いら脱いだ」
「何を着てたの?」
「うーん、鎧とか盾とかかな。あれがないと魔王倒せないし」
「今すぐ探してきて!俺達が死ぬ前に今すぐ!」
このボクっ娘がもし仮に勇者だというなら、そのライバルの魔王もこの世界に転移してきた可能性が高い。
「ハッハッハ、まさか貴様までここにいるとはな、勇者ポロ」
「出たな、魔王チビィ」
ほら言わんこっちゃない。魔王がこんなところに来てしまったら、もう駄目だお終いだぁ。
「って、あれ? 魔王の姿が見当たらないのですが」
ユズが周囲を見回しながら言う。確かに魔王と思わしき姿がどこにも見当たらない。まさか直接脳内に。
「違うわい! 我はここじゃここ!」
再び声がしたので、視線を下げてみる。すると、勇者ポロより更に背が小さい女の子が一人。その身の丈には合わないくらい大きなマントを羽織って、こちらを見ている。
なお今にも泣きそうな顔をしているのは内緒だ。
「おいおい、ここは託児所を作る場所じゃないぞ」
「馬鹿言え! これでも我はもう数十年も長生きしておるのじゃ! どうだ、恐れ入ったか!」
「それって普通じゃないか?」
「むしろアタシの方が年寄りかも」
「キャトラの方が年上なの?!」
衝撃な発言が出たにも関わらず、勇者ポロと魔王チビィはお互いに睨みつけあっている。
「今度こそ決着つけるぞ、ポロ!」
「覚悟!」
「待て待て、こんな島でそんな物騒な戦いを始めないでくれ!」
俺は子供の喧嘩を止めるように二人の間に割って入る。いや、もはや見た目からしたら子供の喧嘩だ。
「何じゃ我らの戦いを止めるのか? 何処の馬の骨か知らぬが、切るぞ」
「だから待てってば。ここはそういう場所じゃないから!」
「そういう場所じゃない? どういう事お兄さん」
ようやく話を聞く気になったのか、ポロの方が剣を収めて尋ねてくる。それを見た魔王の方も、一度話を聞く体勢になったところで、俺は今起きていることを説明する。
「つまりここは、ボク達の世界じゃないって事?」
「簡単に言うとそうなる。ここにいる全員が、それぞれ違う世界から来て、今こうして同じ場所で生活しているんだ」
「元の世界に戻る事は?」
「今のところは不可能かな。調べてみなければ分からないけど」
「そっか。そういう事なら、ここは一時休戦しよう、チビィ」
「一時休戦じゃと? この世界を手にできるなら絶好のチャンスではないか」
「やめてください!」
血気盛んな魔王様に対して、容赦なく水をかけたのはやはりユフィだった。その様子を勇者はおおと感心していた。
「な、何をする!」
「今私達は生きる事に精一杯なんです。お子様の喧嘩の相手をしている暇はないので、そういうのは元の世界に帰ってからしてください!」
「お子様言うなぁ!」
何はともあれ、この無人島生活に勇者と魔王という何ともカオスな仲間が増えましたとさ。
「我は納得してないからな!」
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