オタクな仲間はお嫌いですか?

金剛涼猫

プロローグ

 人間。最底辺まで来ると幻想まで見えるようになるんだな・・・。
 だって俺の目の前で裸で戯れ合う女の子がいっぱいいるんだもの。いっぱい、いっぱい、おっぱい・・・。
「・・・っは!!・・・どこだ、ここ・・・・?」
 なんつって。とうとう頭がおかしくなったのか一人異世界転生ごっこを始めていた。
 いや。違う現実逃避ではない。別に逃げたくなることなんてない・・・こともないがこれはただの疲れから出た症状だ。
 うん。決して痛い奴ではない。
 期待を胸に周りを見渡したが勿論異世界転生しているはずもなく、いつもどおりのフィギュアや漫画、ラノベが飾られ、パソコンの明かりだけがついたいわゆるニート部屋が俺の視界にはひろがっていた。
 ニート特性の妄想劇である。
 だが、このニートになったのにも理由がある。
 もとより、俺はいじめにあって学校に行かなくなった。・・・というよりも俺の「天王寺陽菜乃」という名前が「女子っぽい」とクラス、学年とバカにされ続けた結果、バカにしていた奴ら全員殴ったら、
暴力行為とみなされ一ヶ月の停学処分をくらった。プラス、その通告を聞いたその日に、帰り際、バカにしていたクラスメイトを(怪我させたところを重点的に)殴ってしまい二ヶ月の停学に長引いた。
 その時は、胸糞悪くてなぐってしまったが、また会ったら殺しにしてしまう心配もある。いじめられた俺が不幸になるこれが社会の原理か・・・と納得すれば大人だろうが当時はそのような考えはなかった。だからこそ俺は卒業まで引きこもり続けた(卒業式では俺が停学になっていたことを全員知っていたらしく話しかける奴も、目を合わせるやつもいなく終わった)。

 中学では、学校に行かなかったわけだが別に学校に行きたくなかったわけではない。ただ、行ってバカにされる。無駄な時間を過ごすと思ったのだ。
 別に、義務教育だからって勉強が学校でしか出来ないってわけではない。今ではスマホで学べるご時世だ。だからこそ俺はこの日常から抜け出すんだ。
 そう。

「高校デビューッッッダ!!」


 中学時代失敗した非リア充が許される最大にして最高のチャンス!・・・っと言っても、あんなチャラチャラした毎日女の事を考えているような奴になる気はない。
 俺は中学で暴れまくった過去を拭い去るんだ。
 あとできればこの引きこもりになった最大の理由でもあるこの名前も変えてしまいたいが今はとりあえず我慢だ。

 とりあえずこの高校デビューを果たししっかり勉学に励み、静かな学園生活を送ってやる。

____と、思っていたんだがな・・・・。

「君、只者じゃないね」
 何でこうなった・・・。

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