シスコン賢者の異世界転生生活

おねむねむねむのきょう

第4話 異世界の始まり4

残酷な描写があります。



「とりあえず行ってみるか」
この世界に関して情報が必要だ。
これは2年前の7月18日。
あれは沙耶が小学二年生の時に起きた事件だ。
あの頃の沙耶はお兄ちゃんお兄ちゃんって可愛かった。いや、今のクールな沙耶も可愛いがな!
当時は新聞を読んでなかったから情報に疎かったんだ。
当時近所で何匹かの野良猫が悪さをしてたらしくて…
そしたら、7月18日の午後3時くらいに外に出かけた沙耶が猫にひっかかれたんだ。
必死に傷を隠そうとした沙耶も可愛かったなぁ。
そこから頑張って近所の猫を捕まえてしつけてやったんだ。
それ以来ちょっと猫が怖くなったんだよな。今は大丈夫らしいけど。
「どうしたの?」
おっと、思い出にふけりすぎたな。
「いや、昔を思い出しててな。昔はよくお兄ちゃんって言ってくれたなって」
「なっ!恥ずかしい」
沙耶は真っ赤になった顔を恥ずかしそうに手で覆い隠した。
「あの頃も可愛かったぞ。ま、今の沙耶も文句無しに可愛いけどな」
「う、うるさい!昔の話は辞めて。恥ずかしい…」
ヤバイうちの妹が可愛すぎて鼻血がでる。
「そ、それより、どこ行くの?」
おっと、そうだった。
沙耶が超絶美女すぎて話が逸れてしまった。
「とりあえず人がいる方へ行ってみようと思う」
ふぅ〜んと頷いて俺についてくると合図を出してくる。
まあ、合図というより俺が沙耶の心を把握してるだけだ。
たまに兄妹の俺でも分からない時があるが、その部分はプライバシーに関してそうなので触れてはいない。
「とりあえず行ってみるか」

 五分後

案外速くついたな。
今日は体が怠い。
疲れているのか、いや沙耶が近くにいて疲れるなどあり得ない。
つまり、あの手紙に書いてあった通りステータスが低くなっているのだろう。
さっき気配探知で感じた場所では戦いが繰り広げられていた。
どうやら馬車で移動中にゴブリンに襲われているらしい。
6人のうち2人は夫婦のようでガクガクと震えていた。
残りの4人はその護衛なのか、襲いかかってくるゴブリンと戦っている。
それを物陰からひっそりと眺めている。
「スラッシュ!」
1人の鎧を着た男がそう叫びゴブリンを切りつけた。
ブシャャャ!
切られた所から血が吹き出る。
「ひゃ!兄さん何するの!」
少しグロテスクなので沙耶の目を覆い見えないようにする。
可愛い声で驚いた。
護衛こ人が押され気味だな、加勢しとくか。
この世界の人とは繋がりを持っておいて損は無いだろう。
言葉が通じるから分からないが。
ってなわけで助けることにした。

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