シスコン賢者の異世界転生生活

おねむねむねむのきょう

第2話 異世界の始まり2

ゆっくりとゴブリンに向かって歩き始めたところ、ゴブリンは急ブレーキをかけ、賢磁を睨んでいた。
しかし賢磁はそんな事を気にも止めず、ただひたすらにゴブリンを睨んでいた。
沙耶に敵意を持つ者は誰であろうと敵。
昔、沙耶に誓った言葉である。
これだけは守らなければいけない。
そんな思いを胸に抱きながら右手に力を込める。

÷沙耶視点÷

(お兄ちゃんが、お兄ちゃんがあんな危ないところに!)
明野 沙耶は重度のブラコンである。
ある時は兄の入浴中の写真をこっそり撮ったり、ある時は兄の部屋に侵入、兄のベットの匂いを嗅いだり、服を一枚攫ったり。
兄の為なら何を犠牲にしてもいい。
兄の為なら周りの者全てと縁を切ってもいい。
そう思える程に兄である賢磁が好きなのだ。
だから、兄に敵意を持ったゴブリンが現れた時、怒りを覚えた。
(私のお兄ちゃんに敵意を向けるとは死の覚悟は出来ているのか)
と。
しかし、無能な自分が足手まといになることを恐れている。
もし、負けて兄の手をわずらわせてしまったら…
その結果兄に頼ってしまった。
自分の無力さに悔いてしまう。
これでも自分は賢磁の妹か!と何度も自分を責め、結局いつもの「自分は兄にとって役立たずな妹」と言う結論に至っていた。
周囲からは天才と称えられている沙耶だが、自分よりも兄の方が凄いと確信している。
せっかく異世界とやらに来たのだ。もっとできる所をアピールしなければ…
そう考え、自分で自分の頬を叩き気合を入れる。
(よし、今からでも…)

どっかーん

(?)
沙耶は訳が分からず呆然としていた。

÷賢磁視点÷

(うちの沙耶の半径1キロに入った罪は重いぞゴミ)
ゴブリンまで一気距離を詰め、ゴブリンに一発拳を入れる。

どっかーん

何故か殴るだけでゴブリンが爆発したのだった。
「え?」
これには流石の俺も理解が出来ず呆然とした。
爆発による煙が晴れるとゴブリンがいた場所には小さなクレーターができていた。






お久しぶり、作者です。
1ヶ月以上たちましたね。
すみません。少し別の作品に力を入れていて…
これからは気をつけます。

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