チートなはぐれ魔王の規格外な学園生活

金田拓也

2.今日から学生です。

魔王「俺は魔王だ!よろしくな」
と、黒髪の赤い瞳の青年は子供みたいな無邪気な笑顔で笑った。
事態は最悪というほかない。魔王が人間の学校に来たのだ。この学校は、魔族と闘う人間を育てる学校だ。将来的に有望な人材を今のうちから潰されれば戦力として終わってしまう。
それに彼が魔王と名乗ったことにより、この教室はパニックに陥る。そんな中、力をほとんど使えなくなった私が守りきるのは不可能だ。
とエリカは思考していたが、その思考が途中で止まってしまう。なぜなら、誰一人としてパニックに陥っていないからだ。なぜ?という疑問を抱えていると前の席のサオリがこちらをニヤニヤしながら見た。
サオリ「エリカ。マオさんと知り合いなの?もしかして元彼?」
エリカ「マオさん?」
とエリカが聞き返すと
サオリ「うん?マオさんマオさん」
と不思議そうに言った。どうやら魔王ではなくマオと言う名前だと勘違いしているのだろう。
そんなことを考えていると担任の先生が
担任の先生「おーい。君も入ってきなさい」
と言うと、金色の髪の女子が教室に入ってきた。
「ベル。それが私の名前」
と短く無愛想に言った。
それに担任が頷き
担任の先生「お前らの席はっと。お!エリカの隣が空いてるからそこに座ってくれ」
それにエリカは驚き、誰もいない隣の席を思わず見てしまった。
それを聞いて魔王は、ゆっくりと近づいてきた。そして椅子に腰かけた。その後ろをベルと名乗った少女がテクテクとついてきたが席は一つしか空いておらず、
担任の先生「ベルさんは、そっちだよ」
と指をさした。その場所は、魔王とは少し離れており、ベルは頬を膨らませ、不満気な顔を作ると
ベル「いや。マオーの隣がいい」
と駄々をこね、しょうがなく魔王の隣の男子生徒と交代になった。
エリカ「どういうつもり」
とエリカが声を潜めて問い詰めるように言うと。
魔王「ん?何がだ?」
と不思議そうに言った。
エリカ「とぼけないで。何が目的?」
と聞くと、魔王はフフと笑うと
魔王「学校は、楽しそうだから通って見たかったんだ!学食とかみんなで食べたりするんだろ?みんなで騒いだり遊んだりするの夢だったんだよなぁ」
目をキラキラと輝かせながら語るその姿は冷酷な魔王とは程遠い、少年のようだった。
ベル「マオーには、お前が心配するような目的はない」
と魔王の隣で聞いていたベルが会話に入ってきた。
エリカ「それを信じろと?」
ベル「今は信じなくてもそのうち分かる」
エリカ「何を?」
ベル「マオーが、、」
担任「おーい。エリカ。早く取りに来い」
と担任から呼ばれて、教卓まで行くと、先日した小テストが返ってきた。小テストは、基本的な問題でそこまで難しいものではなかった。
「次。マオ」
と呼ばれ、マオが行き、紙をもらい、席に着いた。
その紙をベルが覗き見し、
ベル「0点。やっぱりマオは、バカ」
エリカ「え?」
と驚き、思わずそちらを見ると、テストには0点と書かれていた。
自分の中では、魔王は、完璧な存在だと勝手に勘違いをしていたのだ。ものの数分でここまで崩されるとは。
その様子を見ていたベルが口を開いた
ベル「これで分かったか。マオはバカで嘘つける頭をしてない」
エリカ「たしかにバカかもしれないけれど。それとこれとは話は別だわ!」
とエリカが反論し、お互いで口論をしていると
魔王「うるせぇぇ!」
と魔王が大きな声を出した。
魔王「人のことをバカバカっていい加減にしろ!」
ベル・エリカ「「ごめんなさい」」
魔王「わ、分かればいいんだよ」
そんな会話をしていると、周りがクスクスと笑っていた。
「夫婦漫才かよ」「修羅場突入」
とクラスの人から茶化されていた。
エリカ「私は認めないから」
とだけ言い残しクラスを出て行った。
廊下を歩きながら、怒りを全部ぶちまけてやろう。と思いながら、この学校の責任者である校長室の扉を勢いよく開けた。
エリカ「どう言うことですか!?校長!」
それに50くらいの校長がこちらを見た。
校長「お!?エリカちゃん。どうしたの?マオくんのこと?」
エリカ「魔王です!」
と訂正をすると
校長「いや。マオくんだよ」
と言われ、尻込みしてしまった。
エリカ「そんなことよりどうして彼を!?」
校長「だって逆らったら大変なことになりそうだし」
と校長は子供のようにふてくされながら言った。
エリカ「彼を入れた方が大変なことになります」
校長「そもそも君が彼に負けたことが原因だろ?勝っていればこんなことにはなってないよ。それを私のせいだと言われてもねぇ」
エリカ「な!!」
そう言われてしまえば反論できるはずもなかった。
校長「いざとなれば私が守るよ。これでも英雄に選ばれただけのことはあるからね」
と言いながら腰にある。金色の剣を見た。
エリカ「わ、わかりました!」
とふてくされ出ようとすると
校長「エリカちゃん」
と声をかけられそちらを見ると
校長「彼のことを頼むよ。それと、今は実技だけど。君のクラスは大丈夫かな?」
と校長は微笑みながら言った。
その言葉に慌てて校長室を出た。
魔王が本気でやらなくても、加減を間違えれば簡単に死んでしまう。急がないとと思いながらも遅くなった足に苛立ちを抱えながら、実技室の大きな扉を開いた。
中の造りはコロッセオのような円形で、西洋のようなものとなっていた。
扉を開けて一番に目に入ったのは、倒れている生徒だった。
コロッセオの中心にはいがみあっている生徒達と少しも怯む事もなく、立っている魔王がいた。

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