チートなはぐれ魔王の規格外な学園生活

つくつく

10同盟

一時休戦。そう言われた魔王はきょとんとしていた。
魔王「俺ら交戦中だったのか?」
エリカ「な、流れでわかるでしょ!いちいち噛みつかないでよ」
魔王「お、おう」
と無理に納得したような感じの返答が返ってきた。
エリカ「ゴホン。頼みがあるの」
そう言うと、魔王の耳元に顔を近づけた。
そこで、ふと気づく。自分に当てたれている好奇の視線に。クラスメイトがニヤニヤしながらこちらを見ている。そうすると恥ずかしさがこみ上げてくるのが分かった。しかし、魔王はそんな様子を知らずか
魔王「どうした?」
と言ってきた。
エリカ「こ、ここでは、、ちょっと。…ほら、、あっちに、行きましょう」
そう言って早くと言う代わりに魔王の裾をぐいぐいっと引っ張った。
教室を出ると中から口笛や拍手が聞こえた。
人目のつかない場所に移動すると、 
エリカ「…改めて言うわ。この学園に魔族が入り込んでいる可能性が高いの。それで、知っている魔族と会ったら伝えて欲しいの」
それに魔王の後ろからついて来たベルが魔王が答えるより早く口を開いた。
ベル「おまえ。何を言っているのか分かっているのか?」
もちろん分かっている。今私は仲間の情報を言えと言っているようなものだ。それは、魔族に対する裏切り行為と思われても仕方がない。
エリカ「・・・」
だから無言を持ってエリカは肯定した。
それがベルにも伝わったのか、彼女の顔に怒りが見える。
ベル「…ふざけないで!私はマオーとただ静かに暮らしたいだけなのに。どうして、どうしていつもいつも奪うの」
と堪えていた涙が溢れるように落ちていく。
そんな表情に呆気を取られていると
魔王「ベル。心配いらない。俺がどうにかしてやるから」
そう言ってベルを抱き寄せた。
その時、ちくりと何かが胸に刺さったような気がしたがこの時は気にも止めなかった。
魔王「なぁ。この学校。俺の支配下に入らないか?」
それにエリカは渋面の表情を作ると魔王は、
魔王「なら、同盟を結びか」
エリカ「…本当にいいのね」
とエリカは泣いて顔を魔王の胸に埋めている抱きついてるベルを見た。
それに魔王はにっと笑うと
魔王「校長まで案内してくれ」
校長「いや。その必要はない」
声が聞こえ、そちらの方を見ると、予想通りの人物が物陰から出てきた。
校長「すまない。途中から聞こえてしまった。・・・では、話を戻すがエリカ君も言っていたが本当にいいんだね」
そう校長から聞かれた。魔王は優しく、ベルの頭を撫でてやると
魔王「あぁ。それで構わない」
校長「そうか。では早速だが、校内の巡回を頼む」
そう言われ、三人は校内を回ることにした。
魔王「なぁ。突然で悪いんだが、エリカは勇者で魔族と戦ってんだからお前の方が詳しいんじゃねぇか?」
そう言われた時エリカは目を逸らした。
それにマオは首を傾げていると隣で泣き止んだベルが
ベル「…勇者も馬鹿だから。他を無視して、一人でマオーのところまで突っ込んで行った」
魔王「エリカお前馬鹿だったんだな」
エリカ「あんたにだけは言われたくないわよ!」
そんな話をしながら校内を回って行き、自分達の教室に戻ってきた。
すると、マオーの机の上に何か紙があり、そこには
「邪魔をすれば容赦しない」
そう書かれていた。
それをベルとエリカも見つけ、エリカは嬉しそうに唇をにっと上げた。
エリカ「接触ありね!…邪魔をするなと言うことなら近々何か大きなことをするって言うことね」
ベル「実力試験がある」
とベルが答えた。
魔王「じゃあ。全面戦争開始だ!」








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