オタクな仲間はお嫌いですか?

金剛涼猫

謎のヒロイン→謎のヒロイン(男)

 よく考えろ・・・俺。
 多分これは新手のいじめだ。ああ、きっとそうだ。 所謂「勇者勇者詐欺」とか言うやつだ。
 適当なこと抜かして俺から金品を奪い盗ろうとしているんだ。あっぶねぇー思わず引っかかるとこだったぜ。
 まあ、そんなことどうでもいいが早く鉛筆返してくんねぇかな・・・
 もう一度、彼女を見ると今度は愁いな瞳で鉛筆を見ていた。
 すると彼女は俺の視線に気づいたようで、「ごめん、ごめん」と鉛筆の先を握り俺の手へ渡した。 
 俺は、彼女の行動原理が全く読めなかった。

 俺は怪しい女子の事が頭によぎり教師の話が全然頭に入ってこずいつの間にかホームルームは終わり皆それぞれ帰宅していった。
 彼女はあの一件以来何も無かったような態度でホームルームを受け、だれとも会話を交わさず帰っていった。
 なんなんだあの女・・・・。
 彼女の姿を最後まで見送ると、不意に後ろから肩を掴む感触があった。
「よっーおっ!陰気少年」
 後ろを振り返ると、誰もいない。
 え・・・なに。入学式早々怪奇現象?と思ったが視線を下げるとそこには、小柄ながら童顔、どう見ても
高校生とは思えないくらいほんわかした生徒だった

「おい君!君って俺と同じ「1のC」だよな!」
 何だよヤブからスティックに。
 そんなフレンドリーに話されても誰もが流暢に話せると思うなよ。コミュ障とか人と普段から話さない人間はこういうのには免疫がねぇんだよ。みそは俺。
「ああ。って・・・お前って確か」
「あっ!気づいた!?俺君の前の席の「長瀬智也」って言うんだ。これもなんかの縁だよろしく頼むな!」
 どうする。
 
 友達になる。
 なにか理由つけて逃げる。←

 うん。これだ。
「そうか。じゃあ俺急ぎの用があるからじゃあな」
 もう話すことはないだろうがな。
「あっ!待って!」
 俺は聞こえなかったふりをして後ろ髪を引っ張られるおもいで、自転車の止めてある駐輪場へ向かった。

「行っちゃった・・・。・・・ッチ」
 俺は不意に彼の顔を覗うと怪しげな笑みを浮かべていた。
俺はまさかこの行動が後々面倒な出来事になるとは思っても見なかった。

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