シスコン賢者の異世界転生生活

おねむねむねむのきょう

第1話 異世界の始まり1

マジですか。
俺の身体能力が80%低下って。
これじゃあ沙耶を守れないじゃないか。
しかしこの世界でも日本語は通じるのだろうか。いや、通じないだろう。
そこは確信を持てる。
「手紙」
すると沙耶は右手を差し出し、手紙を渡すように要求した。
「いいぞ。しかし俺と結婚してくれたらな!最愛の妹にこのような試練を与えるのは辛いが…」
「いいから」
そう言って強引に手紙を取る。
手紙を取られて数秒後、手紙は返された。
相変わらず冷たい表情で。
そんな所も好きだけどな!

しかしここで問題がある。
それは俺のステータスがわからないことだ。
「ステータスオープン」
まあ、こういうのは大体こんな感じの合言葉で開くのだ。

 明野 賢磁 L v.0

これより下は表示できません

ほら、て、あれ?
なんだよこれより下は表示できませんって。
しかもレベル0だし。
その時、
「兄さん。あれ、何?」
沙耶が指を指し、その先に何かがいた。
濁った緑色をした二足歩行。棍棒片手に低めの身長をしたとても人間とは思えない文字通り怪物がいた。
これはこのあと知った事だが、こいつはゴブリンと言ってモンスターと呼ばれる怪物たちの中で1番弱いらしい。
俺は足元にある石ころを拾いゴブリン目掛けて軽く投げてみる。
気のせいか石がかなり重くなったような気がする。なんの支障もないが。
石はゴブリンに直撃、がぶつかった瞬間コロッと落ちた。
効いてねぇ〜
心の中で叫びは誰にも聞こえない。
「兄さん、弱っ」
えっ?!
最愛の妹からの言葉に俺は膝をつく。
「さ、沙耶が俺を弱いって、弱って。ごめんよ、ダメな兄ちゃんで、ごめんよ」
ボロボロと涙を流し必至に妹に謝る。
「わかったから、泣かないで」
小さな子供をなだめる様に沙耶は俺を慰めた。
や、優しい!
女神か!いや、正真正銘の女神だ!女神が降臨なさった!
涙を止め、沙耶を崇め出す。
沙耶は若干引いた様子で苦笑いで誤魔化していた。
そんな事をしている間にもゴブリンはこちらに迫って来ていた。
「それより、アレどうするの?」
視線を変えずゴブリンを指差す。
確認の為に指差した方を見る。
「どうするって言われても。仕方ない、ちょっと倒してくるよ」
「え、ちょっと!」
沙耶の方を向いてからニッコリと笑うと、走ってゴブリンの方に向かった。
あまり沙耶から離れたく無かったが、近くで戦って沙耶に怪我をさせる訳にはいかない。






久しぶりに出させて頂きました。
この作品は更新が遅いですが、いずれは他の作品と繋げていこうと思っています。
この作品をお読みいただきありがとうございます。
そして他の作品もよろしくお願いします。

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